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テリブル伯爵家のお茶会②

 「いつまでコソコソしてんのよ!!モテないからって彼を独占しないでちょうだい!!」

 豊満さんが喚きまくっていた。 ク…クレバーが頬にキスとかするから存在を忘れちゃってた……。


 モテないのは事実かもしれないけど、人を物扱いするようなやつに馬鹿にされる筋合いはない。


 それにしてもなんでこんなにもクレバーに執着するんだろう。婚約者が10人以上いてそうだし、もういいんじゃないの……? それとも見目の良い好みの男性を集めてコレクションしたいとかでも思っているタイプなのかな。


 「なぜクレバーを欲しがるのですか?あなたには婚約者がたくさんいるじゃないですか。」


 「彼が私を愛しているからよ!」



 ――はっ??



 クレバーを見ると表情がスンッとしている……。 わかる、わかるよ。私も今同じ気持ちだと思う。


 「あの…なぜクレバーに愛されていると思ったのですか?」


 「あら、聞きたいのかしら。まぁ、特別に教えて差し上げるわ。私達の愛が生まれた日のことを。」

 急にご機嫌になった豊満さんに比べてクレバーの機嫌は急降下している……。


 「あの日はそうね……。雨が降っていたから憂鬱な気分を変えるために馬車に乗って買い物に行ったわ。そしたら、雨に濡れたクレバー・ジーニアス様を見つけたの。」


 ふんふん。意外と出会いは普通だった。 雨に濡れたクレバー……。 水も滴る良い男になっていそう……。


 「ここで会うだなんて、雨に濡れてまで私に会いたくて待っていたのよ!! だから声をかけて差し上げたの。『私の馬車に乗ってもよろしくてよ』と。 クレバー・ジーニアス様は同乗を断って雨の中走り去って行ったわ。誘いを断るだなんて、私が濡れて体調崩すと思って気を遣ったのね。なんて優しいのでしょう!!こんな気遣い初めてだったわ。 これは婚約者にして差し上げなければ!!と。 こうして私達の愛が生まれたわ。」



 ――いやいやいやいや!! 急に自意識過剰!! ポジティブすぎて厄介!!



 「いっつもつれない態度をしていたのは裏であなたが彼を束縛していたのね。可哀想に……。でも、愛する方が別にいても婚約者を大事にする誠実な所も素敵……。」


 これは何を言っても「照れてるのね」ってなるタイプだ……。 クレバー、お疲れ様です。


 「だからさっさと婚約を解消して彼を渡しなさい。」

 

 アイリスが呆れて黙っていると、クレバーが豊満さんに視線を合わせた。

 「アグリー・テリブル伯爵令嬢、申し訳ないのですが私は気持ちに応えることは出来ませんと何度も申したはずですが……。」


 「この私の目は誤魔化せないわよ!鶏ガラにどんな弱みを握られているのかしら?私が守ってあげるわ!!」


 「私は彼女を、アイリスが好きです。彼女以外は興味がないのです。」


 キャーーッ!突然の告白!! そんな堂々と言われると照れちゃう……。 私はまだクレバーのこと好きかわからないのに申し訳ないな……。


 「まあ!そう言えって言われているのね。大丈夫、あなたのことわかっているわ。」


 やっぱり!ぜんっぜん話が通じない!! クレバーもため息をついて黙ってしまった。


 「そこの」

 豊満さんは扇子で1人の男性を指し手招きした。


 「彼を貸してあげるわ。ほら、早く鶏ガラの方へ行きなさい!!」

 彼の背中をヒールで蹴り飛ばした。


 あり得ない!! 暴力振るうなんて!! 男性は蹴り飛ばされた勢いで近くまで来ていた。


 「それ以上アイリスに近付いたら許さないから。」


 クレバーが無表情だけど、すごく怒っているのがわかる。


 「そこまでアイリスが嫌でしたら、もう失礼させていただきますね。」

 そう言ってクレバーは私を抱き上げて歩き出した。


 「――ッ待って!!わかったわ!! もうこんなことしないわ。せっかくだもの、お茶会楽しみましょう。ふふ。さぁ、お茶の用意をしてちょうだい!!」


 なにこの変わり身の早さ。 急にすっごいニコニコしてるし……。



 「アイリス、なにか帰ってほしくない理由があるのかもしれない。気を付けて。」



 豊満さ~~ん!! こんなわかりやすい態度やめてよおぉぉぉ!!


 わかりやす過ぎますね(笑) 


 ブックマーク、いいね。ありがとうございます(*^^*)


 次回の更新も頑張ります!

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