元勇者の女ですが、正体を隠して酒場で冒険者の愚痴に説教しています
辺境の街ガレリアの酒場【黄金の麦穂亭】には、不思議な給仕がいる。
二十代半ばの、リナという女性だ。
彼女はいつも少し眠たげな目で淡々と仕事をこなすが、彼女が口を開くと、どんな荒くれ者の冒険者も、まるで親に叱られた子供のように黙り込んでしまう。
彼女の正体が、数年前に突如として引退した“最年少勇者“であることを、街の住人はまだ誰も知らない。
∮∮〜 夢見る剣士と【都会】の幻想〜∮∮
「はあ……。結局、今日もこれか」
カウンターの端で、アルトが重い溜息とともに、クエストの報奨金である数枚の銀貨を放り出した。
【黄金の麦穂亭】の給仕、リナは、その銀貨を無造作に回収し、代わりに安いエールを置く。
「……何が不満なの?」
「何がって、全部だよ。今日の依頼も村外れの薬草採取の護衛。現れたのは出来損ないのゴブリンが数匹。俺のこの剣、今日一度も抜かなかったんだぜ?」
アルトは腰に下げた長剣を、苛立ちを込めて叩いた。
それは地元の鍛冶屋が打った、実用性だけが取り柄の無骨な剣だ。
「俺の剣技なら、王都の選抜試験だって突破できるはずなんだ。そこならもっと強大な魔物がいて、名誉ある任務があって……。こんな泥臭い街でくすぶっている間に、俺の才能は賞味期限切れになっちまう」
リナは手を休め、彼のジョッキの泡を眺めた。
「……都会、ね。あそこは、あなたが思っているほど輝いてはいないわよ」
「リナさんは行ったことないからそんなことが言えるんだ。王都は『英雄』が生まれる場所なんだよ。俺だって、あそこで一旗揚げて、歴史に名を刻むような冒険をしたいんだ」
リナはふっと、温度のない笑みを漏らした。
その瞳の奥には、かつて王都の喧騒の中で、押し寄せる称賛と憎悪の渦に身を投じていた自分自身の残像があった。
「英雄……。滑稽ね。アルトさん、さっき『剣を抜かなかった』と言ったけれど。鞘の中の手入れ、最後にいつしたの?」
「え? いや、抜いてないんだから汚れてないだろ」
リナは迷いなく、彼の腰から剣を奪い取った。
「おい、何するんだ!」という声を無視して、一寸だけ刃を抜き放つ。
ランプの光に照らされた刀身には、目立たないが確かな“曇り“があった。
「……湿気よ。この街は森が近いから、鞘の中に湿気が溜まりやすい。抜かなくても、金属は呼吸をしているわ」
彼女はカウンターの下から使い古したネルの布を取り出し、淀みのない所作で刀身を拭い始めた。
その指の動きは、単なる給仕のそれではない。
「都会の魔物はね、この街のゴブリンみたいに間抜けじゃないわよ。石畳の隙間から、屋根の影から、あるいは隣を歩く親友の皮を被って、あなたの喉笛を狙ってくる。その時、たった一瞬、鞘の中で剣が引っかかったら……。それがあなたの“歴史の終着点“になるわ」
「それは……」
「“特別な場所“へ行けば、自分が特別な人間になれると信じている。それは、今の自分に価値がないと認めているのと同じよ。」
リナは拭き終えた剣を鞘に戻し、アルトの手元に突き返した。
「あなたが今日、剣を抜かずに護衛を終えられたのは、あなたが事前に危険を察知して、魔物を寄せ付けない歩き方をしていたからかもしれない。あるいは、単に運が良かっただけかもしれない。でも、その“退屈な一日“を守り抜くことこそが、この街の人々にとっての英雄的行為なのよ」
彼女は冷めた瞳で、アルトを真っ直ぐに見据えた。
「王都へ行くのは自由よ。でもね、足元の泥を払えない人間に、王都の石畳を歩く資格はないわ。 まずは明日、その錆びかけた『憧れ』じゃなくて、自分の剣と向き合ってみたら?」
