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開戦の刻 ――七つの罪、侵攻す――

第32話です。宜しくお願いします。



朝日本部上空。


雲ひとつなかった空が、突然、音もなく揺れた。 まるで大気そのものが引き裂かれるかのように、


"裂け目"


が天に浮かび上がる。


その奥から、黒く染まった風が吹き込み、 続いて無数の影が地上界へと雪崩れ込んでくる。


ライル――


それは皇帝クラスにも及ぶ異形たちを含んだ、 まるで瘴気の軍勢だった。


「警報!!すべての部隊に告ぐ!  地上界への敵性存在、侵入を確認!  夜級識別……王クラス、加えて……七罪セブンス!」


警報が鳴り響く。地上に広がる朝日本部はすぐさま戦闘態勢へと切り替わる。


一方、地下指令通路。


「……まさか、本当に来るとはな」 と、羽仁真嵐は重く呟く。


「今さら信じられないとか言ってる余裕ないけど……  七罪が……ここに……」 と、香坂柚璃。


昇子、世界、大我もそれぞれ武装を確認しながら、 緊迫した空気の中、指令通路を駆けていく。




地上に降り立った無数の夜たちの中。


一際異質な存在感を放ちながら、六つの影が静かに着地する。


それが―― 七罪セブンス


エンジー、イラース、スロー、グリー、トニー、ラース。


その圧倒的なオーラの前に、周囲の夜すらも身を引くように位置を譲る。


「……いいな……この感じ。  壊れてしまえば、全部俺のものだ」 と、エンジー。


「イライライライラ……目につくもの、全部燃やしてやるよ……」 イラースの肩から、瘴気が煙のように立ち上る。


「……ああ、めんど……でも……殺していいなら、やる」 スローが欠伸混じりに、怠惰の空気を周囲に広げていく。


「クク……ここが、地上界か……」


ラースは艶やかに唇をなめながら、


「さあて、今夜はどの子を愛してあげようかしら……?」 と、その視線を這わせる。


同時刻:朝日側 各部隊配置


神代鏡華「全員、配置につけ。油断すれば即死だ。相手は“王”と“それ以上”だ」


鷹峰迅「出し惜しみはしない。全力で迎撃する」


姫華は静かに目を閉じ、白い光輪を展開させる。 「ここからが祈りの時間ですわ……」


黒鋼、獅堂、風間、真野、柊夢子、仙道―― それぞれのオーラが、戦場の空に放たれる。




モブの夜たちが先行して突入。 御剣が中距離から光の罠を展開し、伊良部がそれを跳ね返し誘導。


篠原が全体を見渡しながら、仲間の危機を警告する。


「左翼の夜、回り込んでる!鵜飼、栗花落、挟め!」


鵜飼「了解!」 栗花落「こっちから撃つよ!」


戦場は地獄のような混沌へと変わっていく。


だがその中。


圧倒的な存在感を放ちながら、七罪の6人は あくまで"静かに"歩を進めていた。




夜を蹴散らしながら進むグリーが、空を見上げて笑う。


「俺たちの“罪”を裁ける奴が、この世界にいるって証明してみろや――地上界!」





前話と少し被ってる部分がありますが、より詳しくした感じにしました。

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