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第39話

 特別資料室に侵入したジンガ・ナカヤマ。

 彼はどうやって室内に入ることができたのだろうか。

 あそこは魔法的にも物理的にも厳重に鍵がかけられている。

 だが、彼は簡単に侵入している。

 ジンガは“超越魔力”というチートを持っている。

 余りある魔力で、来訪者ならではのオリジナル魔法で何かしたのだろうか。


 オレは隠密機能全開で特別資料室の外壁から中の様子を伺う。

 室内では動き回っていない。

 ということは中で秘匿資料や禁書指定書物を読み漁っているのか。

 1時間ほど、じっとしていると思ったら動きがあった。

 そろそろ抜け出すのだろうか。

 ジンガが外側の壁に近づいたと思ったら、突然反応が消えた。

 いや部屋の外に反応が現れた。

 …これ、瞬間移動…。テレポートしたのか。


 まずい。逃げられる。

 急いでジンガが抜けだした場所に向かったが、遅かったようだ。

 遠くのほうで走り去る彼の姿がハッキリ見えた。


 彼の目的は何だろうか。

 彼は侵入・閲覧した場合の厳罰を知っているのだろうか。

 もし、彼が何も知らず軽い気持ちで侵入しているならなんとしてでも止めないと。

 さすがに13歳の若さで、無知だったというだけで極刑は可哀想だ。助けてやりたい。

 だが、知っていて尚、超越魔力があるから見つかっても何とかできると考えているなら…。

 この世界をナメているようなら、お灸を据えてやらないといけない。そう!講師として!

 どちらにしても、もう少し様子を見るべきだろう。


 オレはジンガが抜けだしてきた外壁付近を調べる。

 もしかしたら瞬間移動したときの残留魔力が残っているかもしれない。

 魔力可視機能で調べると、魔力の残滓があるのが見つかった。

 ほう、無属性の魔法…空間属性になるのかな。

 いい機会だ。この魔力残滓から魔力を抽出して空間属性の魔石が作れないか試してみたい。

 マジックバッグ機能が付与されているウエストポーチから浮遊魔力集積装置を取り出して魔力を収集。

 うーん。やはり残留魔力からでは純魔石が作れるほど魔力が貯まらない。

 作れても極小純魔石にしかならないな。

 いや、極小純魔石を媒介として、普通の魔石から空間属性だけを抽出することが可能かもしれない。

 やってみる価値はありそうだ。


 特別資料室の外側でいろいろ考えていたら、巡回警備をしている衛士さんがやってくる気配を感じた。

 まずいな。ここに居たらオレが疑われるかもしれん。

 この騒動はオレが来てから発覚したからな。おそらくオレも疑われている可能性はある。

 それに気合いが入りまくった忍者服だと怪しさ満点。

 ここは逃げるに限る。


 そういえば、ジンガもこの巡回警備の時間を把握していたのかな。

 出てきたタイミングなんか、ここに衛士が来るのがわかっていたようだし。




 翌日、ジンガは何食わぬ顔で登校していた。

 オレは寝不足だというのに。

 宿直が原因ではなく、空間属性のアイデアを考えていたら朝になっていただけの話なんだけど。


 今日の魔導工学の授業は午後からだ。

 午前中は時間があるので、冒険学科でジンガの様子を見てみるか。

 冒険学は座学よりも実習が多いからね。見ているほうも退屈しないで済みそう。


「ジンガっ!お前またやる気なさそうだな!」

「先生~。今日はやる気がありますよ。新しい魔法のヒントを得たからね。ただ、こんなしょぼい訓練施設じゃ試すこともできないなあって思っていたんですよ!」

「やろうってのか!お前っ!」

「やってやろうじゃないの!先生っ!」


 いつものことなのか、他の生徒は二人のことを見ようともせず雑談をしていた。

 先日も見た光景だよな…と思っていたら今日は違った。

 ユーファが心配そうな顔をしてケンカをする二人を見つめていた。


「ふんっ。今日のところは退いておいてやろう。今日は冒険学科に編入していた生徒がいるからな。え~っと、ユーファだったか。自己紹介してくれ」

「あ…はい、あの、ユーファと言います。魔導工学科と冒険学科を専攻しています。尊敬している兄が魔導具技師と冒険者を両立しているので、それにあやかって、冒険学科も選びました。魔力はそこそこありますが、体は強くありません。みなさんの足を引っ張るかもしれませんが、精いっぱい頑張るのでよろしくお願いします」


 わあああああっ!

