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年相応の笑顔

 「さて、そろそろ調査員が突入してくるはずです。あとは大人たちに任せて王宮に戻りましょうか。殿下はどうします?」


 「私は残ろう。これでも第一王子だからな。権力に物を言わす輩には役に立つ立場でな。」

 ニヤっと意地悪そうな顔をした。


 「さすが殿下ですね。私も安心して戻れます。」


 なんだかんだ言ってもこの二人は信頼し合っているように感じる。












 ◇◇◇◇









  


 「やってられるか!!このままじゃ処刑されてしまう、アグリーのことは惜しいが今は自分の命が大事だ。」

 裏口から出ると人気のない道を急いで移動する。


 「おや?テリブル伯爵じゃないか、どこへ行くというんだ?」


 声の主へと視線を向けると、誰もが見惚れるような笑顔を浮かべこちらに歩いてくる。


 「――こ…これはこれは、かの有名な《天空の剣神》様がなぜこの様な場所へ?」


 「あぁ、どこかのゴミが娘の命を狙ってね。それだけでも殺してやりたいぐらい腹が立つんだが、そのゴミは不相応にも娘の婚約者筆頭にも手を伸ばしだしたんだ。すぐに処理をしようと思ったんだが隣国の虫が湧いてくるんで、おかげで虫処理の仕事で大忙しさ。」


 「そ……それはそれはご苦労様です。申し訳ないですが私は今から少し行くところがありまして……。」

 ペコペコしながらゆっくりと移動しだす。

 クソ、ついてない。なんで仕事が忙しいなんて愚痴を今聞かないといけないんだ。家格のせいで無下にも出来ん。


 「旦那様……まだです。」


 「――ヒィ!!」


 エリクの剣がテリブル伯爵の首元に突き付けていた。


 「シーク、なぜだ。こんなゴミこの場で処理すればいいだろう。」


 「国王陛下が生存状態をお望みです。」


 「チッ」


 「なぜです!私は関係ないでしょう!!なぜ私がこんな目に合う……ひぃいいい!!」

 その瞬間、エリクの殺気をまともに受けて腰を抜かす。 


 「……銀色の豚を殿下に献上しただろう?」


 「は…はい!!あれは……アグリー…娘が私の為に用意してくれたものです。」


 「私の娘が禁術で豚にされていてね……銀色のね。」


 意味がわかった瞬間、テリブル伯爵の顔が真っ青になり血の気が引いていく。

 隣国が急に連絡取れなくなったのも、全てさっきの話通り虫として処理されたからだ。全てバレている。このままではどちらにせよ処刑されてしまう。


 「今すぐ処理をしてやりたいのを我慢しているんだ。手元を狂わせるようなことを言うなよ?」


 そんな心を見透かすように釘を刺されたテリブル伯爵は絶望に項垂れた。












 ◇◇◇◇





 王宮に戻ってくると、用意された部屋にクレバーと二人っきりになる。


 そう……クレバーの膝の上に座りながらね!! こんなに広い部屋だから向かい合って座ればいいのに……。


 「さっきはごめん。アイリスは薬のせいでおかしくなっていただけなのに。」

 ギュッと抱き締められる。 後から聞いたけど、私の頭からかかった水っぽいやつが前に護衛さんがやられた媚薬だったらしい。 微量だったからそれに気付いたフェクト殿下が治してくれたんだって。


 「私の方こそ、王族に粗相しちゃって……。クレバーは悪くないから謝らないで。罰があるなら私がちゃんと全部償うから!!」


 「僕は汚いんだ。アイリスが殿下を好きになって婚約者に選んだのかと思って……。僕は何も知らないアイリスにつけ込んで婚約者になったから、選んでもらったと思うと悔しくて……。」


 泣きそうになっているクレバーの背中に手を回し、抱き合う状態になる。


 「んーん。最初はどうであっても、私はクレバーが婚約者でよかったって思ってる。クレバー以外の筆頭はもう考えられない、だからこれからもよろしくね」




 「ありがとう。」




 そう言って笑う顔が初めて年相応に見えてドキッとした。

遅くなり申し訳ないです_(._.)_

忙殺されており、しばらくまた投稿が遅くなります(;・∀・)


気長に待っていただけると嬉しいです(´;ω;`)

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