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JKグレーテリング症候群 消失ショート2

作者: 羽生河四ノ

その1で書き忘れたことがあったのですぐ投稿しました。あとがきに書きます。

 私の鼻血が止まらない。

 私は子供の頃からよく鼻血を流していた。私の友達等は私と遊んだ記憶より、私が鼻血を出したことの方をよく覚えている。そんな感じだ。実際、鼻血噴出の写真が家のどこかに残っているかもしれない。親があまりに頻繁な鼻血噴出をする我が子にいつしかそれを心配しなくなったからだ。

 それは私にとってもそうだ。鼻血は既に私の一部分になっている。どんな外的要員ないし内的要因があるかはわからないが、時たま鼻血は私の体内から排出される。そこに規則性は無い。ある時、鼻血は訪れる。歩いていて赤信号に引っかかるように私は鼻血に出会う。曲がり角で偶然人にぶつかりそうになるように私は鼻血にぶつかる。

 子供の頃「ヤバイヤバイ、体中の血液が無くなってしまう、宇宙人にさらわれる牛にたいに」と自身の事を心配していた。だから鉄分とかほうれん草とかを乱暴に食べたりしていた。だが、私はいつしかそれも止めた。馬鹿馬鹿しくなった。私はこれまで一度として貧血になって倒れたりしなかったからだ。学校で毎週ある意味の分からない、時間の無駄と思える様な全校集会等で倒れる事も出来ない鼻血などにいつまでも期待を寄せるというのが無理だろう?そうだ。私には無理だった。

 鼻血はそういったこととはまるで関係が無いらしかった。当然の様に出た。朝は起きるのが当然。そんな感じで鼻血は出た。歩くと前に進む。そんな感じであった。


 私の手足が長くなってきた頃、それは学校の帰り道での事だ。私はその時文庫本を読みながらいつもの道を帰っていた。私はその時鼻血を垂れ流していた。止血もしない。面倒くさい。どうせまた出るのに資源の無駄である。それに私は17年の鼻血との共同生活の成果で見事に本への鼻血被害を避けることが出来ていた。当然服などにも鼻血は付着しない。そんなヘマはしない。確認はしていないが鼻血は地面に点々と落下痕を印しているのだろう。

 文庫本の一章を読み終えたとき、ふと誰かに呼ばれた気がした。私が後ろを振り返ってみると、そこには鼻血落下痕が点々と続いていた。すごく意外だと思われるかもしれないが、今まで私はその光景を見たことが無い。不思議な光景だった。自分の鼻血がアスファルトに点々と続いている。そしてそれが曲がり角の先まで続いている。その先にある鼻血噴出地点まで延々と。それは私にとって生まれて17年で初めての光景だった。

 私は文庫本をカバンにしまうと、地面についている点々をたどることに決め、歩き出した。何故なのだろうか?自分が鼻血を出したところに戻るだけなのにだ。

 しかし、鼻血はなかなか尽きるとことが無かった。私はそれを不思議に思いながらもその規則正しい点々を追った。途中で顔などあげずに、ずっと下を向いて私は鼻血を追った。

 どれ位歩いたのだろうか?すっかり閑散とした、寂しげな裏道に私は居た。鼻血は目の前にあるドアのところで途切れていた。まるでドアから私は出てきたみたいだった。私は疑わずドアを開けた。その先にも鼻血は続いていると思った。

 私はそうやって世界の枠組みから離脱した。今の私は今まで自分が居たところとは全く別のところに居るらしいと聞いた。

 今まで居た世界の事も気にはなったが、正直、もう自分には関係ないことのように思えた。

 私は今、毎日本ばかり読んで暮らしている。

自分では誤字脱字とかわからないので、気づいたら言ってください。是非。何がよくて何が悪いかもわからないので、是非知らせてください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 良いですね、こういうの❗日常ほのぼの私小説から、異界に迷いこむ感じが好き。ホラーですのね。鼻血を辿って、扉を開いた先はーー怖くもあり、楽しくもある。不気味な幸せ感が素敵ですね。.:*:・'…
[一言] 今までにない不思議な世界観と淡々とした語り口調に惹かれました。続き頑張って下さい。
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