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黒炎の鎧、静かなる猛威

第22話です。宜しくお願いします。

活動報告に設定や登場人物のまとめがありますのでよければどうぞ。



──瓦礫に覆われたスモッグシティ。


煙と硝煙の中で、世界は立ち尽くしていた。足元に広がる、崩れたビルの残骸。その向こうに、黒炎の鎧を纏った炎の騎士が立っている。


「……弱き者は、語らずに死ね」


トラウド・ヘルグリム。全身に黒煙を漂わせ、鎧の下からは鋭い眼光を放っている。


「語る必要はない。結果がすべてだ」


世界は無言で立ち向かう。内心では、相手の強さに一瞬のためらいも感じたが、それでも動じることはなかった。冷静に状況を見極め、まずは間合いを取る。


──だが、トラウドが先に動く。


「フン……予想通り。来い。」


彼が放つ一撃──その速度と威力は尋常ではなかった。全身から発せられる黒炎とともに、剣が鋭く振り抜かれる。


「《黒炎刻剣こくえんこくけん》!」


その一撃が、周囲の空気を引き裂き、世界の目の前に迫る。振り下ろされた刃はまるで鉄のように重く、力強かったが、世界は冷静にその刃を回避。


「速い……!」


世界は飛び退くと同時に、光のバリアを展開した。彼の異能力《光紋結界ルミナシールド》が瞬時に形成され、黒炎の剣がバリアに触れると、あっという間にその一部が土に返った。


「だが、こんなものでは――」


世界はその隙に飛び込もうとしたが、トラウドはすでにその反応を読んでいた。


「貴様が考えている通りに進むと思うか?」


トラウドの剣が再び舞う。その刃先から次々と黒炎が放たれ、世界は全力で回避しながらも、間一髪でその攻撃を避ける。


「何度やっても、再現してくるのか……!」


世界は目を見開く。トラウドの剣が放つ黒炎の軌道は、一度目の攻撃とまったく同じ位置で、次の一撃を予測していた。まるで何度も戦ったことがあるかのように。


「貴様、まさか……」


「察しが良いな、少年」


トラウドは冷たく笑う。その瞬間、世界は戦慄した。自分の動きが完全に読まれている。おそらく、この黒炎刻剣の能力は、過去の攻撃を“焼き付け”、再度再現できるものだ。


「だが、まだその程度では……」


世界は決して引かない。


「お前の動きには“クセ”がある。それに対応するため、俺も変わらなくちゃな」


──次の瞬間、世界の体に変化が起こる。足元に、光の矢が光り輝きながら瞬時に現れ、その周囲にいくつも展開されていく。


「これが、俺の新たな戦法だ……《光精封印ライト・シール》!」


光の矢で形成された領域が周囲を囲み、トラウドの動きが一瞬、止まる。その瞬間を逃さず、世界はすかさず飛び込む。


「させるか!」


トラウドは咆哮とともに剣を振り上げるが、今度はその動きを完全に封じ込まれた。


「これで、終わりだ!」


世界は一気に間合いを詰め、必殺の一撃を放つ。光の刃が黒炎を切り裂く。


「……ッ」


その刃がトラウドの体に突き刺さり、彼の肉体が崩れ、黒煙とともに消え去っていく。


「勝ったか……?」


世界は少し息を切らしながらも、冷静にその場を見渡す。しかし、彼の目には安堵の表情は浮かばなかった。


「──いや、これはまだ終わりじゃない」


トラウドが消えた瞬間、広場に広がる黒煙の中から、何かが動き出す。


「やはり、過信するのは早かったか」


その言葉を最後に、真の戦いが始まることを予感させながら、物語は次の展開へと向かう。


──この瞬間、戦いは新たなステージへと突入した。

今更ですけど、今はまだ世界の異能力って地味ですよね。あくまで今はまだ…何ですけど…

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