アルトは、返された剣の重みを、今までになく重厚に感じていた。
リナはすでに背を向け、別の客の注文を聞きに行っている。
「……リナさん。アンタ、本当にただの給仕かよ」
その呟きは、忙しなく動く彼女の背中には届かない。
アルトは静かに剣を引き寄せ、今度は大切そうに、その柄に手を添えた。
∮∮〜“強さ“の価値に迷う格闘家へ〜∮∮
夜が深まると、酒場の喧騒は一段と熱を帯びる。
その中心で、ひときわ大きな嘆き声を上げていたのは、レディースパーティを率いる格闘家、マリアだった。
「リナさん、もう一杯。……一番強いやつ。私の心のモヤモヤを全部溶かして、消し飛ばしてくれるようなやつをお願い」
リナは無言で、注文された強い蒸留酒ではなく、蜂蜜をたっぷり溶かした温かいミルクティーを差し出した。
「マリアさん、お酒はもう十分。これ以上飲むと、明日の朝の練武に響くわよ」
「……リナさんはいつも冷たいわね。いいじゃない、明日くらい。どうせ私なんて、どれだけ拳を鍛えたって、誰にも選んでもらえないんだから」
マリアは自嘲気味に笑い、テーブルの上に自分の手を広げた。
女性にしては大きく、節くれ立ち、数え切れないほどの擦り傷と硬いタコに覆われた、武道家の手。
「今日ね、お見合いしたのよ。相手は商家の次男坊。彼、私の手を見た瞬間、なんて言ったと思う? 『その手で頬を撫でられたら、骨が砕けそうだ』って。引きつった顔で笑いながら、逃げるように帰っちゃった」
マリアは視線を落とし、力なく拳を握った。
「私のパーティの仲間は、みんな結婚したり婚約したりしていく。彼女たちはみんな、華奢で、守ってあげたくなるような可愛い女の子たち。それに比べて私はどう? 魔物の首を素手でへし折り、岩を砕く。……リナさん、女としての幸せって、やっぱり“弱さ“と引き換えに手に入れるものなの?」
リナはグラスを拭く手を止め、マリアのその“無骨な手“をじっと見つめた。
かつて、リナ自身も同じことを考えたことがあった。
聖剣を握り、血に塗れ、人々に【救世主】と崇められながら、一人の少女としての自分をどこかに置き去りにしてきた日々──。
「マリアさん。その手を、そんなふうに卑下しないで」
リナの声は低く、しかし酒場の喧騒を切り裂くように透明だった。
「その手はね、あなたが死に物狂いで積み上げてきた“誠実さ“の塊よ。あなたが誰にも頼らず、自分の足で立ち、大切な仲間を守り抜くと決めたから、その手はそれほどまでに硬く、強くなった。……そうでしょう?」
「それは……そうだけど。でも、男の人はそんなの求めてないわ」
「“守ってやりたい“と言い寄ってくる男の多くは、あなたを自分より下に見たいだけよ。 自分の優越感を確認するために、あなたの弱さを消費したがる。そんな貧相な愛情のために、あなたがこれまで流してきた汗や血を否定するなんて、馬鹿げているわ」
リナはカウンター越しに身を乗り出し、マリアの荒れた右手を、自分の白い、けれど指先に微かな剣凧のある手で包み込んだ。
「いい? 本当にあなたに相応しい相手は、あなたの拳の硬さを“怖い“と言う男じゃない。その拳が、どれほど多くの涙を拭い、どれほど多くの絶望を打ち砕いてきたかを知って、愛おしいと言ってくれる人よ」
マリアの瞳が、驚きに微かに揺れた。
「強さは、美しさよ。あなたが自分自身の強さを、誇りではなく“呪い“だと思っているうちは、誰もその本当の価値に気づけないわ。……今の言葉、代金に上乗せしておいたから。明日は、その立派な拳で、自分自身の迷いを打ち砕くといいわ」
リナはそれだけ言うと、突き放すようにマリアの手を離し、再び淡々とグラスを磨き始めた。
