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クッソーー!!


そりゃあね。病気だと知って可哀想だとは思ったさ、ああ!思ったさ!!


でも、何故こうなった!!


******


「その弟君の所まで一緒に行こうよ」


ライはウキウキして私へ話しかけた。


「そうか!!お前達も来てくれるのだな!」


ウキウキして返事をかえす肉ダルマへ頷くしか無くなってしまうぅぅぅ。


魂って口からヌォーって出るんだっけ?ハ、ハハ……きっと私は今ヌォーって出てる気がする。


「ヘイオーンに行く前に多少はお仕事しないと、向こうで直ぐにお仕事見付かるか、わっかんないもんね」


肉、冷凍肉を狩りまくれば財布はほっかほか……のはず。まぁ私は持てないんだけどね。て、なるとだ!荷物持ちのライが居なきゃダメなので……


「……そうだね。その弟君の所で雇ってもらおうかな」


そして、ドナドナされる私はノリー様の屋敷よりデカイ屋敷の扉を潜った。



「インスピーは二階か!」


意外と機敏な肉ダルマはダッシュで階段をかけ登り、私達はゆっくり後に付いていった。


装飾品が無い。真っ白な部屋には豪華なベッドだけ。そっと近寄ってみると全体が灰色のモヤモヤっとしたモノの中に細く小さな身体が見えた。


「呪いらしいが、誰も何も出来なかったのだ……」


ぷにっとした手を握りしめる姿は、弟思いのお兄ちゃん。かなり衰弱してるのか、ゆっくり顔をこちらへ向け力なく笑う弟。


「絶対、私が助けてやる!」


『どうする?このままだと弟君危ないねー』


隣に居たはずのライが急に大人の姿へ変わった!


「私に何が出来るのさ」


小声で反論すれば、


『あのモヤモヤはかなり強力。僕も思わず人型解除しちゃった。モヤモヤは普通の人間には見えないけど、サラなら出来るかも』


「は?あんなにモヤモヤしてんのに?」


『サラ。どうする?』


うーん。モヤモヤってゴミみたいに集められるのか?


一歩近寄って足元のモヤモヤをぐるぐる丸めると、あら不思議!丸々になった!


「おい!何をやってる!?」


肉ダルマが私を怪訝な表情で見てるけど、今はゴミ回収が先!


「ちょっと埃があるみたい。私が掃除してあげるわ!」


ぐるぐる、ぐるぐる、ぐるぐる。


全てのモヤモヤをぐるぐる丸めると、真っ青な顔だったのに、ほんのり頬が赤みを差してきた。


直径15センチ位のモヤモヤを持った私は、ダダダーと外へ行き天高くモヤモヤを投げると、スーっと落ちてきた所をダイレクトアタック!!


「誰か知らないけど、呪いをかけた者の所へ飛んでいけーーー!!」


ヒューーー。おぉ、真っ直ぐどこかへ飛んで行ったな!ヨッシャー!!片手で目元を影にして、勢い良く飛んで行ったモヤモヤへ大きく手を振る。


「ギャハハハハ!!何アレ、マジかー!ギャハハハハ!!」


いつの間にか人型に戻ったライは、芝生の上を転がって笑っていた。


「やり方なんて知らないンだから、昔のスゲー人が言ってたよ。


痛いの、痛いの、飛んでいけー!


見た?私の華麗なフォーム?手首のスナップを効かせる事が大切なのよ!」


両手を腰に当て、誇る私へ肉ダルマが駆け寄ってきた。


「インスピーがぁぁぁ!!」


ど、どうした!?モヤモヤは彼方へぶっ飛ばしたよ?


ドバーっと涙を流した肉ダルマが私へ抱き付く。


「お腹が空いたと言ったんだ!今までなら、スープを数匙しか食べられなかったのに自分から起き上がりたいって!」


二日間の滞在中に、インスピーはお粥を食べられる位に回復した。


「きっとお兄ちゃんの思いが天に通じたんだ!!」


私はバンバン肉ダルマの背中を叩いて、呪いを解いたのは肉ダルマだと押し付けた。


「しっかり治してこいよ!王宮で待ってるからな!」


グロウさん達も肉ダルマの兄弟愛の奇跡だと喜んでいた。


******


それから食欲も徐々に戻り、衰えた身体をマッサージして、自分で歩けるようになるまで侍女として働き。1年経った頃、インスピー殿下が王宮へ帰る日が決まった。


「サラとライは一緒に行ってくれないの?」


うるうるとした瞳で言われても、決心は変わらない!


「財布もずっしり中身が潤いましたし、私も2ヶ月後には13歳。早い所ヘイオーン国に行きたいのです!」


インスピー殿下は地雷じゃないけど、隠しキャラもあり得る美貌。しかも頭が滅茶苦茶良い!ヤバいっしょ。


「二度と戻ってくるんじゃないよ!インスピー殿下。お達者でー」


大きく手を振り、馬車が見えなくなってから、大きなリュックサックを背負う。


「じゃあ、ライもちゃーんと家に帰るのよ!」


バイバーイ。ライに背を向けテクテク歩く。あと約3年、うかうかしてると小説が始まってしまう。


「逃げ一択よね!」


「そうだよねー。僕から逃げられると思ってるの?」


ギギギ……私の首が錆びたかな?何とか振り返ると。


「出たな!地雷1号!さっきバイバイしたじゃん」


「うん。インスピー殿下と屋敷の人間へバイバイしたね」


ニコニコして付いてくる。うん、ライは諦めよう、頼らなきゃいいんです!!


「ねぇ、サラは知ってる?今、ヘイオーン国内は新しい王様になる準備でなかなか入国出来ないの」


…………?初耳ですが?


「それでね。行き先を変更しようと思いまーす!他国なら良いんでしょ?」


「うん。他国なら良いよ」


ニタリとライが笑ったのは、気のせいよね?


「ジャジャーン!!発表します。行き先はデンジャー国に決定しました!」


デンジャー国?聞いた事が無いな。


「何処にあるの?デンジャー国って」


「ヘイオーン国と真逆だよ。カモン国内を横断だねー」


マージーかー!!

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