La femme n’existe pas (44)若しくは Ample sex meets fate著者解題
──初めて聴いた讃美歌はアヴェ・マリアであった。グラッチェプレーナの意味は分からなかったが、現代では誰も話していないと云うラテン語話者に成りたかったので暗唱出来るまで繰り返し歌った。それでも音楽の成績は最低であった。やはり、音痴は罪である。
「母よ。この夜、星は光り、醜き息子は臥榻(1)の中で眠りたもう。いとやすく」
小学校に通わなくなってから十年の月日が流れた。その間に歯を縛っていたワイヤーはホクロと共に消え去り、左右非対称な瞼は丁度六ミリメートルの幅へと整えられた。あの日感じたアシンメトリー。五枚の鏡から失われる度に思う事がある。きっと此処から抜け出して(2)何かを成し遂げられるかも知れない(3)。だから今日も俺は踊る。真っ黒な壁紙と鏡に囲まれた十八平米の密室空間で。
課題曲のベース音に合わせてフローベール(4)を乗せたデュランゴ95(5)が加速し続ける。運転座席に座るのは俺であるがハンドルを握りしめているのは母親かも知れない。今年から予想天気図と共に現れ始めた五人目の父親(6)を轢き殺し、秒速八キロメートル(7)に到達した。下駄(8)だと思い込んで履いた靴は真っ赤に灼けた鉄で造られていた(9)。とても重いが硝子の靴よりは頑丈そうだ。キスで目覚めるまで踊り続けよう。酸素不足の最中、三連符のカルテット(10)が見せる世界は神秘的な美しさで満ち溢れている。輝く天上へ辿り着く為に母親が俺の右足の上からアクセルペダルを踏み続ける。その度に紙幣は天使の様な純白の翼を得て何処かへ飛んでいった。画面の向こう側でスクラムを組んでも魂の巡礼は止められない。そもそも三人足りないのだ。地上で輝きを放つ星々を越えて歌と共に突き進む。旅路を引き返す事はもう許されていない(11)。
「一生懸命応援してるわ。お母さんはそれしかしてあげられないから」
契約は守り続けられている。母親が俺への支援を断った事は一度たりとも無かった。小さな目標が叶えられれば次々に新たな夢が浮かぶ。徐々に解像度が上がった夢は具体的に書き出して目標に変えた。そして、母親の応援を求め、同時に受け入れる。だから今更、俺の欲望の正体が無意識に刷り込まれた母親の欲望の模倣であったと痛烈な批判をされようとも動じる事は無い(12)。母親が父親の否定をする度に強く肯定してやるのだ。父親が選択しなかった選ばれる為の努力を重ねながら。パーツを交換する度に俺には赤い血が流れ込む(13)。それでも五枚の鏡の回答はスノーホワイト。誰か毒林檎の栽培方法を教えてくれ(14)。
「月くん、もう少しだけお腹を引き込もうか」
聞き慣れたトレーナーの声で現実に引き戻される。普段とは天地が入れ替わった逆さまの世界。脳に血が行き渡り過ぎた時はつい余計な事を考えてしまう。それでも身体は倒立のやり方を覚えていた。脇を絞り、手首の真上に肩が乗っている。骨盤も立っているので後は前鋸筋で胸を締めるだけだ。正しい姿勢が出来上がれば次の合図まで維持し続ける。位置を調整する際は決まって足首を強く掴まれ、その後、トレーナーの胸元まで抱き寄せられる(15)。
トレーナーは夫も子供が居ないらしい。支配的欲望を優しく包んで出来上がった柔らかい双丘。ボディーラインに合わせて輪郭が歪んだポップ・アートの棒人間はハート型の鱗を手当たり次第撒き散らしている(16)。重さ三十六グラム(17)のニップルピアスを押し付けられる。レギンス越しに伝わる俺自身の価値は未だ低い。鏡が叫ぶ。狂おしい程の愛は貰えぬ様だ(18)。
「もうすぐ高校受験だよね。月くんなら虹色学園だって受かるよ。先生、応援してるからね」
