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小説開始?! 8

「とりあえず誰?」


見た目極上の女性が話し出す。


「ちょーっと、目を離した隙に弟が連れ去られちゃった」


「ん?弟って誰かな?」


「精霊王よ、そして私は姉の女神!ペンネームは女帝よん」


女帝……ペンネーム……?


「あなたのハンドルネームは、闇夜のカラスさんよね?いっつも感想くれるの嬉しかったわ!

最初はぼちぼちブックマークもあったのに、徐々に減って最後まで私を見捨てなかったのは、あなた1人よ!

闇夜のカラスさんが死んだって地球の女神様からメールが来て、慌てて召喚したから、本当はベルビナの身体へ入れようとしたのに、あなた自分からさっさとサラに入っちゃうんだもの。


そうそう!ベルビナの魂も異世界からちゃんと召喚したのよ?だって私の小説の読者なら、きっと喜んでくれると思ったから精査せずに召喚したのがダメだったのよねー」


軽く話しているが、このポンコツは、あの小説の作者で、ポンコツのせいで地雷軍団に囲まれる世界へ来たって事かな?これは怒って良いよね?


「待って、待ってよー。ちゃんとサラには加護を沢山授けたし、バーダさんも小説とは違い元気いっぱいよ!


ただ、問題は何故か私の世界なのにベルビナには干渉出来ないのよねー。変な術も使うし、私も色々試したんだけど、全て弾かれてしまうの。そうねー、だから弟も連れ去られちゃったんだけど。ごめんね」


えへへ。と笑う自称女神。いや、ポンコツ。


「んー。ポンコツじゃなく女帝って呼んでよー」


「ポンコツで充分だ」


「んもー!まぁ、いいわ。それでね、サラにはベルビナの魂を元の世界へ帰す手伝いをして欲しいのよ。私って女神じゃない?ドバーっとやるのは得意なんだけど、チマチマ1人に何かやるのは苦手なのよね。その点、サラなら肉体もあるし、精神力も人並み以上でしょ?だから、ベルビナの身体から魂だけ弾き飛ばして欲しいのよー」


要約すると、自分が動きたくないから、私に尻拭いしろって事?


「ちゃんと対価は払うわよ!何が良い?美貌?若さ?永遠の命?」


「どれもイラネー。私は地雷に怯える事無く!長生きはしたいが永遠には生きたくない!」


前世でバーさんになれなかったなら、今世は家族に囲まれ大往生したい。


「そうね……まぁ何とかなると思うわ!て、事でベルビナの近くへ転移させるわ!サラならやれる!頑張ってねー」


ヲイ…待て、ポンコツ!こちとら話は終わっちゃいない!しかも、了承してないぞ!

ふわりと身体が浮いたかと思ったら、暗闇に飲まれる。そして……


「何で上空を落下してンのさー!!地面とディープキスしたら死ぬじゃん!!クッソーーーーあんの、ポンコツがぁぁぁ!!」


杖を取り出し水の膜を何層も重ねる。念じるのはあの有名なスライム!ポヨーンとなる、私ならやれる!




ポヨョョーーーン……ボヨン…ボョ…ン……


よし、無事生還。


次に会ったらシメよう!あのポンコツ!


キョロキョロと辺りを見渡せば、どうやら女子寮の裏手にある林みたい。

ノン令嬢を送り届けた時に確認したから間違い無い。


とりあえず、ポンコツが言うにはベルビナ令嬢をぶっ叩けば良いんだよね?その次にライをぶっ叩いて任務完了!了承してないンだけどな!!


………………大切な事を思い出した。私、ベルビナ令嬢の顔、知らん。


最大の試練が訪れた私は、林の中で見つけた山菜を手当たり次第取る。これ、街の八百屋へ売れるのよね、こんな場所に群生してたとは、なんたる幸運!


あー!!これはサワービじゃん!キレイな川じゃないと取れないのに、ふふ、意外と高値で売れるのよね。元手タダ!何てステキな響きなのー。


タダー♪タダー♪タダなのよー♪


ウフフフフ……


「まあ!下手な歌が聞こえたから、笑いに来たら、確か貴女はサラとか言ったわね」


ん?私のサワービは譲らないからな。そう思い振り返ると、肩にロープを持ったツンドーラ令嬢。


「笑いに来たのに、何故ロープ?」


「べ、別に誰かが迷い込んだかもなんて、少しも考えてなんかいませんわ!


そ、そ、そうよ!私は運動の為に歩いていたら偶然、下手な歌が聞こえたから来ただけですわ!」


うんうん可愛いなー。顔が真っ赤になってるぞ。待てよ……ツンドーラ嬢は学生よね?


「そう言えば、ツンドーラ嬢はベルビナ嬢の顔は分かる?」


「ベルビナ様ですか?勿論、分かりますわよ!女神のように優しく美しい女性ですわ」


うっとりしながら語るツンドーラ嬢には悪いが、この世界の女神はポンコツだ。


「ツンドーラ嬢。私、そのベルビナ嬢に会いたいンだけど案内頼める?」


うーん。と首をひねり考えてから真っ直ぐ私を見て、


「とりあえず、この林から救出しなきゃダメですわね!ついていらっしゃい」


キビキビ歩くツンドーラ嬢の後を、はーい!とルンルン両手に戦利品を持ってついていく。


確か、インスピーの話じゃ普通のご令嬢。でもツンドーラ嬢の話じゃ女神みたいなご令嬢。私と一緒で異世界から来たらしいし、どんな人かな?


まぁ、ライを連れて行ける位には強いから、やっちゃっても問題無し!!


目指せ!平和な大往生への道!!





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