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59話 ようやく出た街より

「お昼出来ましたよ~」

 彼女との会話を繰り返しているうちに、そんなことを言ってフィリアがやってきた。あまり気にしていなかったけれど、もうそんなに時間が立っていたという事か……。いつの間に。


 さて、フィリアたちがそうして食卓に並べてくれたのは……芋だろうかコレは。料理に疎いので材料くらいしか判別ができない。

 潰してから固めたであろう芋にホワイトソースがかかっている……けど本当にこれは一体なんだ?

「多分こっちの方じゃあまり馴染みがないかしらね? これはツェペリナイって言って……まぁ簡単に言うと芋の中にお肉とかが入ってるのよ」

 という事らしい。ツェペリナイってなんだろう。

 言語認識のお陰で言葉は自分に分かるように変換されるはず……なんだけど、もしかして変換された上で出力したのが今の言葉ってこと?


 まぁしかし調理方法を聞く限りはそんな変なものではないだろう。芋と肉とホワイトソースだし。そんな訳で早速一口運んでみる。

「おいしい……」

 芋自体の食感は柔らかく中にある肉との食感が良い。芋と肉という組み合わせであるけれど、ソースのおかげだろうか、そんなに重たいとも感じない。もとの世界に居たときでも食べた記憶のないものではあるけれどおいしいな……。

 ツェペリナイか……語感からもイマイチぴんとこないけどスマホが生きてたら何かどこかの国の料理として出てきたんだろうか。


「そう? ちょっと珍しい料理だから心配だったけれど……」

「ほんとにおいしいです! それに作り方教えてもらっちゃって……」

「そんな、教えただなんて程の事してないわよ~! フィリアちゃんがの呑み込みが早いだけよ」

「て、照れますね……」

「やーっぱり、いいお嫁さんになれるわよ」

 あはは、と楽しそうに笑っているし、フィリアもやはりと言うべきか、それに対してまんざらではない様子である。男なんだけど、まぁフィリアで良いかとなる人間は存在しそうだな……。


 そうして時間は流れていく。


 ■


 昼だけ、という予定だったのだけれど、その後の片づけやら何やらを含めて思った以上に遅くなってしまった。

 食後の片づけやらを軽く手伝っただけでさらには手土産まで渡される始末。こりゃまたペラにちゃんと戻ってこないといけないな。


「これは……おやつかな」

「そうですね、なんだか悪いですね……こんな良くして貰っちゃって……」

「ほんとに……恩返せるかな……」

 返しに行く度にさらに良くしてもらいそうな気がするけど。


 最後に軽く、荷物のチェックだけ行う。

「うん、大丈夫そう」

「それじゃあ、行きましょうか」

 いざエストへと。


 とても長く続いたように感じるペラでの日々を経て。

取り敢えず1月でこん章は終わりです。

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