第2話 僕達の関係
こんにちは勝兎です!何とか2話目を更新することができました。自分にここまでモチベーションがあった事に驚きですw 正直1話目で満足して更新することは無くなるだろうなと思ってましたw けれどこの話の続きを自分自信が描きたくなり、2話目の更新にこぎつけることができました!それでは、なんとか続いたモチベーションで描いた第2話です!誤字脱字、謝った用法があるかもしれませんが、今回も生暖かい目でどうぞ!
阿部夏希と出会った後日の授業中、僕は少しばかり焦っていた。そう、何を隠そう、教科書を家に忘れてしまったのである。教科書を探している最中、他の授業の教材は持ってきているのを確認できたのだが、なぜか今現在行われている授業の教科書のみ、僕は家に忘れてきてしまったらしい。しかも現在、先生に言われて、左前に座っている生徒から順に教科書の音読をしている最中だ。くそっ…僕がくじ引きで左窓際の席を勝ち得てしまったばかりに…そもそも教科書を忘れなければいい話なんだが…というか何でこの教科だけ忘れたんだ…といったような反省が脳内で繰り広げられている中で
「あれ、もしかして教科書忘れちゃった?」
と右隣の席から声がした。そう、先日席替えで隣同士の席になった夏希からの救いの声だったのだ
「あ、ああ…」
…何とも情けない声を出してしまった。すると夏希は
「私も忘れちゃったんだー、お互い様だね」
お前も忘れたんかい!…危うく口に出してツッコむところだった。…仕方ない話したことは無いが後ろの奴に借りよう…
「はい、次岡本」
と先生からタイムリットが告げられた
「すいません。教科書忘れました」
僕は潔く白状することになった
「さっきはごめんね。私が教科書を持ってきてたら貸してあげられたんだけど」
先の授業終了と同時に夏希が声をかけてきた
「あ、いやいや!夏希が謝る必要無いって!俺が忘れたのがいけないんだ。それに忘れたなら忘れたで、授業前に他の人に借りれば良い話だったんだし!」
「うん、けどまあ忘れたのはお互い様だしね。今回はどっちも悪いってことで」
そう僕を慰めてくれる姿はまるで仏様のようだった
「ふふ…」
夏希は少し顔を逸らして微笑する
「ん?何が可笑しいんだ?」
「いや…ふっ…ごめんねっ、その…ふふっ、私も教科書を忘れたことを知った時の慧斗君の顔が…可笑しくて…うふふっ」
と、夏希の笑いのエンジンが徐々にかかっていく
「だってあのタイミングで話しかけてくるってことは、夏希が教科書を忘れた僕に貸してくれる流れだったじゃん!?…ハッ!?まさか夏希、本当は鞄の中に教科書が入ってるんじゃないだろうな…僕のリアクションが見たいがばかりに」
だとしたら夏希は相当な小悪魔系女子だぞ…
「あはははっ…。ふふ…ふう…ううん。私も教科書持ってくるの本当に忘れてるよ。なんならカバンの中見てみる?」
「いや、いい。まあでも夏希のそんなに笑う姿が見れたのだから今日は教科書を忘れて良かったぜ」
「ふふっ何それ。慧斗君って意外と変なこと言う人なんだね」
どうやら冗談と受け取ってもらえたらしい。まあ半分冗談ではあるが、半分本気でもあった。
「そうだな。よく茜…僕の友人にも言われるんだ。僕は心を開いた人には冗談をよく言うんだって」
「へぇ…そうなんだ。それじゃあ私にも少し心を開いてくれたってことなのかな?」
夏希は先程とは違い、少し真面目な表情をして僕に問いかける。
「さ、さっきの友人の話によるとそうなるのかな!うん…だから僕も夏希に心を開いてるとは思う…」
僕は動揺し少し答えをはぐらかしてしまった
「そっか。そう言ってくれて嬉しいな」
と夏希は真面目な表情から微笑んだ表情に変化させるが、少しするとまた先程の様な少しだけ真面目な表情に戻る。その変化に僕は身構えざるを得なかった
「私ね、中学の頃はあまり友達がいなかったんだ…」
うっ…身構えたものの、思った3倍くらい重い話が来てしまった…
「そ、そうだったのか。まあ僕も人の事を言えるくらい友達がいたわけじゃないが…」
「あ…でも!別にイジメがあったとか、そういう話じゃないよ!」
