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12.ボリスデイリー社にて2
森は木村をつかまえて別室に入った。
「とんでもないってどんな事だ?話してみろ」
「森さん、あの時インタビューした部屋を覚えてますか」
「ああ、もちろん。俺たちは壁を背にして椅子に座っていて、緑村美月嬢はドアを背にして座っていた。たしか入ってきたドアとは違うドアもあったよな。そしてそのドアに総務部の社員が二人立っていた」
「実はですね、あのタイガって会社に大学時代の友人がいましてね」
「ほう、それで?」
「あの社員たちが映っている部分だけを切り出してその友人に見せたんですよ」
「ふんふん、それで?」
「そうしたらですね。彼が言うにはこんな人物はふたりとも総務部にはいないって言うんです。彼も入社して4年ほどになるのでそれは間違いないと思います」
「なんだと!!、それじゃあなにか?俺たちは正体不明の奴らに見張られてたってのか」
「そうなんです。緑村氏が当たり障りのない言葉を選んでインタビューを受けてたのもこれのせいかも知れません」
「なんだ!タイガってのは何を隠してやがるってんだ」
しばらくの沈黙の後。
「おい木村!!もう一度この女に接触しろ。正攻法で無理ならどんな方法でもいい」




