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第四十九話 小由里ちゃんと出かける為に

次はどこへ行くかだ。


小由里ちゃんもアニメは好きだけど、弥寿子ちゃんと行ったところに行くのはどうか、と思う。


いずれはアニメ映画に行くことも考えたいが、今回は、別のところにしようと思う。


とはいっても、どこへ行くのがいいだろう。


俺はネットで調べてみることにした。


テーマパ-ク、遊園地、公園、いろいろなところがある。


うーん、これが初めてだし。思い出に一番残りそうなところがいいなあ。でも有名なデートスポットとなると、彼女が遠慮しちゃう可能性がある。それでもそういうところにした方がいいのかなあ。


なかなか決まらない。


何といっても、女の子と出かけたのは、今日初めてなのだ。わからないことが多すぎる。まだまだ経験をこれから積んでいかなくてはならない。


そのまま夜遅くまで没頭していった。


翌日も休みだったので、一日かけて調べることにする。


なんとか午後には行く先を決めたい。


朝起きると、身だしなみだけは整えたが、朝食は食べすに没頭する。


その結果、昼頃になり、ようやく決めることができた。


テーマパークは次回以降にすることにして、海が見える公園に行くことにした。


ここは、幼い頃、彼女とお出かけをした場所。


とは言っても、お互いの親と一緒だったので、二人だけでいた時間は少ししかない。


その時、一緒に見た夕暮れの海はとてもきれいだった。


彼女は忘れているかもしれないが、俺にとっては、忘れられない思い出。


彼女の方も思い出してほしいなあ、と思う。


しかし、もし忘れていたとしても、ここならば、あまり気負わずに、彼女も行くことができるのでは、と思う。


次はその周辺のレストラン。ここが重要だ。


調べるのにかなりの時間がかかったが、おしゃれそうなところがあったので、そこへ行くことに決めた。


もう夕方になってきている。


俺は、晩ご飯の食材の買い出しに出かけた。面倒だが、それをしなければ、晩ご飯を食べることができなくなってしまう。しかも今日は、朝も昼も食べていない。今はまだいいが、その内、空腹で苦しむことになってしまう。誰も作ってくれはしないのだ。仕方がない。


こういう時、スーパーで小由里ちゃんと会い、そのまま食事を作りにきてくれたら、と夢想してしまう。


ゲームだったらありそうなシチュエーションだ。


しかし、現実は、そんなことは起きるわけもなく、一人で行って帰ってくるだけ。


そして、一人での料理。


今までは感じたことはなかったのだが、弥寿子ちゃんと一緒に出かけた後、こういうところにも寂しさを感じるようになった。


とはいうものの、ここで弥寿子ちゃんを呼んで、料理を作ってもらうわけにもいかない。彼女自体は喜んでくるだろうが、一回呼んでしまうと、多分毎日来るようになると思う。


それでもいいのでは、と思う心もある。そして、一緒に食事をしたいという気持ちもある。


それでも、小由里ちゃんのことを第一に考えていかなければならないのだろう。


まあ自分でやるしかないよね。


いつも通り、俺は食事の支度に取りかかるのだった。


その日の夜も、弥寿子ちゃんからルインが入っていた。


「明日、学校で会えるのでうれしいです」


と来た後に、


「先輩、好きです。好きです。大好きです」


と入っていた。


「好き」という言葉が増えている。


このまま少しずつ増やしていくつもりだろうか。


俺は、最初の文に対する返信として、


「学校で会おう」


とだけ書いた。短いかもしれないが、これしかないと思う。


すると、


「はい。わたし、楽しみにしてます。好きです」


と返ってきた。


また「好き」という言葉が書かれている。


でもこうやって、毎回「好き」って返信されると、影響されて、その内、俺も自然に彼女のことを「好き」って返信するようになるかもしれないなあ。


そう思ってしまう。


今回も、これには返信はしないでおいた。弥寿子ちゃんには申し訳ないけれど。


明日、俺は小由里ちゃんを誘う。


デートに誘うといいたいところだが、彼女の心がわからない以上、今は「友達と遊びに行く」という形でのお誘いだ。


それにしても、もっと仲がよかったら、今回、彼女とイチャイチャな触れ合いができるのに、と思う。今の関係では、手をつなぐなんてことはできないだろうし、肩を寄せ合って、お互いの体温を感じ合うというようなことは、できるわけがない。


キスなんて、夢のまた夢だ。


もし、今回お出かけをOKしてくれて、一挙に仲が深まったら、そういうことはできなくもないが、それを初めから望んではいけないだろう。


まだ彼女に話もしていないのに、一人で盛り上がってもなあ……。


ベッドに入り、眠る態勢に入るが、興奮してなかなか寝付けない。


彼女は、この誘いをOKしてくれるだろうか。友達としてだから大丈夫だろう。でもしてくれなかったらどうしょう。もう彼女とは顔を合わせられないかも。長い間の幼馴染の関係も、これで壊れてしまうかもしれない。せっかく仲直りしたばかりなのに。


そういうことが心の中に浮かんでくる。


今考えたってしょうがないのに。俺の今すべきことは、悩むことではなくて、寝ることなんだ。とにかく寝よう。


そう自分に言い聞かせる。


その甲斐があったのかはわからないが、心が次第に落ち着いていき、やっと、眠気が襲ってきた。


とにかく、明日、小由里ちゃんと話す。結果はどうであれ、気にしないことにしよう。


そう思いながら、眠りについていった。

「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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