 冒険学科の生徒たち男女関わらず大喝采!

 掴みはおっけーだぞ。ユーファ。

 ただ、尊敬している兄にあやかってって…。

 キーノ兄さん、冒険者をやっているという話は聞いたことがないんだけど。

 もしオレのことだったらうれしいけど、ユーファと会ったことなんて今まで数年前の3回だけだからな。

 覚えていないだろうし。尊敬されるようなことは何もしていない。

 ユーファにとってオレは他人のようなものじゃないかな。


「俺、ジンガ!よろしくねっ!この授業、暇だから俺が面倒見てあげるよ!魔法のことなら俺最強だから何でも聞いてね!」

「あ…は、はい。よろしく…」


 ジンガの野郎。

 ユーファに早速近づきやがった。

 他の生徒を押しのけて。

 変なことしやがったらメタメタにしてやるからな。


 でもジンガの言葉、気になることを言っていたな。

 『新しい魔法のヒントを得た』とか。

 もしかして昨日、特別資料室に侵入して秘匿資料を閲覧してしまったのか?

 そうだとすると…。

 チート持ち来訪者ということで1アウト、秘匿資料閲覧で2アウト、ユーファに声をかけたので3アウトだ。

 もし、今日も侵入するようだったら現行犯逮捕だ。


「ユーファちゃん!身体強化系の魔法って使える?まだ習っていないようだったら教えてあげるよ!これができるようになったら冒険者としてスグに活躍できるようになるよ」

「身体強化の魔法、使ったことない…」

「じゃあ教えてあげるよ!」

「おいコラっ!授業を無視するな!ジンガ!」

「うるせーっ!こんなつまらない授業よりも俺が直接教えたほうが成長できるわ!ね…、ユーファちゃん。最強の俺から教えてもらえるなんてすごい名誉なことなんだから!」

「何が名誉だ。実績もないくせに!」


 ああ。また言い争いが始まった。

 こんな授業で冒険学科はいいのだろうか…。


 午後からの魔導工学科の授業にユーファは疲れた表情で参加していた。

 これは身体的な疲れじゃなく、ジンガとリョーゲンとの言い争いによる精神的疲れだろう。

 ジンガ許すまじ。




「ただいまー」

「おかえりー、アリスくん。昨日帰ってこなかったから夕ごはんが寂しかったよう。おかず的に」

「おかー。お兄ぃ!お帰りのハグぅ。ハッ、グ…ゥ…」

『アリス、おかえり。アイナ、アイアンクローで伸びてしまった』


 女性陣たちよ。前も言ったが料理スキル伸ばそうな。

 作り置きをするのも大変なんだよ。

 暇があるとき大量に作っておくから、ミカゲのアイテムボックスに多少入れておこう。

 時間経過しないし腐ることもないだろう。


「今日、夜出かけてくるわ」

「お兄ぃ。夜這いならいつでもおっけーよ!」

「ちげぇよ!学院関係の用事だよ!」

「女関係か…ってお兄ぃに限ってそれはないか」

「ちくしょう!当たっているだけに言い返せない…」


 家を出る時間になるまでオレは料理を作り続ける羽目になった。

 時間が来るまで仮眠をとろうと思っていたのに…。

 休ませてくれてもいいんだよ。昨日宿直当番だったので寝ていないんだよ。これからまた夜勤なんだよ。

 ふふふっ…。この寝不足から来る高揚感を20年ぶりに思い出してしまったじゃないか。


「じゃあ行ってくるわ」

「はーい。いってらっしゃ~い。アリスくん、最初から忍者服で行くなんてわかってきたじゃん」

「コスプレに目覚めたんだね、お兄ぃ!」

「ちげぇよ!追加機能を盛りに盛ったせいで高性能なんだよ、忍者服は!しかも料理を大量に作らされたせいで終バス終わってしまったじゃないか。走っていかないといけないんだよ?着替える時間がないかもしれないんだよ?」

『アリス、かっこいい。むっちもそんな恰好したい』


 きゅぴーんっ!

