鍛錬の始まり、それぞれの決意
第16話です。宜しくお願いします。
活動報告に設定や登場キャラクターのまとめがあるので是非良かったらどうぞ。
朝日本部、会議室。重苦しい空気の中、S階級10名が円卓を囲んでいた。
虎威玄道の声が静かに響く。
「……七罪の“ライド”が姿を現し、我々は確かに……一度、敗北した」
全員が黙して頷く。
「だが、これは終わりではない。むしろ、始まりだ。これより、全隊を対象に特別訓練を実施する。S階級が直々に鍛える。生き残るための、再構築だ」
黒鋼一漢が拳を握り、口を開く。
「訓練じゃねぇ。これは、“生き残る資格”を試す場だ」
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訓練施設の広場に、各部隊の精鋭が集結していた。
第3部隊の面々──世界、大我、昇子、柚璃、羽仁、香坂、鵜飼、栗花落、野呂──も全員、整列していた。
彼らの前に並ぶ他部隊の訓練生。
●御剣光璃──第1部隊、A階級。鋭い眼差しと整った所作。 ●伊良部陸──第8部隊、B階級。がっしりとした体格に屈託ない笑顔。 ●篠原希沙──第6部隊、A階級。無口で静かだが、鋭利な空気を纏う。
訓練を前に、第3部隊の5人──ライドとの戦闘経験を持つ者たちの胸に、苦い記憶が蘇る。
(あの力……自分の攻撃が通じなかった恐怖) (一撃で意識が飛びかけた、絶望の重み)
昇子は、指先が微かに震えているのを感じながら、自分を奮い立たせた。
「……負けない。もう、誰も……守れなかったなんて、言わせない」
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そのとき、3人のS階級が姿を現した。
まずは、筋骨隆々とした体を誇る黒鋼一漢(第5部隊隊長)。
「俺の訓練は単純だ。“戦って生き残る体”を作る。まずはこの鉄杭、素手で10回叩き折れ」
世界、伊良部、柚璃、野呂がその列へと導かれる。
続いて、色とりどりのアクセサリーを身にまとい、軽快に跳ねるように現れたのは真野銃菜(第6部隊隊長)。
「いらっしゃ〜い♪ 銃菜先生の楽しいお時間だよ〜!身体、どこまで伸びるか見てみようか?」
大我、羽仁、篠原、栗花落が担当に割り振られる。
最後に、静かで優しい笑顔を浮かべた姫宮真癒(第4部隊隊長)が前に出る。
「心が疲れたままじゃ、本当の力は出ないわ。まずは整えるところから始めましょう」
昇子、御剣、香坂、鵜飼が配属される。
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訓練が始まる。
世界は光紋結界を何度も展開するが、精度が安定しない。
> 黒鋼:「お前は誰のために戦う? 勝てない理由を並べるな。自分の中に、“力の意義”を刻み直せ」
汗が額を伝い落ちる。
> 世界:「俺は……俺の意志で……強くなる」
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大我は《ボディアンスロ》で指先をしなやかな鞭に変化させ、反応訓練に挑むが……動きに迷いが出る。
> 銃菜:「いいじゃん失敗!でも、“何が”足りなかったか、分かった?」 大我:「……集中。余計なこと考えすぎてた」
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昇子は姫宮の穏やかなオーラの中で、心を吐露する。
> 昇子:「……どうしたら、誰も負けさせない力を持てますか……?」 姫宮:「それはね……“誰かを守りたい”って気持ちを、弱さだと思わないこと。そこから力が生まれるの」
静かに、昇子の目が強さを帯び始める。
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夕方、訓練の終わり際。
全員が息を切らし、汗を流し、それでも目を逸らさずに前を見ていた。
> 世界:「……俺は……もう、誰の影にも隠れない」
第3部隊の9人はそれぞれ、違った形で“自分の弱さ”と向き合っていた。
その先にあるのは──再戦か、再会か。
さぁ、修行がはじまりました。
The王道バトルものって感じがしてきましたね。