勝手にすれば良い。俺は応援してくれと頼んだ覚えは無い。だから恩着せがましく押し付けないでくれ。掴まれていた足首と触れていたふくらはぎが柔らかい感触からようやく解放された。レッスン終了の挨拶に対し、礼を言って家路に就く。移された香水の匂いに噎せながらも、何故かシャワーを浴びる気にはなれなかった(19)。
葉を落とした街路樹は冬空を串刺しにする様に無数の枝を突き立てていた。頬を伝うのは枝から零れ落ちた水滴(20)だった。通り過ぎた直後、アスファルトに落ちる音がやけに響いた。辺りを見渡せば殆どのビルの側面も僅かに濡れていた。ガス灯を模したガーデンライトから放たれる偽りの白線を数多の水滴が乱反射している。無人の交差点では雪化粧をめかしこんだ一時停止の道路標識がまるで俺を誘う様に立っていた。スポットライトから逃れる為に通い慣れた一本道から僅かに逸れるしかない。細い路地を入った所にあるアパートの外階段を十三段登る。黒塗りされた落下防止の為の鉄格子。羽虫の死骸が意地汚くへばり付いていた。柵の隙間から交差点を覗き込む。都会のど真ん中に信号所に止まる汽車は有る筈も無いが、露出した素肌を襲う風は確かに雪国の痛みがした(21)。
交差点を爆音でアイドルの曲を流しながら走り去っていく品性の無い連中。彼等のお陰で息苦しさはいつの間にか収まっていた。再び、大通りへ足を踏み出す。流行りのアイドルの楽曲を撒き散らす路面店。先程まで有難がっていた存在と似て非なるもの(22)に対して思わず顔を顰める。余りにも哀れだ。軽薄さ加減に此方まで惨めな気持ちを味わう羽目になる。叫び出したい。左脳で音楽を味わう人間は死に絶えてしまったのだろうか(23)。尽きない疑問を街中の人々にぶつけてやりたくて仕方が無い。
咄嗟に目を閉じる。瞑るのでは無い。目を開ける為に瞼を下ろして眺めるのだ。何処までも奥に広がる草原は黄金に輝き、積乱雲が浮かぶ空は希望に満ち溢れている。この世界には飛行機が存在しないのに二筋の綺麗な平行線が描かれていた(24)。
朦朧としながら我が家に辿り着いた。木造の骨組みにアンティークレンガがへばり付いた三階建てのアパート。一階部分はロビーと屋根付き駐車場になっている。エレベーターは故障中(25)。内階段の踊り場で息継ぎをする。マイルドセブン(26)の空箱が無造作に捨てられていた。鞄の底を掻き回しながらタイマー式の電灯が点いた廊下を渡る。結局、鍵は黒いロングコートのポケットの中に入っていた。恐らく、無意識の内に取り出していたのだろう。ダンス教室に行ってから鍵を触った記憶には無いが(27)。
時計回りに鍵を加速させてロックを解除する。玄関の自動照明に照らされた足元には黒いヒールが綺麗に揃えて並んでいた。されど、家の中は真っ暗である。母親は帰ってすぐ寝たのであろうか。慣れた手つきでリビングのシーリングライトを点ける。フローリングの床には散らばった婦人服。奥にあるキッチンからはシンクの中に積み上げられた皿が薄っすらと見える。どうやら珍しく母親が料理をしたみたいだ(28)。
一先ず、自室に入る。真っ白の学習机の横に鞄を置き、セット販売されていた硬い椅子に腰掛けた。机の上に財布を置くと同時にデスクライトの電源ボタンを軽く押す。粉だらけの折りたたみミラーが鈍い光を反射した(29)。嗚呼、そうだと溜め息を吐きながら思い出す。今日は片付ける時間が無かったので出しっ放しのまま家を飛び出たのであった。右側に並べている数種類の筆をペン立てに投げ込んだ。自由気ままに飛散した三本のチップに付着している色を確かめながら開きっぱなしのアイシャドウパレットの中に戻していく。転がっているアイライナーと二重ライナーを別のペン立てに入れる。そこにはマスカラと貰い物のビューラーが入っていた。あれれ、おかしい。今日はマスカラだと思ってまつ毛美容液を塗っていた説が浮上する。鞄の中身を急いで確認すると案の定お高いまつ毛美容液が出てきた。とある女性アイドルグループとのコラボ商品である。値段と効果は比例すると云う美容系アイドルのコメントを信じて比較検討はしていない(30)。1.5センチメートル以上に伸びてさえくれれば何でも良いのだ。
