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僕はただ 天井のシミを数える  作者: キッシー
2/2

僕は天井を見上げる

毎日行き場のない怒りを抱えてる


公園で幸せそうにデートするカップル


友人と楽しそうにお喋りしながら歩いてる子供たち


ネットで信者達からお金を巻き上げ生活してる配信者


全てが僕の嫉妬の対象だ







昔は良かった


小学生のころクラスの輪の中心に僕はいた


全てが自分の思い通りになるとあの頃の僕は思ってた


例えば僕に逆らった男子がいたら徹底的に苛め抜いた


取り巻きに命令して靴を隠した


そいつの悪い噂を学校中に広めたりもした


逆らってくるよう生意気なやつには暴力だって振るった


最高に気持ちがよかったさ


そんなことを繰り返すうちに誰も僕に縦付くやつはいなくなり僕はクラスの王様になった


女子にもモテたし人生順風満帆


まさに敵なしというやつだった








でもそんな僕の絶対王政はすぐに崩れてしまった


中学生になり周囲の環境が変化すると僕より強いやつが現れた


そいつは明るくて文武両道で誰にでも優しい漫画の

主人公みたいなやつだった


そいつは瞬く間に僕の周りにいた取り巻き達を虜にした


僕の周りにはあっという間に誰もいなくなった


怒りに震えた僕はそいつに復讐しようと考えた


でも僕は一人ぼっちの元いじめっ子


片や相手はクラスのアイドル


戦っても結果は火を見るより明らかだった


人生で初めての敗北


クラスに居場所のない僕は息をひそめ空気のように過ごすことを3年間強要させられた


─────────────────────────



そして現在


今の僕は22際のフリーターだ


中学の経験が尾を引き高校生活にもなじめなかった僕は学校を中退し引きこもりの生活を始めた


始めは両親も優しかった


しかし一向に働こうとしない僕に両親はしびれを切らし僕を家から追い出した


それから僕はボロアパートの部屋を借り週3回のアルバイトで最低限食べていけるだけの金銭を稼ぐ生活をしている


貧しい環境では精神も歪むのか


はたまた急に追い込まれた状況になったことで生存本能が刺激されたのか


最近性欲が強くなってきたように感じる


というのも最近の僕は中学生くらいの少女の裸体が写った画像を一日中インターネットの海で探し続けてる


ネットの海は広い


SNSに個人サイト


そして匿名掲示板


膨大な情報の中には僕の求める少女の裸体が少なからず残っている


僕は彼女達の細く折れてしまいそうな体躯を求めひたすらに電子の海を漂うのだ


そう そんなことを今の僕は続けている


僕がモノにはずだったあの子達


小学生の時は媚びてきたくせ中学になったら僕のもとから離れていった女共


僕が今こんな状況に陥ってるのはあの女共のせいなのだ


だから僕は今日も少女の体躯を求める


見つけた画像で自慰をしてる瞬間だけは中学時代の記憶を上書きできるような気がするのだ





でも




でも最近は




画像だけでは自分の欲望を満たせなくなってきた



そんなふうに感じてる



ある日街中で見かけた制服姿の中学生


まだあどけなさの残る顔立ちに僅かに膨らんだ胸


そしてスカートから覗く白い足


目を離すことができなかった


きっと女子中学生の画像で自慰を続けるうちに僕は本物のロリコンというやつになってしまったのだろう


あの男を知らないであろう唇を奪いたい


華奢な体を無理やり抱きしめ壊したい


気付くとそんなことを考えている自分がいた


この欲望は身を滅ぼす


僕はそれが分からないほど愚者ではない


気を落ち受けよう





僕は天井のシミを数える



ひとつ……ふたつ……みっつ……



羊の変わりさ


きっと眠気が僕をこの性欲から解き放ってくれるだろう


僕は静かに目を閉じ現実世界かは解き放たれる


しかし哀しいかな


その日の僕が訪れた夢の世界


その泡のような世界で僕は再会してしまった


中学時代、初恋をしたあの女に


僕の欲望は膨らむ

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