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ReTake2222回目の安田悠太という世界線  作者: 平瀬川神木
第9章 社会人時代後編 素晴らしき日々 

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第51話 第3節 結婚式

 那覇空港から送迎バスに乗り読谷に着くと、お父さんがお勧めと言っただけの事はあり、とても素敵な教会だった。ホテルもスペインとか南仏のような白い壁と赤茶色の屋根瓦がとても素敵だった。


 到着した次の日に結婚式をするスケジュール。前の日の晩は、みんなで食事をした。皆がワイワイ食事をしている風景を見て、ずっと2人家族だった僕は、お母さんもできてお兄さんやお姉さんもできたんだと実感していた。お父さんは2人になったし。お父さんがあの場所のマンションを選ばなかったら、……え~と……こう子さんが三橋さんと付き合っていなかったら……、僕はこの家族を手にできなかったんだと思うと、今につながるすべては僕にとって全部正解なんだと思った。


 次の日は、こう子さんとは別々の控室に案内されて、僕は僕でタキシードを着たり、髪形をセットしたりしてもらった。こう子さんのリクエストで、僕は長くも短くもなかった髪型を短くしていた。短い髪の毛をふわっとしたオールバックのように後ろに流して、ドライヤーでガビガビに固めた。

「新郎さまは何かスポーツをやっていたのですか?とても良い体つきですね」そう言ってもらえた。

「僕は競泳をやっていました。僕と結婚してくれるのは、僕に競泳を教えてくれたコーチです。実は僕は14歳の時から……」自慢げにずっと話してしまった。エッチなところ以外。

 僕が教会に入ると、こう子さんとこう子さんのお父さん以外の家族みんながすでに座っていた。

 僕は一礼して、神父さんがいる(牧師さんかはわからない)最前列に立った。

 すぐに厳かな音楽が鳴り始めて、入り口のドアが開いた。

 ――ああ……神様って本当にいるんだなぁ――

 僕は初めてそう思った。


 開いたドアの向こうには、シンプルで、体の線がはっきりとわかるウェディングドレスを着たこう子さんがお父さんの隣に立っていた。

 僕は初めて女神様を見た。

 いや、ずっと前から、14歳のあの夏の日から、僕はずっとこの女神さまに恋い焦がれて今日までの時間を過ごしてきた。僕もうっすら化粧をされていたので、ダメだと思って我慢しようとしたけれど、涙がポロポロ流れ落ちた。


 一歩ずつこう子さんが近づいてきてくれて、僕のそばまで来たこう子さんはお父さんの手を放して、僕の手を取ってくれた。

 心から、こんな女神を今日まで健康に育ててくれた、お父さんやお母さんに感謝の気持ちを持った。


 僕たちは今日、法律上だけではなくて、家族みんなが認めてくれる夫婦になった。


 昨日の夜もしていたけれど、今夜のエッチはやっぱり特別だった。

 部屋からライトアップされたビーチを見ながらこう子さんが言った。「これからも、末永くよろしくお願いします」

 「僕の方こそ、至らない点は修正していきますので、どうかお見捨てなきよう」こう子さんに言った。

 僕たちはそのまま長い時間のキスをした。相変わらず柔らかく温かい、とろけるようなキスだ。

 僕たちはその後、室内プールに行った。こう子さんの競泳水着とライフセーバーのユニフォーム以外の水着姿は見たことがない。

 こう子さんは白地に赤と青のラインで描かれたペイズリー柄のビキニを着ていた。僕が知らないこう子さん。すっごくキレイ。


 室内プールには誰もいなかった。僕たちは軽く泳いだり、キスしたり楽しく過ごした。

 途中キスが激しくなり過ぎて、これ以上はまずいと思ったホテルのスタッフが、あえてガシャガシャと音を立てて巡回に来ていた。

 僕らがキスをするたびに、巡回の回数が増えていったので、僕らは部屋に戻った。


 薄暗い部屋のこう子さんの裸は、目のとても細かい真っ白なシルクのような美しさだ。ひんやりしてそうだけれど、触れるととても温かい。

 ベッドわきで二人とも立ったままで抱き合って、長く柔らかい、濃厚なキスをした。僕はそのまま唇から首、首から肩、肩から胸に僕の柔らかくした唇でキスする場所を降ろしていった。


「こう子さん、こう子さんの中に、ぼくにょ……」すごく大事なシーンで僕は噛んでしまった。

 2人はふっと冷静な顔に戻り、見つめあい、笑いだした。

 こう子さんは涙を出して笑っている。ちょっと前だったら不安になったけど、今は嫌われる不安には襲われない。こう子さんは指先で。自分の涙をぬぐった。


 僕達二人はすぐそばにいる。こう子さんが、じっと僕を見つめてくれている。こう子さんは片手で僕の短くなった髪に触れ頭をなでてくれる。

「私の大事な……大好きな悠太……大好きだよ……」いつもの柔らかく優しい、温かいキスをくれた。


 僕らはそのままキスを続け、読谷の星空の下、僕はこう子さんをぎゅっと抱きしめたままで、こう子さんとすごく優しく愛し合った。


 僕はこれからも、こんなに素敵な時間が送れるんだ。絶対に無くさないようにしたい。僕の全部でこの時間を守りたい。誰にも渡したくない。


 その後も何度もキスをして眠りについた。

 


大切なお時間を割いていただきありがとうございました。わかりにくいところやご意見ご感想などいただければ幸いです。

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