壁側にずらりと並ぶ様々なメーカーの化粧水と乳液のセット。どれも三万円くらいするらしい。ダンス教室に通うおばさん達から沢山貰ったものだ。同じく、ファイルボックスに無秩序に仕舞っているシートマスクも総額十万円は超えそうだ。これはお姉さん方に貰う事が多い。安くて大容量のものを自費で購入してしまっているので貯まる一方である(31)。反対側には人気アイドル著作のハウツー本が積み上がっていた(32)。背表紙にもたれかかる様に小さな人形が力尽きている。コレは俺が二歳の頃に母親が買い与えた物であると聞いているがその頃の記憶は無いので本当なのか分からない。最初から顔や手足が所々すり減っていたと思う。改めて手に取って注意深く観察する。青白い光に照らされた不気味な人形は丸みを帯びた関節だけがやけに目立っていた(33)。
洗濯物を淡々と畳み終え、次は洗い物とばかりに洗剤を吸い込んだスポンジで皿を擦っている(34)とドンッと云う音がワイヤレスイヤフォン越しで聞こえた。My darling Stay gold(35)。流れてしまう前に慌てて音楽を止めた。悲鳴が聞こえる。直後、ドタドタと足音がし、母親の部屋のドアが勢い良く開かれた。ベッドから落ちたと叫びながら俺の方へと小走りで駆け寄って来る母親は下着すらも身に着けていない。母親は俺の後ろを通り過ぎて冷蔵庫から保冷剤を取り出した。僅か二畳半のキッチンがほんのりと夜の匂いに包まれる。吐き気がした。ダウンタイムの不自由さと漠然たる痛みが訴えかけてくる(36)。
次の瞬間には予想通り、温もりの中で呼吸をしていた。蛇の様な腰使いとベタついた猫撫で声が意識を急速に蝕んでゆく。胎内回帰の誘い。我が家で唯一暖色系の光で照らされる風呂場の中へ。腕、脇、腹、脚、そして、陰部と順に洗われる。片手に剃刀を持った母親は顔を紅潮させながら冷たいローションを振り翳し、俺を湯船の中へ押し込んだ(37)。分厚い唇で繰り返される執拗な愛撫に身体は勝手に応じた。意識が消え去った今、馬車に乗った理性(38)が囁く。所詮は皮一枚を接した行為だ。左側を走る馬(39)が追従して叫んだ。生きている男である事が認められるのならば安いものだ。嗚呼、確かにその通りかも知れない。俺は母親の首元へと指を伸ばす。両手で十本。されど、八本脚の兄弟は居ない(40)。皺が寄る程、熟れてしまった毒林檎をただ舐める。着けられたコックリング。三・五センチメートル。締め付けられる痛みと共に右側を走っていた青い馬(41)は真っ赤な猟師笠を被った立鳥帽子(42)に撃ち殺された。献上された馬の心臓はとても筋肉質で少し苦かった(43)。
1:寝台やベッドを指す単語。此処では手術台の事を示している。
2:主人公が小学校と云う社会から断絶された閉鎖的な環境に身を置いている裏返し。
3:曖昧な語尾。外見を整えても尚、「社会に対する能力の証明や主体性の獲得に繋がっていない」と冷笑的な視点で言い換える事によって、社会から与えられた社会参加の可能性が「可能性」でしか無かった際に感じる衝撃を事前に自己防衛をしている。
4:フランスの小説家、ギュスターヴ・フローベール。『ボヴァリー夫人』を執筆した写実主義者。美の形式と主観の切除を象徴している。
5:Durango95。『時計じかけのオレンジ』で登場した車両の呼び名。現実世界での車種名はアダムス・プローブ16(Adams Probe)。劇中では爆速で暴走しており、正しく暴力と快楽の象徴。
6:朝のニュース番組に登場するお天気キャスター。現在は五代目。時の流れと、社会に消費される男性性を表している。
