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第3話

僕はしょうがなく一人で歩いた。

はぁ…。

せっかく待ってたのに先に行くなんて、由宇のバカ!!アホ!!悪魔!!ペチャパ…

『なんか言ったかなぁ??隆弘くん』

『え…？

ぎゃあぁぁあ―…!!』

なななななんで先に行った由宇がここに!!しかも僕の心読んでるし!!

『由…由宇??なんで戻ってきたの…??あの速さだったらもう着いてる筈なのに』

………。

ハッ!!

…まさか僕の為に待っててくれたとか!?

へへッ!!

いいとこあるじゃん!!さすが僕の好きになった由…

『あぁ。今日新作ゲームの発売日だったの。お見事ゲット!!』

ふ、ふぅん…。だから早く起こせって言ったのね。納得納得。まぁ期待はしてなっかったしね!!

ハハ…。

『あっそうだ忘れてた!!はい。コレ。』そう言って渡されたのは僕の財布だった。

中身を見てみる。

…って、ヲイ!!!!!

お札千円しか入ってないよ!?昨日までは八千円入ってたのに!!

『ごめんごめん。今のあたしの小遣い500円しかないんだぁ〜』

…多分そのお金はもう二度と戻ってくることはないだろう。

『本当ごめんね』

と由宇は笑顔で僕に言った。

はぁ…その笑顔は反則ッスよ由宇さん。怒れるわけないじゃん…好きになっちゃったんだから。

由宇ははっきり言ってとってもかわいい。だから本性を知らない他校の人からはモテモテ…。

学校ではその乱暴な性格で男子からある意味敬われ、女子後輩から『姐さん』と言われるほど学校中で有名だ。

しかし由宇はなぜか彼氏を作らない。

まぁあの性格で男が寄り付くワケないか…。

…気になる…。でも僕達はお互いに恋愛の話をしたことがない。てか僕がそんな話にしようとすると首を絞めてくるから口にすることができない…。

由宇は初恋をしたことがあるのか??それが誰なのか気になる…。

あぁ…僕の恋は前途多難です…。