表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/46

新たなる戦地へ

第19話です。宜しくお願いします。

活動報告に設定や登場人物のまとめあるので良ければどうぞ。


──訓練終了から数日後。


およそ30日にわたる鍛錬を終えた第3部隊の面々は、それぞれの異能力の制御や応用力に磨きをかけ、大きく成長していた。特に新人3人──鈴菜すずな 昇子しょうこ丹羽たんば 大我たいが、**虎威とらい 世界せかい**の変化は著しく、隊内でもその実力に対する評価が高まっていた。


そんな折、新たな任務が告げられた。


「今回は君主クラスのライルが複数体、出現した可能性がある。場所は関東南部の廃都市エリア『スモッグシティ』だ」


獅堂しどう 声司せいじからの伝達に、隊内が一瞬どよめいた。


君主クラス──それはB階級数名でも慎重に挑む必要がある強敵。それが“複数”となれば、もはや小隊単位での出動は通常あり得ない。


しかし、今回は異例の判断が下された。


「昇子、大我、世界の3人だけで行ってもらう。……お前たちの成長を、この任務で証明してこい」


期待と試練。第3部隊の新人3人は、ついに初めて“自分たちだけ”で任務に臨むこととなった。


──スモッグシティ。


かつて高層ビルが並び、人々の生活で賑わっていたこの街は、ライルの襲撃と汚染によって現在は無人区域に指定されている。


吹き溜まる瘴気しょうき、ひび割れたアスファルト、崩れかけたビル。


3人は廃墟のビル群に潜む“気配”を察知した。


「感じる……このプレッシャー、間違いない。君主クラス……それも、かなりの数だ」


大我が額の汗を拭いながら言う。


その直後、瓦礫の陰から現れた3つの影。


──まず1体目。


牛のような頭部に巨大な戦斧を担ぎ、全身筋肉の塊のような巨体。


「グガガ!貴様らが相手か?骨くらいは残してやるぜ!」


名はガルマ・モールス。筋肉信仰の脳筋君主。


──2体目。


優雅に羽ばたく漆黒の翼を持ち、鳥の仮面をつけた女性型の夜。


「まぁ、随分と小粒な獲物ね?君主の相手が務まると思ってるの?」


名はリュディア・レイヴン。毒舌に満ちた見下し系の存在。


──そして3体目。


全身に重厚な甲冑をまとい、赤黒い炎をまとった寡黙な戦士。


「弱き者は、語らずに死ね」


名はトラウド・ヘルグリム。ただ強さのみを求める戦闘狂。


それぞれが明らかに高い知性と個性を持ち、3人を嘲笑うように言葉を発する。


「……油断してんな。こっちだって、伊達に30日も訓練してきたわけじゃねぇ」


大我が拳を握る。その拳には、確かな自信が宿っていた。


「3人、それぞれ別れて対応する。みんな、気をつけて」


昇子が静かに言い、世界がうなずく。


それぞれが一歩を踏み出し、1対1の戦いが始まろうとしていた──。



本当はあれだけ強力プレーの訓練にしたのに一対一の戦闘になりそうなのは構成都合です。すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