 ミカゲの目が光ったような気がしたが無視だ。

 もう時間だから出ないと!


「じゃあいってきまーす!」




 特別資料室の近くで張り込みだ。

 ジンガは『ヒントを得た』と言っていたから、まだ完全にその魔法を習得していない。

 なら更に情報を求めるならもう一度ここに来ると思われる。

 彼が侵入し、出てきたところで罠を張り捕縛する。

 それまで闇にまぎれて待っていよう。


 昨日とは違い、若干早い時間。

 ジンガはのこのことやって来た。

 一応索敵系の魔法を飛ばして周囲を警戒している。

 だが、魔法に頼りすぎだ。隙だらけだぞ。

 なんでチート持ちはこんなに余裕たっぷりなんだろう?

 チートを持っているのは自分一人じゃないのを知っているはずだ。

 まわりも来訪者であることに気付いているんだから、何らかのチート対策をしている場合もあるだろう。

 すごい力を持っていることでチヤホヤされることに慣れてしまったのか。

 でもな。

 すごいと思われている以上に、妬ましく思われていることを自覚したほうがいい。


 その油断が命取りであることを教えてやる。


 ジンガは特別資料室の侵入し、秘匿資料、禁書を閲覧。

 そして昨日と同じように1時間くらいしてから動きがあった。

 そろそろ出てくるだろう。

 さあ。説教の時間だ。



「なっ!?なんだ?ここは。真っ暗だ…何も見えない…」

「やあ。ジンガ・ナカヤマ君。突然だけど君を逮捕させてもらうよ」


 オレはジンガが出てくるだろう場所にマジックバッグの原理を応用した魔導具マジックルームを展開し、誘導。

 アイテムボックスと違い、生き物も収納できるマジックバッグ。

 それを大部屋サイズにした画期的な魔導具がマジックルームだ。

 欠点は大量の魔石が必要なことと、1時間くらいしか維持できないこと。

 つまり超限定的な使い方しかできないので、商品化はとてもできない。改良の余地アリアリだ。


 見事マジックルームに入ったジンガは動揺している。

 ま、そうだろうな。

 本来出てくる場所と違うところにいるんだ。しかも真っ暗。

 声が聞こえてくるから人がいるはずなのに、気配がまったく感じられない。

 そりゃ焦るだろう。

 オレは魔導ゴーグルの暗視機能でしっかり見えているけどね。


「く、くそっ!ライト!・・・・ライト!・・・・ライトっ!」

「一所懸命魔法使っているところ悪いんだけど、ここでは魔法は使えないよ」


 ちなみにウソ。

 ジンガを引き入れたときに“超越魔力”は封印させてもらった。

 もちろん封印したのはチートの部分だけなので、普通程度の魔力は残っている。

 だが、オレの固有武器、十手に付与してある魔力誘導機能で魔法構築を阻害しているだけなのだ。


 さてまずは身柄を拘束。俯せにして身動きをとれなくして…っと!