7:第一宇宙速度(地表面軌道速度)は秒速約七・九キロメートル。遂に母なる地球の重力を振り切る事が出来るようになった。前話注釈51との対比。されど、第一話で父なる太陽が少女に呑み込まれてしまったので、第三宇宙速度の概念は無くなり、永遠の闇である宇宙に一人で突き進む事となる。
8:下駄を履かせるの意味。
9:白雪姫の女王は灼けた鉄の靴を履かされて死ぬまで踊らされた。
10:Vivaceを意図している。明るくて楽しくて元気そうで弾むリズム。そう見せねばならない幸福の自己演出。所謂、Smile Mask Syndrome。正しくDismaland。
11:加虐と愛の混在。強制された加速。スクラムは八人で組むものであるが歴代の父親の代わりとなったお天気キャスターは五人しかいない。三人足りないは父と子と精霊の三位一体の欠如を示唆。
12:ジャック・ラカンによると「他者の欲望の欲望」である。母親の象徴的言語を通して大他者から与えられた欲望の座標。それに応答する事によって主人公の主体が構成されている。従って、夢を目標へと書き換える行為は、単に「夢は見るものであるが目標は叶えるもの。夢を文字に書き起こせば夢から目標に成る」と云う明るいメッセージだけでは無く、母親の欲望を鏡像的に模倣する演技でありながら、それを己のものとして内面化する儀式である。本来であれば、主人公が母親の期待を裏切らない限り自己否定は生じない筈であるのだが、俯瞰的に自己認識をしてしまっているが故に、自らを冷笑し、応援という愛の形式を取った命令体系を通じて傷付いている。
13:母親による父親の否定は、息子にとって象徴的去勢の代償と成り得る。主人公は選ばれる努力を通じて母親を満たす理想、つまり、ファルスとしての役割を引き受ける。分かり易い具体例は、宮崎駿監督『崖の上のポニョ』の宗介とリサの関係性である。また、パーツの交換は整形手術の描写だけでは無く、自己を母親の欲望に最適化する為の記号的肉体の再編成である。母親の欲望との同化はエロスそのものであり、父親の否定はタナトスにも成り得る。フロイトによればこれらは時折倒錯的に絡み合う性質を持っている。
14:五枚の鏡。五人の父親。美と醜の象徴である白雪姫オマージュ。
15:倒立という通常の世界から反転する時間。意識の境界線が薄まる。新海誠監督『君の名は。』のカタワレ時の様な時間。
16:倒立と云うアンバランスな姿勢は肉体を預ける、即ち、受動的存在と成る事を示唆している。つまり、主人公は欠如を抱えたトレーナーにとってのファルスと成り得る。そして、キース・ヘリングの棒人間は無垢、そして匿名性の象徴である。トレーナーは、棒人間すらも欲望を向けられる肉体の輪郭に沿う様に躊躇無く歪め、他者である主人公に欲望を投影し、支配し、所有する事で埋めている。
17:三十六は人間の平均体温を意識して描いている。が、Lamed-Vav(バランスの象徴)や三十六歌仙(芸術的美の頂点)、三十六計(戦略的思考)等の解釈も可能な数字でもある。
18:レギンス越しに他者からの評価を自己に転化する。鏡は、白雪姫の鏡でもあり、主人公が観ている心理的な鏡像でもある。承認されない痛みの方が遥かに強いと云う主張であり、二話の作中に登場した”画面の中の新人男性アイドル”の主張である性的トラウマと意見が食い違っている。
19:応援によって主体の自律性が侵害されている。身体的接触描写が自由意志の奪取をより強調している。香水に噎せ、シャワーを浴びる気にならない一連の動作は、即ち、母性の介入に対する自己浄化を望みつつもそれを拒絶する矛盾を孕んでいる。
20:雪解け水。希望や浄化の象徴。
21:他者の視線からの逃避。汽車は非現実的な救済の象徴であり、虫の死骸は幻想に惹かれた者の焼き焦がされた末路である。川端康成『雪国』の冒頭箇所を強く意識している。
