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激突する因子(ファクター)

第18話です。

宜しくお願いします。


訓練10日目。朝日ハルポクラテスの訓練施設には緊張感が漂っていた。


神代鏡華が静かに歩み出ると、全員の視線が集まる。


「第2試合——Cチーム対Dチーム、開始を宣言します」


淡々とした声の後、数歩後退し、その場を明け渡した。


Cチーム:昇子・鵜飼・御剣


御剣光璃が先んじてトラップを展開する。


光線制圧レイ・ドミネート。配置完了。敵が踏み込めば自動発動するようにしてある」


「ナイスだ御剣! 俺が前に出る!」 鵜飼真介が拳を握り、地面を一撃。


「《衝圧崩拳クラッシュパルス》!」


轟音とともに地面が割れ、空気が震える。


昇子がそのタイミングに合わせて滑りやすい床を形成。


「地面の水分を操作……これで足を取らせる……!」


三人の息は合っていた。連携で戦局を作ろうとしていた。


Dチーム:柚璃・香坂・野呂


柚璃が笑顔のまま指を鳴らす。


「《火華遊戯ヒバナカーニバル》、舞って、遊んで、燃やしておいで♪」


無数の炎の粒子が陽気に舞うように飛び出すが、その一つ一つが確かな制御を持っていた。


「栗花落、支援を」


「了解……少し不安を煽ってあげるわ」


栗花落が《音律蠱惑メロウコントロール》を発動。昇子の鼓膜に微細な震えが届き、不安を誘う旋律が流れる。


「うっ……集中しづらい……」


だが、Cチームも黙っていない。御剣の矢が光と共に放たれ、柚璃の爆炎を切り裂こうとする。


「させない!」


その時だった。


「おらああああああッ!!」


野呂晴臣が本格的に戦闘に入ると、柔和な表情から一変、目つきが鋭くなり、叫び声とともに口調が荒れる。


「うるせえ光線なんざ当たらなきゃ意味ねぇんだよッ!!」


その豹変ぶりに観戦していた世界と昇子が目を丸くする。


「野呂先輩……こんな人だったっけ……」


「え、えぇ……口調が……」


混戦状態と崩れゆく連携


御剣のトラップが野呂の突進で破壊される寸前。


「やめろ、今は当たるなってば!」


御剣が叫ぶが野呂は止まらない。


香坂が野呂の背に叫ぶ。


「野呂くーん!連携って言ったじゃーん!」


「知るか! 俺は今いけると思ったんだよ!!」


Dチームがやや優勢になるが、制御が利かない野呂の動きに戸惑いも。


一方のCチーム、御剣がトラップの再配置ミスをしてしまい、昇子に当たりかける。


「ちょっと御剣! 気をつけて!」


混乱と焦り、経験の浅さが浮き彫りになる。


神代の制止、試合終了


「——そこまで」


神代鏡華の一言で、空気が凍る。


野呂が暴走気味のまま攻撃動作に入っていたが、寸前でピタリと止まる。


「……ちっ、まだやれたのに」


S階級の講評


黒鋼一漢が腕を組んで口を開く。


「鵜飼、力はあるが、前に出過ぎだ。単騎では限界がある」


真野銃菜が笑いながら香坂に声をかける。


「香坂ちゃん、派手だけど連携が崩れたら、全部裏目よ〜」


神代が冷静に指摘する。


「御剣、攻撃範囲の共有が甘い。周囲への配慮も技術のうち」


柊夢子がぽやぽやした声で語る。


「野呂くん、もっと落ち着いて〜。仲間も驚いちゃうよ〜」


反省と次の一歩へ


「やっぱり、まだまだだね……」 昇子がポツリとつぶやく。


「ちっくしょ……突っ込みすぎたか……」 鵜飼が悔しげに拳を握る。


「私は……もっと視野を広く持たないと……」 御剣が下を向く。


香坂は笑顔のまま、 「反省、しよっか♪」


世界のモノローグ


> 「みんな、それぞれの“弱さ”に気づいてる——なら、俺も負けていられない」




光が差し込む訓練場。


新たな一歩が、静かに始まっていた——。




今日は特に書くことがありません。

一旦ネタがつきました…。

次の話では何か書きます。

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