表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜

作者: すみ いちろ

月光


虹色の波紋


色彩の渦巻き


左回りに回転する夜



透けているのか


うすくなった白さ


銀色の光


照らし出された地面の影


もそりもそりと動く


街灯の寂しさをたよりに


なんでもない灰色のアスファルトを這う


コンクリートは ひんやりと


昨日の雨を染み込ましている


月光


うすい虹色の輪っか


昨日まで悲しみ(こぼ)してた雲


今夜は煙みたい 消えて無くなる


山が呼ぶ


海が呼ぶ



影たちを呼ぶ


かけめぐる


消えてしまったなにかを


無くしてしまったなにかを


あてど無く彷徨う 迷う 求める


咆哮(ほうこう)


月光


照らしだす波間の光の僅かな反射


目の前から遙か沖まで


うねる


黒い塊


影たち


左巻きに回転する雲


呼んでいる


月光


虹色の波紋


海面が光る


呼ばれた夜の灯火


灯された松明(たいまつ)


山の中をかけめぐる鬼火


ひそやかな月明かり


空と海と山と影たち結ぶ


ゆりかごの中の眠り


海に沈む


山に沈む


目を覚ました もの影たち


呼ばれる


月夜


うっすらとかかる虹色の明かり


菩薩のよう


(ほお)に涙こぼる微笑み


(ほの)かな夜の月明かり


呼んでいる


目を覚ました もの影たち


もそりもそりと


月の明かりに動きだす


闇夜に抱かれた


月光の菩薩


暗闇ぬらす月夜の微笑み




























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] はっきりとした月明かりではなく、 夜闇にそうっと降る月光が思い浮かびました。 幻想的で、どこか温かい。 素敵です。
[良い点] この詩、好きです。(*´ー`*)
[良い点] 月の光は幻想的で良いですね。 夜ということで静謐感もあります。 月光に照らされる情景を肌に感じられました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