22:品性の無い連中は本気で推している。つまり、Jouissance。だから、純粋で美しい。一方、路面店は商業的資本主義的なBGMに過ぎない。
23:日本人やポリネシア人でなくとも左脳で音楽を聞く事は出来るので日本人の脳味噌はミスリード。主人公の孤独を象徴。
24:交わる事の無い理想と現実の対比。ジブリ作品。
25:明日へのずるい近道はないよ。
26:現在の販売名はメビウス。つまり、メビウスアパートはメビウスアパートであったとしても、三階建ての木造建築であるメビウスアパートでしかなく、ドゥニ・ビルヌーブ監督『ブレードランナー』で描かれる2049年の輝かしい未来へは行けない。あちらの世界は、レプリカントですら血の色は赤色である。
27:無意識が鍵を動かしている。若しくは、実際に他者が動かしている。或いは、両方。つまり、自分が自分では無いのかも知れないと云う疑念を抱いている。
28:不安定化した母性の描写。
29:自己認識が不安定。社会的規範や経済的価値観の乱れも描写している。
30:マスカラとまつ毛美容液のズレに対する震度一の違和感。合理的判断を放棄して象徴的他者の言説に依存する有様。
31:整形やダンスには費用を気にしつつ大金を掛ける事に糸目を付けていないが、日常のケア用品には安物と云うギャップ。矛盾では無く、整形は理想の自分への投資であり、日常的ケアは惰性である。
32:他者によって贈与された理想像の破片。
33:ドイツ帝国出身の画家・写真家であるHans Bellmerを参照。
34:浄化では無く性行為の暗喩。第一話注釈15参照。天丼(Running gag)である。
35:宇多田ヒカル。ずっと純粋で居て欲しいと云う愛の願い。それを露悪的に解釈している。
36:淡々とした日常に現れる異常事態。保冷剤はクールダウンでもあり、アフターケアでもある。ダウンタイムは不自由さの象徴。日常に潜む親密圏における性暴力の示唆。太宰治『人間失格』の「女中のお光にされたいじめ」を強く意識。
37:温もり、胎内、暖色の安心感と、恐怖や依存、屈辱や屈服が入り混じり、酷く混乱している。又、毛と云うものは男性性的な象徴であり、剃られる事によって商品化される。
38:プラトン『パイドロス』。魂の三分説。
39:Epithymia。欲望の象徴であり享楽的な物質を求める醜く悪い馬である。胃袋と結びつけられている。
40:Matriphagy。母食いと呼ばれる蜘蛛の習性。尚、交尾後に雌が雄を食べる性的共食いと呼ばれる習性もある。
41:Thymos。気概の象徴であり美しい善い馬。心臓と結び付けられている。
42:さかしらにわずかな不運をみせびらかすな。
43:前話注釈21参照。ドイツの画家フランツ・モーリツ・ヴィルヘルム・マルク曰く、青い馬は男性性的な力強く、高潔で、精神的なものであるらしい。
44:女性は存在しない。
La femme n’existe pas 若しくは I am felt sex expenseにするか悩みましたが、sex expense という並びが違和感満載なので辞めました。時は金なりの板前さんや白鳩舞子、少し変わった所で叶才三。やはり青山先生は神だ。タイトルや冒頭のきよしこの夜、スクラムの下りでくどくどと三度も繰り返したので皆様お気付きかとは存じますが、この話には父と子と精霊の三位一体が欠落しております。エマ・ボヴァリーに対して支配する父性と包括する母性を兼ね備えろと云うのも中々に酷な話でしょうから致し方無いのです。又、三十六は人間の平均体温を意識して描いておりますが、Lamed-Vav(バランスの象徴)や三十六歌仙(芸術的美の頂点)、三十六計(戦略的思考)等の解釈も可能な数字で御座いますので好きな読み方で構わないです。




