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再び起きた時、陽は高くなり既に起きていたライは元気に魚を焼いていた。
「近くに川があったぞ!」
クッ!……地雷王が可愛く見える。
「…ありがとう。起こしてくれたら良かったのに」
ムクッと起きて焚き火へ歩み寄る。差し出された魚をパクりと食べれば、あまりの美味しさにばくばく食べてしまった。寝起きに感じたライへのドキドキより食欲の勝利ね。
川で顔を洗い今日もテクテク歩く。ヘイオーン国は確かのんびりした人が多いって聞いた。やんごとなきご令嬢が家出したら探されるだろうけど、極貧庶民が家出しても大丈夫だよね。
「サラちゃーん何考えてるの?」
首をこてんと傾げた美少年に、おぉ見た目だけは完璧だなー。と感想を漏らしたら反撃されるとは!
「そうだね。僕の美しさは当然だけど。サラも銀色のサラッサラの髪に僕と同じ深い緑色の瞳、今は発展途上だけど大人になればそれなりに抱き心地も良くなりそうだし。いっそのこと僕のお嫁さんになる?」
ニコニコして話しているけど最後の方に聞いちゃならねぇセリフが無かったか?
「えっと、お嫁さん?誰が、誰の?」
「だから僕のお嫁さん。ね?」
ね?じゃねぇ。ん?待てよ、これは精霊使い放題プランじゃない?だって、精霊王の嫁だよ!
「むりむりむりむり」
危ない。うっかり頷いていたら玄孫まで抱けなくなる所だった。命は大切にしましょう。byサラ。
「まだまだ時間はいっぱいあるから、ライが好きー!と言わせてあげるよ」
コロコロ笑い声を上げるライに、手を引かれながら地雷王プロフィールに"ナルシスト"追加。
小説に出て来なかったから、地雷王の事は分からないけど。
名前、精霊王のライ。(命名、私)
見た目、薄い緑色の長い髪、深い緑色の瞳。背は高く女性にも見える体躯に左右対称の造形でかなり整った顔。
人間version。見た目は精霊王をそのまま15歳位にした感じ。
性格、ナルシスト。暇人。面白い事好き。ちょっと頭が悪そう。
まぁ、こんなもんかー。
「そうだ。ヘイオーン国へは何日位かかるの?」
「んー……3日かな?うん、きっとその位だよー」
3日か、それなら魚と野草スープでイケる!孤児院は地雷フラグだから違う場所で出来れば働きたいけど、まぁ何とかなるか。
そして3日後。
毎朝の寝起きどきっきり(眼前にライの顔有り)、何処から持ってきたのか木の実や果物を食べ、魚も1日一回は食べられる。うん、家に居た頃より豪華だね。
「街へ入る前に身体を洗いたい」
さすがに乙女が3日も身体を洗わないのはダメだろう。て事で、
全てスポーンと脱いで川へ入った。石鹸なんて無いからタオルでゴシゴシ洗い、ついでに着ていた服も洗って木の枝へ干した。
さっぱり爽快な気分だったのに、ガサガサと音がしてライかと振り向いた私は固まった。
……どなた?
黒髪で、黒目の如何にも、やんごとなき身分の男の子(但し服は庶民的)が、真っ赤な顔で私を見てる。
「お前!こんな所で何やってんだ!」
「水浴びと洗濯。逆にそれ以外って食料確保しか無いよね?」
ウッ!と一歩後退り、顔を背けたけどさ。まさか!?
「乙女の柔肌をアンタ見たの!?」
ほほぅ。耳まで赤くなったって事は自白したも同然。
「まさか人が居るなんて思わなかったし、最初は精霊かと…」
「チッ。精霊ね。しっかりばっちり見たのね。今夜のご飯とベッド提供で許してあげよう。アンタの名前は?」
「ヤター。叔父の所へ遊びに来てるんだ。キミの名前は?」
………………え?
