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第八十七話 小由里ちゃんを誘いたい

しかし、ではどうやって小由里ちゃんに熱い気持ちを伝えていけばいいのか。


ここがいつも悩んでいるところ。


ルインでも、その想いが書けない。


こないだの公園のように、面と向かっても、告白ができない。


我ながら、何をやっているんだろうと思ってしまう。


一回デートをすれば、状況は大きく変わる気がする。


しかし、そのデートに誘うこと自体、できていない。


彼女を目の前にすると、いつも胸がドキドキしてしまう。そんな状態なので、デートと言う言葉を言うのは、現状は無理だ。


ルインで書くことも無理。彼女が目の前にいなくても、いや、彼女が目の前にいないからこそ、なおさら書きにくいところはある。


彼女の方の気持ちも思う必要がある。


俺のことを嫌いではないことは確かだ。


しかし、彼女は弥寿子ちゃんのことを気にしている。遠慮していると言ってもいいかもしれない。


ここで、夏音ちゃんの想いを知ることになったら、夏音ちゃんにも遠慮してしまうかもしれない。


そして、俺もそういうところがあるが、幼馴染としての意識、これが恋へ発展できない大きな理由だと思う。


これでは、小由里ちゃんとの関係を進めるのは難しい。


俺はもう一度原点に戻ることにした。


俺の一番好きなのは小由里ちゃん。彼女と恋人どうしになり、ゆくゆくは結婚していきたいと思っている。


大切なのは、この想いを強くし、彼女に熱く伝えることだ。


それができれば、彼女も遠慮しなくてよくなるだろうし、幼馴染ではなく恋人として俺のことを想ってくれるようになるだろう。


今俺に必要なのは、その熱い想いだ。


しかし、これが、なかなか熱くなってこない。


俺も弥寿子ちゃんや夏音ちゃんから、その熱い想いを伝えらえて、心が結構動かされている。


小由里ちゃんがいる以上、そうであってはいけない。


しかし、毎日「好き」と送付してくる弥寿子ちゃん。


そして、今日想いを伝えられ、しかもこれから多分毎日「好き」、だと書いてくるであろう夏音ちゃん。


最近小由里ちゃんに対する想いが、弱くなり始めている気さえもしている。


やはりここは、思い切ってデートに誘うべきだろうと思う。


前回はうまくいかなかった。それは、そこまで想いが熱くならなかったからだと思う。何が何でもデートしたいという気持ちを今度は強くもとう。


彼女がデートという言葉に抵抗があるのであれば、お出かけするということで誘うことにすればいいと思う。


デートもしくはお出かけをして、彼女との距離を縮めていく、これが一番いいと思う。


というより、今の状況を打開するには、俺が動くしかない。


小由里ちゃんはきっと俺が誘ってくるのを待っているはず。


もしそうでないとしても、俺が誘えば、断ることはないと思う。


とは言っても、まだ決断ができない。


断ることがないだろうと思っても、断られた場合が怖い。


その時、俺は立ち直ることができるのだろうか……。


また優七郎に相談するしかないと思う。


前回も誘いについてはうまくいっていないので、また相談をしたら、さすがに少し怒るかもしれない。


でも相談できるのは、優七郎しかいない。


俺はルインで、


「明日相談させてほしい」


と優七郎に送った。


優七郎は、


「いいよ。時間はまた部活の前でいいな」


と少し経ってから返信してきた。


「それでいい。ありがとう」


俺はすぐそう返した。


明日相談をし、小由里ちゃんをデートに誘うという決断の後押しをしてもらいたいと思っている。


アドバイスもあるが、俺にとって、厳しい言葉もあるだろう。でもそれは、俺の為を思って言っている言葉だから受け止めていくようにしたい。


そう思っていると、弥寿子ちゃんにルインを返信しなければならないことを思い出した。


しかし、いつものことながら、「好き」と書いてきたことに対する返事は難しい。


「また部活で会おう」


なんとかその言葉を書き、弥寿子ちゃんに送った。


すると、すぐに返事がくる。


「先輩、返事ありがとうございます」


「先輩、好きです」


「部活では、もっともっと甘い愛のある言葉をささやきますね」


「期待していてください」


「愛しています。先輩」


うーん。言葉がさらに重くなってきているような。


もっともっと愛の言葉をささやくって、どういうことだろう。


部活では、今まで、まわりに人がいることもあって、「好き」と言った甘い言葉はあまりささやいてなかったが、もうまわりのことを気にせず、「好き」とささやきまくったりするのだろうか。


今日夏音ちゃんに会ってから、より積極的に弥寿子ちゃんは俺にアプローチをするようになったようだ。


この弥寿子ちゃんの気持ち、うれしいことはもちろんうれしいのだが……。


そう思っていると、小由里ちゃんからルインがきた。


いつもの通り、あいさつと、ちょっとした世間話をする程度のやり取りで、恋人どうしのやり取りからはほど遠いが、なんかホッとする。


このホッとする、というところもやり取りでは大事なのかもしれない。


でもいつかは、恋人どうしになって、甘いやり取りがしたいなあ……。


やり取りが終わった後、俺はジュースを飲みながら、そう思うのだった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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