「ジンガ・ナカヤマ君。君は知っていたのかな?特別資料室の無断侵入は重罪で極刑だということを」

「っ!?し…知らない。知らなかった。初耳だ」

「さらに秘匿資料や禁書の類の閲覧は問答無用で死罪なのは知っていたかな?」

「えっ…?・・・・知らない…そんなの知らないよ…」

「死罪や極刑は知らなかったとしても、侵入禁止の場所であることは知っていたよな。では何らかの罰則があることは予想しただろ。それがたまたま死罪や極刑だったということだ」

「知らなかったんだよ…重罪だなんて…」

「重罪じゃなかったら侵入してもいいと君は言うのかな?残念ながらその言い訳は通用しない」

「そ、そんな…。じゃあ俺は…」

「短い人生だったね。なんでそんなに生き急いだんだ?」

「俺は…ただ…。ただ最強になりたかっただけなんだ…」

「ふうん、ちょっと気になる話だね。詳しく教えてくれるかな」


 魔法があれば何でもできた。

 誰にも使えない魔法も簡単に使えた。

 超越した魔力量を持っている。

 神に選ばれた存在だから魔法を極めるのが自分の役目だと思った。

 だから学院に入った。

 だから秘匿されている魔法の資料を欲した。

 簡単に言えばこういうことだ。


 自分が最強でいたいための自己満足。

 最強の自分を誇示したいだけの承認欲求。

 チート持ちに選ばれたという選民思想。

 そんなモノのために侵入したというのか。

 とてもバカバカしい。


「それで君は見つかったらどうするつもりだったんだ?」

「見つかるはずない、捕まるはずがないから考えていなかった」

「なんでそんなに自信があるのか気になるね」

「だって俺は索敵魔法が使えるから誰か来たらすぐわかるんだ。見つかっても瞬間移動で一瞬で違う場所に行けるんだ。襲われても超越魔力で返り討ちにできるはずだったんだよ。なのに…」

「でも簡単に無力化されて、簡単に捕まったよね。ただの一般人のオレに」

「一般人?最強の俺が一般人程度に捕まったのか…」

「君は来訪者だろう?この世界の人々を軽く見過ぎなんだよ。ここ100年でどれだけの来訪者がいたと思っているんだ。どれだけ規格外の力を持つ来訪者を見てきたと思っているんだ。この世界の人間もバカじゃない。対応策は立ててくるのは当然のことじゃないか。なのに君はこの世界の人々を下に見て、バカにして、侮っていた。それが、君が道を誤った原因だ」


 …と、自信満々に説教かましているが、実際この世界の人々はチート対策しているのだろうか?

 いや、していないだろうな。

 来訪者なんて、普通は一生出会うことがないくらいのレアキャラだから。

 出会ったら天災にあったと諦めるほうが早いのだろう。

 だが、ここ最近来訪者が増えてきているような気がする。

 さすがに対応策をとらないと勘違いチート野郎が勢力を持ってしまうことになるぞ。


「そんな…。俺はどうなってしまうんだ…」

「ここで死刑、留置場で死刑、尋問・拷問のあと死刑…。どれがいい?」

「い、いやだ!俺は死にたくない!許してくれ!誰も被害者なんていないじゃないか!助けてくれよ!」

「・・・・・」

「いやだやだやだやだ!お、俺は…。うわああああぁぁぁ…」


 ここで『イトウさん』打刀の刃の部分だけ反射させるように光らす。


「ひぃっ…」

「…覚悟は、出来たかな?」


 ガチガチ歯を鳴らしながら震えている。

 顔は涙と鼻水と涎で汚いことになっている。

 下は…何も言うまい。


 オレも性格が悪いね。

 徹夜2日目に入りそうだからナチュラルにハイになっているんだ。

 そろそろお芝居は終わりにしよう。


「そこで提案がある。条件付きで見逃してもいいと思っているんだ」

「は…はい…」

「実際、君が犯人だと気づいているのはオレしかいない。オレが黙っていたら今は問題ないんだよね」

「はい…」

「でも衛士の間では特別資料室の周りをうろついている不審者がいると騒がれているんだ。今は容疑者は見つかっていないが、普段から最強と言いふらしている君だ。秘匿資料に記されている魔法を欲しているのが君だと気づく人が出てくるかもしれない」