「お、おう…それなら良いんだが…でもどうして?」
「うん…私ね、さっきも言ったけれど、虐められてた訳でもないし、別に他人に興味が無いって訳でもないんだ。人と喋ることは好きだし、色んな人と仲良くしたいって思ってる。それに特に話すのが苦手ってことも無いんだ」
夏希の話からすると別に友達がいなさそうには思えないんだが…むしろ社交的にすら思える
「でもね、私、自分から人に話しかけることが苦手なんだ」
…少しその答えには疑問が残った。いやいや、教科書忘れた時、普通に話しかけてくれたじゃないか。と
「さっきの教科書の時は何だか困ってるみたいだったし、昨日の消しゴム拾ってくれた恩もあって話しかけられたんだけど…」
消しゴムを拾ったことにそこまで恩義を感じていたとは…物凄く義理堅いやつなんだな
「なるほど…何か話しかける用事やキッカケがあれば普通にコミュニケーションは取れるってことか」
「うん、簡単に言ってしまえばそういうこと。でもそれ以上に思ってしまうところが沢山あるんだ…」
と夏希は黙り込んでしまった。つまり、用もキッカケも無いのに話しかけても、嫌われないだろうか、変に思われないだろうかなどの思いが彼女の中で交錯しているのだろう。そしてそのせいで中々友達ができなかった、といったところか
「あ!ごめんね…いきなり変なこと言っちゃって…」
そう言った夏希はどこか弱々しく、先日や先程までの夏希とはまるで別人の用に見えた。しかし、彼女のその姿を目の当たりにして、僕は…
「夏希…夏希はさ、全員に好かれる人間なんていない。って考えについてどう思う?」
「…いきなり、なんの質問?んー…それは確かに正しい、って思っちゃうかな」
「だよな。僕もそう思う。それに中には、全員に好かれようとして全員に優しくする必要は無い、全員に優しくしようとするのはただの偽善者だ。強欲だ。と言うやつもいる。けれど僕はこう思うんだ。人に嫌われたくない、全員に好かれたいって思うのは無理かもしれないけど、決して悪いことでは無いって」
「…どういうこと?」
「何が言いたいのかって言うと、人に嫌われたくないってことは、そいつは人に嫌われないように色んな人に良いことをする筈だろ?だから僕は、そんなやつを偽善者だとか強欲だとは思わない。むしろ、そんなの普通に良い奴に決まってるじゃないか」
「うん…そうだね…」
「だから夏希、少なくとも僕は夏希のことは嫌いにならないよ。変に思われたくない、嫌われたくない、そんな思いを持っている夏希を僕は嫌いになれるはずがない。だから…僕の勝手かもしれないけど、せめて僕くらいには遠慮せず、用がなくても話しかけてほしい。軽く挨拶するだけでもいいし、肩を叩くでもいい。そうしたら僕が話題をいくらでも提供するし、話し相手になる。それに…もし夏希が良ければ僕からも話しかけるし…」
「ふふっ。あはははっ!」
「!?な、なんで今笑うんだよ!」
「ご、ごめんね!慧斗君がそう言ってくれて、その…凄く嬉しくなっちゃって…」
「そ、そうか…それなら良かった…」
「うん!だから今後慧斗君には遠慮無く話しかけることにした!覚悟しててよ!」
「おう!ドンと来い!いつでも、いくらでも付き合ってやる!」
こうして僕達の関係は始まったのである。
そして僕は、痛々しい台詞を吐いたことに一晩中頭を抱えることになった
今回も読み辛い中読んでいただき、誠にありがとうございました!!今回は慧斗と夏希の関係が始まる話になりました!私自身、キャラ設定はある程度決めてはいるものの、ストーリーの筋書きや、どのような終わりに持っていくか、ほとんどと言っていいほど考えておりませんw もうキャラ達に任せきりです…なので私自身も今後この物語がどのような展開で進み完結するのかを把握していません!ということで今回、キャラ達に進行を任せたところ少しシリアス展開になってしまいましたw 次回はもっと明るいほのぼのとした話にしたいな…あ、それと新キャラも出す予定です。それでは後書きまで読んでくださり誠にありがとうございました!評価、コメントしてくださると泣いて喜びます!!