マリアはしばらく呆然としていたが、やがてミルクティーを一口飲み、その温かさに瞳を潤ませた。
「……リナさん。アンタ、たまに年上みたいなこと言うわね。……ふふ、分かったわよ。明日、もう一回、岩を砕くところからやり直してみる」
マリアが立ち上がった時、その背筋は先ほどよりもずっと真っ直ぐに伸びていた。
∮∮〜“老い“を言い訳にする魔導士へ〜∮∮
夜も十二刻を過ぎ、客足もまばらになった頃。
店内の片隅で、一人の老人が震える指で薬草茶のカップを握っていた。
「……リナちゃん、わしももう、この杖を下ろすべき時が来たのかもしれん」
壮年パーティの最年長、魔導士のギルバートだ。
かつては王都の魔導院でも名を馳せた知者だった男が、今は深い絶望の淵にいるような顔をしていた。
「今日の森での狩りじゃ、若手の戦士が魔物に囲まれたというのに、わしの詠唱が間に合わんかった。幸い怪我人は出なかったが、わしの反応があと一呼吸遅ければ、あの子の命はなかった。……老いとは、残酷なものだ」
リナは無言で、彼の前に置かれた冷めかけのカップを下げ、新しく淹れ直した熱いハーブティーを差し出した。
湯気が、ギルバートの深い皺に刻まれた顔を包み込む。
「……速度が落ちた。それは事実でしょうね。でも、ギルバートさん。あなたは今日、若手が囲まれる“前“に、何をしていたの?」
「……何、とは?」
「買い出しの帰りに、少しだけ見えたわ。あなたが風向きの変化を読み、パーティを風上に誘導していたのを。あなたがそうしていなければ、彼らは囲まれる前に、不意打ちで全滅していたはずよ」
ギルバートは、驚いたように顔を上げた。
「なぜ、それを……」
「“速さ“は若者の特権。でも、“予兆“を知るのは、何十年も地獄を歩き続けてきた、あなたの特権でしょう?」
リナはカウンターを一寸の無駄もない動きで拭い取った。
「若い魔導士なら、派手な魔法で魔物を焼き払う。でも、それはただの掃除。あなたの魔法は、戦場の“淀み“を事前に消し去っているわ。……昨日の討伐だってそう。あなたが密かに放った【重力魔法】一つで、魔物の突進がわずかに狂った。おかげで若造たちは、自分が上手くなったと勘違いして、意気揚々と剣を振るっていられたのよ」
「それは……わしが、表舞台に立てぬことの裏返しに過ぎんよ」
「いいえ。本物の技術とは、誰にも気づかれずに目的を完遂すること。私はそう教わったわ」
リナは磨き終えたグラスを光にかざし、濁りのない透明度を確認した。
「全盛期のあなたなら、一撃で森を更地にしたかもしれない。でも今のあなたは、たった一滴の魔力で犠牲をゼロにできる。……どちらが高潔な使い手か、比べるまでもないわ」
ギルバートの瞳に、力強い光が戻ってくる。
リナはそれを見届けると、突き放すような静かな声に戻った。
「杖を置くのは勝手ですが、今のあなたにしか救えない命が明日もある。それを“老い“の一言で切り捨てるのは、あなたが積み上げてきた人生への冒涜ではありませんか?」
「……厳しいな、君は。だが、その厳しさが、今のわしには何よりの良薬だ」
「その良薬……無駄にしないでください」
背を向けて答えるリナの口元は、ほんのわずかに、懐かしい師を思うような形に緩んでいた。
∮∮〜“臆病“を呪う狙撃手へ〜∮∮
深夜、客の波が引き、店内のランプがいくつか落とされた時間。
カウンターの隅で、一人前のエールを飲み干せずにうなだれている少年がいた。
弓使いのテオだ。
彼は、荒くれ者たちが揃うパーティに所属しているが、その繊細な指先は今も小刻みに震えている。
