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うさぎさんと不思議な泉

作者: 月葉しん

後ほど登場する動物に関しては思いつきの適当なのでツッコミは無しの方向でお願いします。

 あっちの森にうさぎが住んでいました。にんじんが大好きで、家の前にはにんじん畑があります。もちろんこのうさぎが育てたものです。毎朝のことですが、朝起きると畑からにんじんをとってきて、新鮮なにんじんジュースをつくります。

 にんじんジュースとパンを食べたうさぎ、今日はピクニックに行こうと決めていました。

 昨日雨が上がった後に綺麗な虹を見たのです。綺麗な虹は森の奥に向かってアーチを描いていました。天から降りてきた七色の光がきらきらと輝き、森の中心へとうさぎさんを誘っているかのようでした。

 森の中心へはまだ行ったことのないうさぎでしたが、夢のなかで虹の輝きがおいでおいでをしているのを見たのです。そこで目が覚めたうさぎは今日、森の奥へ遊びに行くことにしたのです。

 うさぎはリュックにお弁当のにんじんサンドと水筒を持って出かけていきました。

 森の中を進みます。


 うさぎは ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。

       ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。


 切り株に座って一息ついて。心地よい風におひげをそよそよ。楽しそうな小鳥のおしゃべりに耳をぴんとたてて。


       ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。

       ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。


 森の中のぽっかりと空いた場所。

 とうとう「そこ」につきました。

 

 そこには一面の花畑が広がっていました。七色の花じゅうたん。とてもいいにおい。

 うさぎはお花たちをうっとり眺めました。足を踏み入れるのがもったいないくらい綺麗です。

 夢見るようにうっとり眺めていたうさぎでしたが、おなかから ぐ~っ とからっぽの音がして目をぱちくり。高く昇ったおひさまは、うさぎに「お昼の時間ですよ」と教えてくれます。

 そこでうさぎはにんじんサンドを食べることにしました。ロールパンににんじんソテーを挟んだお弁当はとても美味しくてあっという間にたべてしまいましたが、お水が飲みたくなりました。だけどうさぎは水筒に水を入れるのを忘れてしまって、飲み物が何もありません。

 七色の花畑を見ながらお水が飲みたいな~と思っていたときです。そよ風が吹いて花たちが水面のように揺れました。


 きらきらきら。

 きらきらきら。

 

 花畑の端から小さな小さな七色の光が走っていきます。


 きらきらきら。

 きらきらきら。


 きらっ。


 花畑の真ん中で何かが光ったような気がしました。


 うさぎは耳を立ててみました。

 うさぎは鼻をひくひくさせてみました。

 でも何も感じません。

 風の音で聞こえないのかもしれません。

 花の香りでわからないのかもしれません。

 

 きらっ。


 また花畑の真ん中で何かが光ったような気がしました。


 数歩花畑に入ってみました。

 うさぎは耳を立ててみました。

 うさぎは鼻をひくひくさせてみました。


 あっ!


 うさぎの耳はぴちょんという音を聞きました。

 うさぎの鼻は冷たくて気持ちのよい香りをかぎました。


 水だ!

 うさぎはお花を踏まないように花畑の中に入っていきました。

 すると花畑のまんなかに、小さな小さな、水溜りのように小さい泉を見つけました。きらきらとしたその水はとても澄んでいて、さわやかないいにおいがします。覗いてみると底はとても深くて吸い込まれそうです。

 うさぎは片手を水に濡らしてなめてみました。とっても清々しくてほんのり七色の花の香りがします。

 こんどはその小さな両手ですくってこくんと飲んでみました。含んだ水は口の中できらきらとはじけて、すっとうさぎの体に入っていきます。すると体の疲れがどこかにいってしまいました。 

 うさぎは空の水筒をその水でいっぱいにして持って帰りました。


 

 次の朝、いつものように朝ごはんを食べたうさぎは、にんじん畑に水をあげようとジョウロに水を汲んでいました。そこでふと、昨日の水をあげてみたらどうだろうとおもって、ジョウロの水に混ぜて撒いてみました。すると葉がいつもより、つやつや生き生きしているように見えます。