「っ・・・」

「完全な容疑者から逃れる方法は…今思いつくのは二つ。死ぬか、最強じゃなくなるか」

「・・・俺、死なずに済むなら最強じゃなくてもいい!だから殺さないでくれ!頼む!お願いだ!」

「本当にそれでいいのか。君の固有スキル“超越魔力”を手放すということだぞ」

「構わない。生きていけるのなら…」

「ならこの薬を飲め。魔力封じの妙薬だ」


 オレは謎の薬が入った小さなカップをジンガの手に持たせる。

 ジンガは迷わず薬を飲み干す。


「ごくっ…。うええ苦い…。コーヒーみたいな匂いがする…」

「とても臭かったのでコーヒーの匂いでごまかしたのだ」


 もちろんただの濃いめのエスプレッソだよ。


「これで君は最強じゃなくなった。もう君は秘匿資料の魔法など求めないよな」

「はい…俺は…新しい魔法はもういらない」

「よし。あとこの世界の人間を見下すなよ。それと…」


 思いっきり説教してしまった。

 時間をかけすぎると巡回警備してくれている衛士の方がやってくるかもしれないし、マジックルームの効力も切れてしまう。

 ここまでにしておこう。


 オレはマジックルームの機能を解除した。

 もといた特別資料室の外壁がある場所だ。

 ジンガに顔を見られないように後ろに回って拘束具を外していく。


「もう君は以前のように強力な魔法は使えない。だが一般人程度の魔法は普通に使えるはずだ。生活するだけなら困ることもないだろう」

「わかりました。気をつけます。あと最強はもう目指しません」

「ん?最強を目指すのはいいと思うぞ。ただし貰い物の力ではなく自分の力だけで成し遂げようとするならね。さ、もう行くんだ。もう二度とここに近づくんじゃないよ」

「わかりました。これで失礼します」

「じゃあな」


 ジンガは去っていった。

 さて後始末だけはやっておかないとな。




 翌日、職員会議で不審者の件が話題になった。

 特別資料室のまわりで見かけた人影は猿の様な動物だったことが判明した。

 野生の動物が領都の壁を上って侵入し、広大な土地がある学院に逃げ込んでいたようだ。

 その猿の様な動物は現在捕らえられ、衛士のオリの中で大人しくしている。

 もちろんオレが用意した動物だ。

 おかげで一睡もできていない。


 魔導工学の授業はテンションが高かった。

 みんなノリノリで付いてきてくれた。

 魔導具技師のウラ話を面白おかしく脚色を加えながら話したことが良かったのかな。

 オレの父の魔導具開発秘話も披露した。

 ユーファも知らなかったのだろう。けっこう食い気味で聞いていた。

 ごめんよ。テンションが高いのは寝不足のせいなんだ。責めるならジンガを攻めてくれ。


 この日、ジンガは登校してこなかった。

 昨日のショックを引きずっているのだろう。

 オレは畑違いかもしれんが、フォローだけはしておこう。




「アリスくん!今度はむーちゃんの冒険者衣装作って!お願い!


 ようやく寝られると思っていたのに、ミカゲの『お願い』が来てしまった…。

 寝させてくれよ。

 で、どんな衣装がいいんだ?


「アリスくんの衣装と違って、水色系ベースのせくしーなヤツ!露出多めだけどそこは鎖帷子風で!」

「なんでファンタジー系の忍者衣装って男物は黒ベースで露出は目の部分だけなのに、女物は露出多めなんだろうね」

「何当たり前のこと言っているの?アリスくん。女の子の忍者は露出が多くてなんぼの世界!一説では色仕掛けがなんちゃらなんだからね!」

「よくわからんが、なんちゃらなら仕方ないか」


 オレもムツミがかわいい恰好をしてくれるなら吝かではない。

 おもいっきりかわいく、おもいっきりえっちくしてみるか。


「アリスくん、へんたいすけべえっちぃ」

「お兄ぃ、外見10歳になんて恰好をさせるつもりなの?」

『アリスが見たいならこれでもいい』


 えっちくしすぎた。大幅リテイクだ。

 徹夜明けのテンションはこんなものなんだよ。許してくれ。


 んで、いつになったらオレ、寝れるの?

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