60話 東の都市エスト
はてさて。
ペラの街で一時覚えた違和感というか杞憂みたいなもの。
それが本当に杞憂だったのか、それともまだなだけなのか。
少なくとも今はまだ何ともない……と思う。会話もいつも通りであるし、フィリアの様子だってさして変に思うところはない。
けれども、あの時ペラのギルドで感じたそれが気のせいで片付けていいモノかもまだ判別できない。
考えすぎて変にギクシャクしては元も子も無いよな……。一旦忘れた方が良いだろうか。
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「ここが……エスト!?」
まずもってここまでたどり着くまでの道。舗装がしっかりされていてタイルが敷き詰められている。そして城壁は高く、堅固な印象を与える。
国境を越えた際に見たソレとあまり大差ないように見える。都市街というだけあるか。
「私も来たのは初めてですけど……こんなに発展してるんですね」
何より建物が高い。そして人が多くて、なんだか綺羅びやかな印象がある。
見るものすべてに圧倒されて思わずあたりをキョロキョロしてしまう。まるで東京に来た田舎者みたいだな。
「と、とりあえずギルドに行きましょうか? ストレージの整理しないといけませんし、ミヤトさんの目的にしていた異世界人についての話もなにか分かるかも」
「ああ、うん……なんか旅の中で色々ありすぎて少し忘れかけてたけど……」
ツンデレ冒険者助けたり病床に伏す人の親を助けたり男性恐怖症のヒーラーを助けたり……助けてばっかだな。
「早いとこ情報集めて宿る行こっか。少し天気が怖いし」
今日のところは曇り空。空を見上げた時にそのバカでかい建物とともに空一面の雲もとい曇りが目に入った。
兎にも角にもその異世界人とやらの情報が皆無であるので集める所からだな。ならばギルドか。運が良ければギルドでそのまま情報を得るなり、なんなら異世界人とやらに会うことも叶うだろう。
「……ギルド、どこだろう」
知らない街且つ詳細地図のないところとなると中々困る。トランキーロはそこまで街も大きくなく、ギルドはすぐに見つかった。ペラの街も殆ど同じだった。
しかしエストほどの広さとなると街の中で迷子になりかねないな。
せめて看板とかがほしいか。理想を言えば街の中の地図だが。
「それならもうそのへんの人達に聞いちゃいましょうか」
そういうとフィリアはそそくさと近くの人に近づいていった。こんなにバイタリティあったろうか、とか色々考えつつその後ろをついていく。
そもそも話しかけられたとて、その情報をもとに彼女がギルドまでたどり着けるか、というと否定せざるを得ない。
「ありがとうございます」
フィリアが頭を下げるのにあわせて同じように軽く会釈をする。
そんなわけで手に入れたギルドへの道のり。その情報を元に歩いていった。
「異世界人……ってどんな人なんだろう」
ここでいうどんな、とは概念的な或いは内面的な話じゃなくて見た目的な話である。体格に格好にエトセトラ。そうした判断材料がなくては少なくとも見た時に判断するというのは難しいわけで。
「さぁ……私も本当に、この街にいるらしいってことしか聞いてないので」
こればかりは俺の運命力にでも頼る他無いか。何かしらで情報の一つでも手に入りますように。
話している内にギルドにたどり着いていた。アイテムの換金と一緒に受付職員に話を聞いてみるか。




