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小説開始?! 6

クソ坊っちゃま経由で、チョコレート詰め合わせ様が届いた。話によれば今、なんとなーくヤターとツンドーラ嬢は仲良くしてるらしい。


「本当に可愛かったよー」


子犬がキャンキャン吠えてるだけで、あれをツンとは思えないよな。


「そう言えば。近々剣術大会があるらしく、俺達も参加する事になった」


「へぇー。まぁ頑張れ」


私は自分の仕事である掃除をしながら、目の前にある憎きサッシの隙間をいかにキレイにするか格闘中である。水バシャーンと掛けてやれば良いけど、床に絨毯敷き詰めてんだよなー。剥がすか!?


「ねー。良いでしょ?」


何か言ってるが、1ヶ所だけ剥がすと目立つから、いっそのこと全て剥がすか?そうなると家具が邪魔だなー。


「サラー!お願い!」


「黙れクソ坊っちゃま達。何か知らないけど分かったから後でね。今忙しいンだから!」


「本当!?やったー、じゃあ申請出しとく」


振り向くと部屋を出て行く二人の後ろ姿だけ。ん?申請?


「二人の話、聞いて無かったでしょ」


ライがニコニコして隣にしゃがみ込む。


「私はサッシの汚れと戦ってたの。てか、何の話?」


「あの二人と組む魔術師立候補者が沢山いてね。中身アレでも見た目だけは良いから、毎日色々なご令嬢に迫られてるんだってー。で!面倒くさくなった二人はサラを選んで今、申請書を提出しに行ったよー」


…………マジっすか!?


「いやいやいや、だって私学生ちゃうし!クソ坊っちゃま達はバカなのかな?」


受理されないだろうと思っていた私。サッシに情熱を傾けず、あの時全力で拒否していたら……



******


「久しぶりに三人で暴れられるね」←クレ様。

「ライも一緒ならもっと楽しかったのに」←イジー様。


「この学園はバカの集まりなのかー!!離せーど阿呆!」


ロープでぐるぐる巻きにされ台車で運ばれる私は、力一杯抵抗するが杖を取り上げられ反撃不可。


「最初はサクッとやっちゃおう」←クレ様。

「最後までサクサクの間違いでしょ」←イジー様。


クッソー!この怒りをどうしてやろうか?ん?そうだ、いい事思い付いた!私は何もしない!


一組目も二組目も、私が出る前にクソ坊っちゃま達で終わった。弱すぎだろ?こんなもんなンか?


控え室に戻ると、会場から歓声が聞こえる。昔のコロシアムを真似て作られた会場には、生徒以外にも観客が来てなかなか盛大だ。


その中でも、一際大きな歓声が聞こえ。強い学生もいるのかな?位しか思わなかったのに。


「次はヤターとヒューとホーイだよー」


能天気なライにイラッとしたから、とりあえず鋭利な形にした氷をいくつも投げつけてやった!全て避けられたけどな!チッ。


「でも、インスパーじゃなくてホーイなのが意外だよな」←クレ様

「インスパーは今回出なかったらしいよ」←イジー様


ホーイ。一度だけチラッと会ったな。特に印象は無いけど小説では腹黒メガネかー。




そして、地雷三人組との対決である。

ヒューはかなり鍛えられたのクレ様と良い勝負、ヤターも魔術でイジー様と激闘を繰り広げている。うん、ここまで通常の試合だ。不思議ちゃんが居なければ!だ。


「僕はキミに感謝してる。ずーっと父上の子どもじゃないと、勘違いしてたんだ。思いきって両親へ聞いてみたら、二人とも笑って自分たちの子どもだよ。と抱きしめてくれたんだ!」

「それからね。パーっと気持ちが楽になったから元々好きな勉強が、もっと好きになって。今は少しだけ父上の仕事にも同行出来るようになった」

「母上は身体があまり丈夫じゃないのに、部屋を訪ねるといつも頭を撫でて下さる。もう嬉しくて僕も自然にありがとうと抱きしめて差し上げる」

「そう言えば、キミは殿下達とも面識があり、ヒューやヤターとも友達なんだろ?僕ともお友達になろうよ。ホーイより」


「なげーわ!!しかも紙飛行機で何回も手紙を寄越すな!思わず読んじゃったじゃない!話せ、口を動かせ、表情筋も動かさンかー!」


無表情で、紙飛行機を飛ばすホーイへ叫ぶが、口元が僅かに弧を描いた……気がするだけで変化無し!


「さすがサラ!あいつの紙飛行機貰えるのは、気にいった証拠だ」


ヒューがクレ様と戦いながら、私へ言うが知らんがな!


「いいなー。ホーイから次々紙飛行機貰えるのは、ホホー公爵のノンご令嬢とサラだけだよ」


ヤターが少し羨ましそうに言うから、紙飛行機を頭へクリーンヒットさせてやった。


なかなか決着がつかないし、また何か書いてるホーンを見て。嫌な予感しかしない。こんな時はアレだ!


「昔のスゲー人が言ってた。


嫌な事は水に流せ!


面倒くさいからみんな流れろ!」


魔力最大限で、会場の中央へザッッバァァァーン!と水を出した。


うん。地雷三人組だけじゃなくクソ坊っちゃま達もついでに審判役の先生も流れたがキレイさっぱり誰も居なくなった。


「よし、帰るかな」


会場はシーンと静まりかえっているが、んな事は関係無い。だって学生ちゃうし。


「みなさま、ごきげんよう」


ペコリと頭を下げ、トコトコ会場を出て寮へ向かう途中。


「流された人は救出しといたから、サラ誉めて!」


チッ。地雷1号め!


「あれ位じゃ奴らは死なん!何通も紙飛行機飛ばしてさ!」


「……すいませーん…ま、待って……下さーぃ……」


か細い声が聞こえて、振り向くとモジモジした女の子が私の服の端を掴んだ。


「誰かな?」


「ぁ……あの……これ…読んで下さぃ…」


また手紙か!飽きたわ!でも、確認しなきゃダメよね?


「カッコいいお姉さまへ。


試合を見て感動しました。あんな技は今まで見たありません。圧倒的強さ!それに可愛くて、可憐で、不機嫌そうなお顔までキュート!


何よりホーイ様ともお友達のご様子で、もしご迷惑でなければ私ともお友達に…出来ればお姉さまに……なって頂けますか?


ノン・ホホーより」


顔を赤らめ下を向いて未だモジモジしてる少女がヤターが言ってたノン令嬢か。


「……ダメでしょう…か…」


チラッと上目遣いされた!これは!


「ツンドーラ嬢とは違う可愛さ!」


「……そ、そんな…可愛いだなんて…」


ノン令嬢は両手を頬に当てはにかんだ笑顔を向ける。


よし、持ち帰ろう!

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