22.アポイント2
木村は正午前にタイガベルモンターニュに電話を掛けた。
前回掛けた時のことを記憶していたので、研究室の名前は分かっていた。
代表の交換手にこう言った。
プラント研究室2番につないで欲しい。
保留音で待たされた木村は少しイライラしている。森に取材の成果を早く出せと言われている事も原因だが、友人の祐介があれから電話に出ないことも腹ただしいのだった。
しばらくして研究員らしい女性の声で「お待たせしました、プラント研究室です。ご用件をお聞きいたします」
「ボリスデイリー社の木村と申します。そうです、先日もお電話いたしました」
「はい、先日は失礼いたしました」
木村は緑村の在籍を確認した。ところが女性研究員はこう言った。
「緑村は研究室に在籍しておりません。異動になりました。加えて申し上げますが異動先は私では分かりかねます。それでは失礼いたします」
木村は驚愕とともにこの事態の裏を勘ぐっていた。
今度はもう一度代表に掛け直し、緑村美月個人を指定して繋いで貰いたい旨伝えた。
しばらくの保留音の後電話に出た交換手は
「緑村は弊社に在籍しておりません」
木村は事情が飲み込めず混乱した。
さっきの研究員は異動と言った。
しかし代表電話は辞めたと言う。
何だこれは。もう一度研究室に繋いでもらいたいと交換手に言った。
電話に出た女性研究員に木村は言った。
「業後にお会いできませんか」




