ハープンの画策
謁見の間を追い出されたパープンはパープン領に帰ってきていた。
他の貴族や王族がいる中で、盛大に恥をかかされた彼は、その元凶である天羅に対して怒り浸透であった。
「くそ! あのクソガキが! いきなり現れおってそれでいてソフィアと婚約だと! 許さん! ソフィアは我息子の嫁とり、この国の国王に息子をする予定だったのに!」
優秀だと思っている息子と、聞いなり現れたどこのものかもわからない男と、どっちが次期国王にふさわしいか、あの国王は女神という色眼鏡をかけているせいでわからないのだ。
「やはり私がこの国を変えなければならぬ!」
そう勝手に思い込み、自分が救世主だと思い込んでいるパープンは屋敷に戻った。
「お帰りなさいませ。旦那様」
「おう、バルドか。ガッリオンはおるか?」
「はい。書斎にて勉学にはげんで居られます」
「そうかそうかやはり我が息子は優秀であるな!」
と優秀な息子だと確信を持ち計画に移す時と、決心する。
「同盟者たちを集めてくれ」
「かしこまりました」
「今に見ておれ! 必ずやこの国はわしが手に入れてやる!」
それから1週間ほどして、同盟者たちが集まった。
「わしの呼びかけに来てくれて感謝するぞ」
「いえいえ、我々は同盟者。同盟の主が声をかければどこへでも参りましょうぞ」
「そうですな。がはははは」
ここに集まっているのは、我がパーソン伯爵領のある北に領土をもう地方貴族たちだ。
豊かなリバレインとはいえ、北の方は荒れた土地も多く、貴族とはいえ貧しい生活をしているものもいる。
そう言ったものたちは、いまの王に不満を持っているものが多い。
そう言ったものたちを、パーソン伯爵は集め管理していた。
資金を援助し、いざとなれば自身の駒として使えるように、力を蓄えさせた。
その結果すでに、以前の北の貴族ではなく、かなりの力がついていた。
全てを合わせれば、公爵家ですら相手にはならないだろう。
その戦力を使ってどうしたいかは明白だ。
自身が王になる又は息子を王にして裏から操る。それが、目的だった。
いまの王族は娘が1人しか生まれて来ず、そのソフィアが選んだ婚約者をこの国の時期国王にすると明言しており、まずは息子を婿にするために、勉学に励ませた結果、頭は良くなったものの、パーソン家のとトレードマークであったぽっちゃりお腹は出来ず、ガリガリになってしまった。
とはいえ、その計画はいきなり現れた男によって頓挫してしまう。
故にパーソンは強硬策に出ることにした。
それが北全戦力を集めての戦争である。
とはいえ戦力差はあちらの方が上ではあるが、こちらにも考えがあった。
「パーソン伯爵。戦力の差は明白ですぞ? どうなさるおつもりか?」
「それについては考えてある。実はすでにドラグオン帝国の使者と密談の末に支援の確約をしてもらっておる。来週には物資が届くであろう。それを分配し戦いに備えるのだ」
「おぉ! ドラグオンが手を貸してくださるのか!」
ドラグオンからしたら、内戦は国力を低下させてくれる絶好の機会である。物資だけでも支援して、勝つにしろ負けるにしろ、大きなダメージを負わせることを期待している。
そう言った経緯から着々と戦争の準備は進みつつあった。
いずれ王家も我々の計画に気づくかもしれないが、その時にはもう時すでに遅し、我々は準備を終えていることだろう。
ドラグオンがこちらの力を削るのが目的だとしても、まずはこの国の主導権を握ってからでも遅くはないとパーソン伯爵は思っている。
それに王家は我々に全戦力を向けるのは不可能だろう。
なぜならそんなことをすればドラグオンが黙っておらずに、前線を押し込まれてしまうからだ。
そのため、外と中どちらも対処しなければならない王家は思う存分に力を発揮できないと言うわけだ。
己の野望が叶う時までもう少しと、パーソン伯爵は信じて高笑いしていた。
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