「……リナさん。僕、やっぱり向いてないんだ。今日だって、魔物の咆哮を聞いただけで足がすくんで、矢を放つのが一歩遅れた。皆は笑って突っ込んでいくのに、僕だけが、いつも震えてる」
テオは自分の手を、呪わしいものを見るような目で見つめた。
「この“臆病“が治らない限り、僕はいつか皆の足を引っ張って、誰かを死なせてしまう。……僕は、自分が情けないんです」
リナは無言で彼の前に歩み寄り、冷めたエールを下げて、代わりに温かいミルクを置いた。
「……テオ。あんた、自分が臆病だと思っているなら、一つ聞かせて」
リナはカウンターに肘をつき、至近距離からテオの瞳を覗き込んだ。
その眼光は、どんな獲物も逃さない狙撃手のような鋭さを帯びている。
「あんたが弦を引き絞る時、何を考えてるの?」
「え……。それは、外したらどうしようとか、外したせいで前衛の背中が割れたらどうしようとか……。嫌な想像ばかりが頭をよぎって、怖くてたまらなくなるんです」
「そう。それはね、『臆病』じゃなくて、『解像度が高い』って言うのよ」
テオはきょとんとして顔を上げた。
「想像力が足りない馬鹿は、自分が死ぬことも、仲間が死ぬことも考えずに突っ込んでいける。それは勇気じゃなくて、ただの無知よ。でもあんたは違う。一射の重さを、その矢が逸れた先に待っている残酷な結末を、誰よりもリアルに予見できている」
リナはカウンターの下から一編の古びた矢羽を取り出し、テオの震える手の甲に置いた。
「いい? 戦場で一番信頼できるのは、恐怖を克服した英雄じゃない。恐怖を抱えたまま、それでも震える指で狙いを定めようとする臆病者よ」
「でも、震えていたら狙いが……」
「震えてもいい。震えながら、その誤差すら計算に入れて放ちなさい。あんたの恐怖心は、仲間の命を守るための“安全装置“なの。その恐怖があるからこそ、あんたは最後の一射まで、決して妥協せずに急所を狙い続ける。……そうでしょ?」
リナの言葉に、テオは言葉を失った。
自分が欠点だと思っていた“恐怖“を、彼女は“信頼の証“だと断じたのだ。
「あんたが怖がらなくなったら、その時こそ弓を置きなさい。恐怖を忘れた狙撃手は、ただの殺人機械よ。……ほら、ミルクが冷めるわよ。飲んで早く帰りなさい」
リナはそっけなく背を向け、掃除を再開した。
テオは、温かいカップを両手で包み込んだ。
不思議なことに、その指先の震えは、いつの間にか止まっていた。
「……リナさん。僕、明日は今日より少しだけ、うまく震えてみせます」
「ええ……上手に、震えることね」
少年の背中が、来た時よりも少しだけ大きく見えた。
∮∮〜“現在“の勇者、そして静かな引退者〜∮∮
深夜──。
街の灯が消え、静寂がガレリアを包み込む頃。
酒場の扉が静かに開き、一人の男が入ってきた。
整えられた金髪、汚れ一つない銀の甲冑。
そして背中には、伝説に謳われる【聖剣】が鈍く光っている。
現役の勇者だ。
彼はカウンターの隅に腰を下ろすと、周囲を拒絶するような重い沈黙を纏った。
「……元勇者がこの街に潜んでいると、古い文献の記述を追ってここへ来た。……貴女のことか?」
リナは手を止めず、グラスを布巾で拭きながら、視線すら向けずに答えた。
「人違いね。ここはただの酒場。私はただの店員よ」
「隠しても無駄だ。僕にはわかる。……貴女の瞳には、かつて世界を救った者だけが持つ、果てのない静寂が宿っている」
「……買い被りよ。これはただの寝不足。……ご注文は?」
「……水を。それと、対話の時間を」
勇者は兜を脱ぎ、テーブルに置いた。
その顔には、若さに似合わぬ深い疲労の色が刻まれている。
