自称天使のそいつ
「何って、キミは神なのさ」
「は?」
「だ~か~ら~、神様なのさ」
にっこりと微笑む自称天使。
なんだかとても怪しい。
目を覚ましたら知らない場所にいて、今までの記憶も一切なくて?急に頭上から羽生えたたいして可愛くもない成人男性が降りてきて・・・。
「そっか、これは夢か。もっかい寝よ」
「待って!!待ってすとーっぷ!!」
「・・・何よ」
「キミは奇想天外な事をしだすんだね・・・マスター」
「そのマスターってのやめてよ、気持ち悪い」
「酷いね!?―――――まぁいいや。取り敢えずこの件についてはギルドでお話しよう。ついておいでよ、マスター」
「はぁ?ついてくってどこに」
「僕達のギルドさ。行こうよ、来てくれればキミのルーツだって分かるはずさ!」
「気持ち悪ぃ・・・」
「相変わらず酷いね!そしてドライだね!!でも行くよマスタ・・・あ、この呼び方嫌なんだっけ?」
今まで散々マスターマスターって連呼してた癖に、急に神妙な面持ちになって考えだす。
そんだけ呼ばれてたらもうどうでもいいっつーの。
「よし、今はマスターじゃなくてケツァルコアトル。そう呼ばせてもらうけどいいのかな」
「な、何それ!?」
ケツァルコアトルって何!
あれかね、あの神話に出てくる神様なのかね!?
でも、今の私がケツァルコアトルだって言うなら後ろの羽みたいなのも理解でき・・・
「じゃーなくて!!なんで私がケツァルコアトルなの!!意味分かんないんだけど!!私は人間よ!」
「人間?あー、下級生物のヒューマンのことかい?」
「は・・?」
下級生物?
私達人間が?
何いってんのコイツ。
「私は人間よ。あんたは何なの」
「僕は天使。キミの使者さ」
「私は人間よ?」
「違うね。キミは今、人間じゃない。少なくとも【今は】なのかもしれないけれどそれはきっと、オーディンに聞かないと分かんないかな~」
「オーディン?」
「仲間の神様さ!何にでも詳しいんだ!ジャンル的には全然知識に関係ない神様なんだけどっ。取り敢えずいこーよ!!」
「いやいやいやいや、そんなマシンガントークで話されてもいみわかんな・・」
「取り敢えずレッツゴー!!」
「話聞いてよおおおおおおおおおおおおおお!!」