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ReTake2222回目の安田悠太という世界線  作者: 平瀬川神木
第9章 社会人時代後編 素晴らしき日々 

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第50話 第2節 だとしてもバランスを大切に

 こう子さんは基本的に実家住まいを続けているが、ほぼ毎日僕と夕飯を食べて、週のうち4日間は僕のセミダブルのベッドで眠っている。


 僕がダブルベッドに買い替えようと言うと、こう子さんが今のままの方が、くっついていられるから買い替えるのは反対だと僕の提案を突き返してきた。もうホント……うれしくて泣きそうになった。


 そのセミダブルベッドで交わされるエッチについては、僕はこう子さんしか経験ないけれど、僕とこう子さんは最高に身体の相性が良いと思っている。こう子さんもそう思っていて欲しいとも願っている。怖くて聞けていないけど。


 僕はこう子さんとのエッチを際限なく続けてしまい、明け方に仮眠をとって仕事に行くような事も多々あるので、お休みの日以外は4時間の時間制限が導入された。

 僕がそれに不満を述べると、週休2日のお休みのうち1日は、朝から晩までエッチをしても良い事になった。


 その日の僕たちは、朝10時くらいから、夜7時くらいまでずっとしている。


 一つになったままでおしゃべりをしたり、一つになったままでおにぎりやサンドイッチを食べたり、一つになったままでウトウト昼寝をしたりもする。トイレに行くとき以外はずっと一つになっている。


 もし子供ができた時に、できちゃった婚のようになると、子供が自分のせいで結婚したのかって思うかもしれないから、先に入籍をしたいと僕が言った。

 こう子さんは、そんな風に思う子供がいるかなぁ?と懐疑的ではあったけれど、最終的には入籍を先にする事に同意してくれた。


 僕たちはもう一度ちゃんとこう子さんの実家で、結婚の承諾をもらい、二人で区役所に行って入籍をした。婚姻届けの証人には、僕の方は真理雄になってもらった。

 こう子さんはこう子さんのお父さんになってもらった。僕たちは晴れて夫婦になった。長い時間、ずっと追いかけ続けた夢がかなった瞬間だった。すっごい頑張ろうと思った。

 

 健康保険の事とかもあったので、職場の病院には結婚した事を書類で提出した。僕が想定したよりも多くの人に驚かれた。しかも相手は、ここで働いていたこう子さんだったのでさらに驚かれた。どうやら僕がゲイであるという話は、かなり真実味を帯びて定着していたらしく、僕がそれまで距離感を感じていた男性の職員が、今までよりも声をかけてくれるようになった。

 こう子さんに言ったら「そいつは同性愛者差別野郎だね」と言われたのでなるほど、仲良くしたくないと思った。人の生まれや生き方で、いや、なんにしたって差別する人は嫌いだ。


 沖縄読谷の教会は、僕たちの貯金でも十分に対応できる金額だったので予約をした。

 友人知人を呼ぼうとすると、旅費交通費を含めてかなり大掛かりになるし、そもそも今回の計画は僕のお父さんに対する感謝や敬意を表したいという、こう子さんの気持ちから始まったものだ。なので双方の家族、と言ってもこう子さんの方は、お父さんとお母さん。お兄さんと奥さん。子供が2人。お姉さんと旦那さん、子供が3人。最低限でも合計11人になる。僕はお父さんだけだけど。


 こう子さんが真理雄君と冴子さんだけでも呼んだらどうか?と言ってくれた。確かに僕にとって真理雄は特別な友達だけど、篤や健治が黙っていないので、逆に面倒な事になる。そもそも真理雄は忙しすぎて、沖縄に来るのは難しいと思うと話してお父さんだけになった。


 それでも僕ら合わせて14人を沖縄に招待するとなると、全部で200万円を超えてくる。出せない訳ではないけれど、今後の生活を考えると厳しいとなった。ご祝儀ありきで計算するのは良くないと思ったので考えなかった。

 こう子さんはその場で実家に電話して、こう子さんの家族の旅費はお父さんが出す事になった。電話を切る時にベロを出していた。いつまでも甘えないとか言ってたのに。


 僕にとってうれしい忙しさだったけれど、本当にドタバタとした毎日が過ぎていき、沖縄に行く日が来た。家族は2泊3日、僕たちは5泊6日で行くことになった。僕たち二人の旅費は、僕のお父さんが出してくれる事になった。僕は初め断っていたのだけれど、こう子さんがこれは受け入れるべきだというので、ありがたく受け入れた。

 

「ねえ悠太。私たち二人も気を付けなければダメだと思うんだけどね、どちらかがどちらかの為に何かをやりすぎるのはね、二人の間のバランスが壊れていく事になると思うの。私が今回、悠太のお父さんに甘えようって言ったのはね、良い悪いの話じゃなくって、私の親がお金を出すのに、悠太の親が出さないとなると、悠太のお父さんの中に、ずっと何かの引っ掛かりが残ると思ったからなの。悠太は私の事をずっとすごく好きでいてくれて、私の為に色々してくれるのは嬉しいけれど、そのうち私はそれを当たり前と感じてしまうかもしれない。その時に悠太はこれだけやってやってるのに!って感じてしまうかもしれない。だから出来るだけ私たちはどちらかがやり過ぎる事なく、お互いさまでやっていけたら良いなって思う」


「僕は特に気をつけなきゃいけないね。僕はどうしてもこんなに好きなのに!って思っちゃうから。もし僕が一方的な事を言い出したら、ちゃんと指導してください」

「わかった。そんな時は鬼コーチにもどるね」


 こう子さんはこういう精神論のような話しが終わると、いつもキスしてくれる。僕はついつい、もっと長く、もっと激しくって思ってしまう。日常生活とラブラブ生活は、同時進行が難しいと思う。キスばかりしていたら、生活はままならなくなるけれど、それをわかっていても、僕はもっとこう子さんとキスをしていたい。


 こう子さんがキスを早く切り上げると、僕はつい「気持ちがなくなったの?」とか「もう好きじゃないの?」とか確かめるような事を言ってしまう。こう子さんはその都度僕の頭を撫でて言ってくれる。

「悠太の事が大好きだよ。悠太が10年間燃やし続けてくれた情熱を、私は数か月で燃やしているからすっごい高温で悠太が好き。だけど悠太に清潔な生活を送ってもらいたいから、洗濯をさせてね」


 僕はそう言ってもらえると安心する。僕は自分に自信がなさすぎるのかな?いつか真理雄に聞いてみようと思う。


 こう子さんは出発3日前には準備を終わらせていたから、僕は当日もドタバタする必要はなかった。奥さんが頼もしいとその夫は気が楽だ。キレイでエッチで可愛くてエッチで、頭が良くてエッチで頼もしい、僕の自慢のエッチな奥さんだ。

 空港について気が付いたけれど、僕は飛行機の乗り方を僕は知らなかった。そういえばお父さんがいる札幌にもまだ一度も行ってないし、飛行機に乗った事がないかもしれない。僕がソワソワしていると、こう子さんがさっとフォローしてくれて、スムーズに搭乗手続きを終えて飛行機に乗り込む事ができた。


 何万回と繰り返した事だけど、今日もまたこう子さんに惚れ直した。キスがしたくて仕方なかったけれど、さすがにこう子さんの家族の前でそれはまずいだろうと思い我慢した。


大切なお時間を割いていただきありがとうございました。わかりにくいところやご意見ご感想などいただければ幸いです。

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