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スフィア  作者: ハーブスケプター


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5.首都

 日本国土に向かって数多の核弾頭が飛翔した。

標的はあらかじめ設定されていた、各主要都市、米軍基地、そして陸海空自衛隊の各補給処とすべての基地だった。

迎撃システムで破壊できたのは十数発。

後のほとんどは着弾した。


 日本のほとんどのが破壊され尽くしてしまったのだ。

首都東京も壊滅的打撃が加えられ首都機能は失われた。

当時の内閣はシェルターに避難し、そこから日本国内の被害状況の把握に務めたが各都市や自衛隊の各基地にも被害が拡大しており現状確認さえままならぬ状態であったらしい。


 とにかく即応体制であった米国の太平洋艦隊に自衛隊の残存戦力を合流させることだけが優先されたと聞く。


当の共産国家は暴発した政権に対しての人民軍内部の反乱も起こっており統制がとれなくなっている状態だった。

その上無計画に武力を乱発したせいで防衛に対する処置が遠のき、多国籍軍の攻撃に為す術もなく大陸の各地での反乱蜂起も合わせ鎮圧されていくのは時間の問題だった。


 このとき宗教紛争を繰り返してきた国たちも手を取り合いひとつの敵を打ち払うことに注力した。

怪我の功名とでも言うのか、あれから50年紛争は起きていない。


  政府は東京の首都機能を一旦長野県に移した。比較的被害が少なかったのが理由らしい。

長野暫定首都は17年ほど機能していたらしい。

日本はそこを中心とし復興を目指したのだった。

日本が被弾した核弾頭は6つ。

通常弾頭の中距離ミサイルは628を数えた。

中距離ミサイルは主に航空自衛隊の基地、米軍基地、イージス艦が着任している港など、先ず航空戦力の無力化が目的だった。


 長野県も全く被害がなかったわけではなく、陸上自衛隊の松本駐屯地が標的とされ主要とされる設備が半壊してしまった。

ただ幸いと言うべきかその他の交通機関やインフラは壊滅的打撃は受けなかった。

その後、政府そして被災者が一丸となって復興に汗を流した。

今からたった50年前の出来事だ。ただ、迎撃された以外に何らかの原因で海上に落下した核ミサイルが多く、日本海も太平洋、そして瀬戸内海、オホーツク海もそうしたミサイルが落ち日本沿岸の海は全て汚染されてしまった。

核爆発による汚染と不発したものの燃料が海中に漏れ出したからだ。


海は死んだのだ

これは日本だけでなく全世界の海で起こった出来事であり。

地球の住人にとって死活問題であった。東京は12年、大阪は15年、愛知は14年、比較的大都市圏は復興の速度を速めたが、地方都市に至ってはいまだ復興を果たせずにいる地域もある。

だが、古い設備の上に新しいテクノロジーを上乗せしていくやり方では復興の進捗度合いにも複雑に影響してくる。

復興はいったん「更地」になったからこそ急速に進んだのだと評論家は言う。

大東亜戦争で日本が敗北し、焼け野原から復活したスピードにも似ていると識者は言う。


 もう一度遷都をし、東京をまた世界一の都市にするには必要とされる時間を要することは無かったのだ。


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