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スフィア  作者: ハーブスケプター


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44.白い悪意達

公臣は私邸のリビングでグラスを片手に一点を見つめていた。

その視線の先には客人がおり、ロッキングチェアに座っていた。


「さあ、グッドボーイ。やるべき事が始まりました。貴方はあの黒い魔女達に唆されレールを見失いました。わたしはその失ったレールをあなたに見せてあげる事ができる。双子の兄に出来てあなたに出来ない事はひとつ足りともありません。その証拠にあなたは"あれ"を作り上げました。兄だけが作れると思っていたものを。ただ、足りないものがあります。正確に時を伝える時計です。それを手に入れた時あなたは兄を超えて、ひとりだけの太賀となるのです。あの時私が差し上げたカードを出してみなさい。そこには蒼々と光る月が描いてあるはずです。月の光は太陽を消し去り、闇の王となるのです」


公臣はカードを取り出した。


「マーガレット、僕は双子の兄に嫉妬していたんだよ。あの時もそして今もさ。彼はいつも快活でみんなの人気者なんだよ。僕はどうだ?陰気で人見知り、家では饒舌だけど外に出ると全くだめ。ずっと苦しかったんだ。兄には綺麗なカード。僕には汚い土砂降りのカードさ。カトリーヌも僕のことを知っていて意地悪をしたんだろうね。だけど君は綺麗なカードをくれたのさ。君は大好きだよ。あ、そうそう、兄が帰ってきたんだよ。僕より11歳も年上になってね。笑っちゃうだろ?同い年だから競い合っても勝てる気がしたのにさ。もう勝てる気も起こらないんだよ。どうしたらいいんだろうね。やんなっちゃうよ。ねえ教えてよ。僕は何をすればいいんだい」


白い服を着た老女はこう答えた。


「黒の使い手があの土地へ行き魔術を使う。魔術を破るにはさらに強力な魔術が必要」


そう言うと部屋の隅に消えていった。


〜地下実験室


次の日、公臣は地下の兄を訪ねた。

「兄さん、開けてくれるかい?僕だよ」

「どうしたんだ、こんな所へ」と言い、公聡は二枚扉を開けてやった。


部屋に入った公臣は「どうだい?そろそろあっちに行けそうかい?」と訊いた。

「ああ、パラメータの確定試験も終了した。もういつだって飛べるが、あとはあいつらの邪魔をするための機材を少し多めに作ってるところだ」


「そうかい、誰が行くんだいあっちへは」

「私が行くつもりです」と美月が申し出た。

「ふーん、貴女が?」と言い公臣は何か眼の奥の何かを滾らせ彼女を見た。


「気をつけて行ってきてください。僕はもう"こっち"の実験には興味はないのです」


公臣は部屋を出ようとした時、美月に一言だけ言い残した。


「前から疑問に思ってた事があるんです。貴女が白衣をいつも着ないのには理由があるんですか」


その答えを待たずに公臣は部屋を出た。


~地下駐車場


 公臣は役員用の"自動車"に乗り込み、「自宅まで」と言って自動車を走りださせるのだった。


「さあ、正確な時を告げる時計は手に入った。あとは彼女との約束を果たすだけだ」







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