文化祭一週間前および弱小部活動の現状 #1
だんだんなにがしたいのかがわからなくなってきた気がする……
例の打ち上げから一週間が過ぎた。
山高は文化祭まで残り一週間となり、準備に追われている。
「しかしまあ、よくこんな部で存在しているものだね」
文芸部は、先週までに書き上げた部員の原稿を印刷屋に提出し文化祭までに製本してもらえることになったのだが……
「今回も赤字かもね」
印刷屋に請求された値段は文芸部の全財産のほとんどであり、今回の部誌が売れなければいよいよ文芸部は破綻してしまう。
コウメイが部員二人の正面で腕を組んで考え込んでいる。そして、いいアイデアが出なかったのか今度は正面に座っていた二人に話を振ってきた。
「なにか、利上げを伸ばすいい方法が思いつく人は?」
「……なにか目立つようなことわやればいいんじゃないのか?」
「例えば?」
「何か事件を起こしてそれの解答編みたいなのを部誌に載せるとか」
「ノリ君……それ犯罪よ、立派な」
葉月が呆れたように突っ込んだ。
「あくまでも例えばだよ」
と、つまらない議論が続いているところに部室の戸が開く音が聞こえた。
ここを誰かが訪ねてくることは極めて珍しい。何しろ伝統はあるが、今のところ山高で一番潰れかかっている部なのだから幼児のある人間など早々にいないのだ。
はたして、扉を開けた人物というのは、
「や、みんなお揃いだね。さっきから聞いてたけど随分と大変そうじゃないか。また赤字だって?」
文芸部顧問の石山寛だった。
「……自分の部が非常に危険な状態にあるというのに随分と楽しそうですが」
「そうですよ。もうすこしでノリ君が犯罪に手を染める事態になってたんですから」
「ちょっと待て、葉月さん!!だからあれは冗談だから。間に受けないで!」
法明が声を張り上げて、必死の反論をする。
なんで俺が、半ば強引に引き込まれたこの部のために、一生に棒を振る必要があるんだ。
「まあ、ノリ君が犯罪を犯すかどうかはおいといて。真面目に何か策を打たないと次回からが出せなくなる可能性がある。今晩にでも何かいい方法を考えておいてほしい」
「俺が犯罪を犯すかどうかはまあまあ重要だと思うが……まあいいよ。わかった、考えておくよ」
「私もそうするわ」
そこまで確認したコウメイは、まるで他人事のように話を聞いていた石山先生を振り返った。
「もちろん、先生も考えておいてくださいね」
どこが推理物なのやら。
次回こそ!!