「まさかヤリー伯爵家の息子?」
「僕の事良く知ってたな!もしかしてキミも貴族なの?」
ブンブン横に顔を振り、地雷2号と何とか離れようと考えていると、後ろから誰かに抱きしめられた。
「サラは僕のお嫁さんだよ?キミは誰?」
ハハ……地雷1号の登場か。
「よ、嫁?既に結婚しているのか!でも、さっき見た時は胸が絶壁…」
殴られたいのかな?それとも蹴られたいのかな?
「よし!殴ろう!」
ん?と私を見たライの腕から抜け出し、身体を洗ったタオルを巻くと、ヌボーと立っているヤターの顎へ渾身の一撃をお見舞いする。見事に決まった技に惚れ惚れしていると、ライが後ろで転げ回って笑っていた。
「サラ、サイコー!!」
絶壁って、どこ見てたんだエロガキが!!
「フン!……って白目剥いてんじゃん。か弱い……じゃなくヤバい!」
どうする?このまま逃げる?地雷2号だし、でもダメだよね。
「ヘイオーン国へ、全く向かって無かった事は後できっちり話し合いするとして。ライ!ヤターが来た道は分かる?」
未だにゴロゴロ転がりながら笑っているライを見ると指差したから、干してあった服を着て。よっこらせ、とヤターの両手を持ち引き摺る。ズルズル少しは動くけどなかなか進まない。
「サラちゃーんは優しいね。僕がそいつを持ってあげるよ」
ヒョイっと肩に俵担ぎするとスタスタ歩き出しので後を着いて行った。
「お坊ちゃまー!」
見るからに執事のじいさんが泣きながら駆け寄って来た。
「倒れてたので連れて来ました。では!!」
シュタッと敬礼して、ダッシュで逃げ出そうとしたのに、ライにガッツリ腰を掴まれ動けん!
「待って下さい!是非ともお礼を。今すぐにお菓子も準備致します」
お菓子だとーーー!!
「はい。いつまでも待ってます!お菓子はどこ?」
キョロキョロしてると、じいさんがヤターを横抱きしてデカイ屋敷から出てきた男へヤターを渡し、じいさんは私とライを屋敷へ案内してくれた。
ウッホー!めっちゃ豪華じゃん。
通された部屋はシックに纏めてあったけど、THE一級品!てな感じで座っても良いか躊躇してると、じいさんが笑って勧めてくれ、恐々と座ってお菓子を待った。
出されたお菓子は一言。サイコー!!何?ホロホロしてるのに口溶け最高のクッキーとか、ほろ苦いながらも滑らかな舌触りのチョコ、極めつけがフワッフワのパンケーキ!
もしや、天国では?
「美味しいかい?まだあるから遠慮無く言って」
いつの間にか正面に座っていた男。ヤターと似ているけど、眼光が鋭い。
「そんなに警戒しなくても大丈夫。私はヤターの叔父でノリーだ。キミはどこから来たの?」
何となーく。疑われている気がする。
「私はサラでこっちはライ。私達はみなしごで仕事を探してヘイオーン国へ行く途中なの」
私よりお菓子に夢中なライは全く話を聞いちゃいない。
「仕事か…良ければココで働くかい?メイドが1人辞めたから丁度募集しようかと思ってたんだ」
「いえ、結構です。そろそろ帰ります。行くよーライ」
「サラちゃーん、まだ僕はお菓子食べたい」
チッ。地雷1号置いて行くぞ!
「今日は泊まる場所はあるの?子ども二人で野宿は危ない。今夜だけでも泊まっていきなさい」
肩をチョンチョンと叩かれ、ライの顔が近付き、耳元で話される。
「この男は、安全だよ。まぁいざとなったら僕が守ってあげる」
頬にチュッとして離れたライは嬉しそうだが、
「サラちゃん。で良いのかな?今夜のご飯はビーフシチューだよ」
「はい!今夜は宜しくお願い致します!」
ビーフシチュー!早く食べたい!魚も美味しいけど、成長期には肉よ肉!!