 うさぎは嬉しくなりました。もし毎日泉の水を撒いてみたらどうなるでしょう。きっとすてきに美味しいにんじんが取れるにちがいありません。

 それからうさぎは毎日湖で水をくんで、畑にまきました。

 にんじんはどんどん元気になっていきます。

 にんじんはぐんぐん大きくなっていきます。


 そして収穫のとき。

 うさぎが一本抜いてみると、にんじんはオレンジ色のぴっかぴか。一口かじるとふわりと香りと美味しさが口の中いっぱいに広がっていくのです。こんなに美味しいにんじんを食べたのは初めてです。うさぎはお友達と食べたらもっと美味しいに違いないとおもいました。だから明日にんじんパーティをすることにしました。


 うさぎはみんなを誘いに出かけます。


 うさぎが ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。

       ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。


 ねずみさんのうちにつきました。扉をとんとんとんと叩くとねずみさんがチューと出てきました。

「明日にんじんパーティをするからきてね」

「やあたのしみだなあ。じゃあチーズを持っていくね」


うさぎが ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。

       ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。


 ねこさんのうちにつきました。扉をとんとんとんと叩くとねこさんがニャーと出てきました。

「明日にんじんパーティをするからきてね」

「やあたのしみだなあ。じゃあオイルサーディンを持っていくね」


うさぎが ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。

       ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。


 いぬさんのうちにつきました。扉をとんとんとんと叩くといぬさんがワンと出てきました。

「明日にんじんパーティをするからきてね」

「やあたのしみだなあ。じゃあハムを持っていくね」


うさぎが ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。

       ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。


 子熊さんのうちにつきました。扉をとんとんとんと叩くと熊さんがぬっと出てきました。

「明日にんじんパーティをするからきてね」

「やあたのしみだなあ。じゃあ蜂蜜を持っていくね」


うさぎが ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。

       ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。


 リスさんのうちにつきました。扉をとんとんとんと叩くリスさんがひょっこりと出てきました。

「明日にんじんパーティをするからきてね」

「やあたのしみだなあ。じゃあクルミパンを持っていくね」


うさぎが ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。

       ぴょんぴょこぴょん ぴょんぴょこぴょん。


 子トラさんのうちにつきました。扉をとんとんとんと叩くとトラさんがしなやかに出てきました。

「明日にんじんパーティをするからきてね」

「やあたのしみだなあ。じゃあサラダを持っていくね」


 明日はお友達がみんな来てくれます。

 家に戻ったうさぎはぴかぴかのにんじんでジャムとゼリーを作ってから眠りました。


 朝早く起きたうさぎは、みんなでたべようと、ぴかぴかにんじんの収穫です。大きなカゴににんじんを入れていきます。そこへみんながバスケットを持ってやってきました。


 チューチューチュー。ねずみさんがやってきてお手伝い。

 にゃんにゃかにゃん。ねこさんがやってきてお手伝い。

 わんわかわん。いぬさんがやってきてお手伝い。

 ががおがお。子熊さんがやってきてお手伝い。

 きっきゅるっほろっ。リスさんがやってきてお手伝い。

 にゃーぎゃーにゃー。子トラさんがやってきてお手伝い。


 お外にテーブルを用意して、あっという間にパーティのしたくができました。

 みんなで持ち寄った食べ物とぴかぴかにんにんでテーブルの上はいっぱい。にこにこ顔のお日様に見守られて、みんなの顔もにっこにこ。にんじんジュースで乾杯して、おなか一杯いただきます。


おしまい。


絵本を読むのが面倒で、思いつきを行き当たりばったりデタラメに物語を作って語った結果の産物。あと三話ほどあるのですが、結構前の話なので概要しか覚えてなくて文章化は一話目のみでの放置物件。それなのに何年経っても今だに「続きはッ!」と身内につつかれるシリーズ。……うさぎさんは気ままな世界一周の旅に出ていて取材デキマセン。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まさにちっちゃい子が好む、児童文学。 絵本にして欲しいです [気になる点] うさぎさんが気ままな世界一周の旅にでて取材不可なところ(≧∇≦*) [一言] 身内の方が続きをせがむ気持ちがよく…
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