「限界なんだ。民衆は私を神の子のように崇め、失敗すれば悪魔のように罵る。……救う価値などあるのか、この世界に」
リナは無言で、注文された水ではなく、棚の奥から取り出した安物の、しかしアルコール度数だけはやたらと高い蒸留酒を注いだ。
「勇者様。そんな高尚な悩み、この店には似合わないわ。……飲みなさい」
「酒は飲まない。精神を研ぎ澄ませておかなければ……」
「『勇者』であることをちょっとやめたくらいで滅びる世界なら、さっさと滅ぼしてしまえばいいのよ」
冷徹な言葉に、勇者は息を呑んだ。リナはようやく顔を上げ、彼の瞳の奥に宿る“光”を真っ直ぐに射抜いた。
「あんたの悩みはね、自分が特別だと思い込んでいるから生まれるのよ。世界を一人で背負っているつもり? 傲慢ね。世界っていうのは、さっきまでここで管を巻いていた馬鹿な剣士や、泣き言を言っていた格闘家……そんな名もなき連中の“日常“が積み重なってできているの」
「だが、私がいなければ、彼らの日常は守れない!」
「そうね。でも、あんたが彼らを信じていないから、あんたの心は独りきりなのよ。勇者は、世界を守るための【装置】じゃない。世界の一部として、ただ笑い、泣くために剣を振るう『自由』があるはずよ」
リナはカウンターに両手をつき、身を乗り出した。
「いい? 私が勇者を辞めたのは、世界に絶望したからじゃない。……世界を、彼らに任せても大丈夫だと思ったからよ。あんたが必死に守ろうとしている民衆は、あんたが思っているよりずっと図太くて、強くて、勝手に幸せになる力を持っているわ」
勇者は、リナの瞳の中に、かつて数多の魔を切り伏せ、そして誰よりも慈悲深く世界を見つめていた【伝説】の残滓を見た。
「……私は、どうすればいい」
「明日の朝、その重い甲冑を脱いで、市場で一番美味そうなリンゴでも買いなさい。それを自分のためだけに、美味しいと思って食べること。一人の人間として自分を救えない奴に、他人の人生を背負う資格なんてないわ」
リナは彼が置いた金貨を指で弾き、酒瓶を棚に戻した。
「酒代。お釣りは、次にここへ“客”として来た時に返してあげる。……さあ、閉店よ」
勇者はしばらく動けずにいたが、やがて深く、長く息を吐き出した。
「……ありがとう。店員さん」
「リナよ。……おやすみなさい、勇者様。いい夢を見なさい」
∮∮〜エピローグ:看板娘の自由な朝〜∮∮
「……んん、……ふぅ」
差し込む陽光の暖かさに、リナはゆっくりと眠りから這い出した。
もう、夜明けとともに剣を取る必要はない。
時間に追われることも、誰かの命を背負うこともない。
気が済むまで微睡むことこそが、今の彼女が手に入れた一番の贅沢だった。
ベッドの上でひとしきり体を伸ばし、気だるげに身を起こす。
窓の外からは、市場の活気とパンを焼く香りがのんびりと漂ってくる。
「さて、今日は何から始めようかな」
昨夜、厳しく突き放した連中の顔がふと浮かぶ。
今頃、必死に自分と向き合っているだろうか──。
「……まあ、いいか。あの人たちも勝手にやるでしょ」
リナはボサボサの髪を適当にまとめると、お気に入りのエプロンを手に取った。
今日、あの“仔羊たち“がまた迷い込んできたら、昨日よりは少しだけマシな酒を出してやろう。
「さあ、始めますか」
かつて勇者だった給仕は、自由で緩やかな一日の始まりに、小さく満足げな笑みを零した。
〜〜〜おしまい〜〜〜
貴重なお時間を使ってお読み頂き、本当に有難うございました。
興味を持って頂けたならば光栄です。
作者のモチベのために☆やいいねを残して頂くと幸いです。感想などもお待ちしております。
ブクマ頂けたら……最高です!




