そう、それは赤子
――100点取るなんて、ブスのくせに。
そんなのわかってる。だから勉強するしかないの。
――――愛衣は可愛いわね。さすが私の娘。
家族だからそう見えるだけ。私は理解してるつもり。
――付き合ってほしいんだ。でも周りには言わないでほしい。
知ってる。誰でもいいんだよね。馬鹿にしないで。
――――愛衣。次はピアノを習いなさい。
やっと苦手な武術で優勝したんだよ?なのに次。次が迫ってくる。
――いつも見てくるから俺に気があるんだろ?
違う。そういうつもりじゃない。こわいだけなの。
――――愛衣。今度の休日に大商事の息子さんと食事がある。愛想よくするんだぞ。
嫌だ。私の人生勝手に決めないで。恋だって知らない。知らない人と結婚なんてしたくない。
――愛衣さんですよね?やっと……やっと手に入る。
ヤメテ。触らないで。こんな人生うんざり。
違う。違う。みんな違う。本当の私を見てくれない。本当はこんな性格じゃない。優秀だからって幸せなわけじゃない。笑っているからって楽しいわけじゃない。私は都合の良い人形なんかじゃない。何をしても駄目。何をしても褒められない。もう嫌。こんな世界嫌い。みんな敵――。
――――それならいっそ――――。
◇◇◇◇
あれ?ここはどこだろう?狭いなぁ。暗いなぁ。なんか暖かい。このままゆっくりしたいなぁ。
「――――ぃ――ぁ」
ん?なにか聞こえる気がする。あっちかなぁ?こっちかなぁ?手も足も動かない。何回もモゾモゾしていると光が見えてきた。すると急に頭をガシッと掴まれたかと思うと引っ張られる。
――ちょっとまっ――
眩しくなったかと思うと急に目の前に影が差し込むので見てみる。
『ギャーーーイケメーーン!!』「おんぎゃあああああ」
展開が遅いかもしれませんが、読んでいただきありがとうございます!!