突入作戦
あれからしばらくしてリリアが帰ってきた。
傷もなさそうでほっと一息つく。
そして彼女の手には丸まった紙が握られている。
「ご主人様証拠を発見いたしました。ご覧ください」
俺はリリアの持ってきた書類を受け取り、開いてみる。
「なっ!」
そこに書かれた内容をまとめるとこうだ。
ドラグオン帝国に入国する際はこれを見せれば素通り出来ると、その見返りに奴隷の売り上げの2割を渡すこと。
ラビオレダ伯爵
つまりはこのラビオレダ伯爵がドラグオン帝国に入るのを見過ごしていると言うこと。
分け前をよこせば違法な事をしても自分のの領土内なら見逃してやるぞって事だろう。
確かに国の関所も入る時は検査があるけど、出る時には検査なんて無いからな。
だからこれさえあれば関所をスルーして堂々とドラグオン帝国で売り捌けるわけだ。
くそ悪徳奴隷商人が!
俺はかなり腹わたが煮え繰り返っていた。
奴隷自体俺たちの世界には無いけど、この世界の制度として成り立っているという事で受け入れる事が出来る。
だが無理やり誘拐してするのは許せるものでは無い。
俺は無線を片手に取る。
そして
「敵拠点を制圧せよ! 保護対象を優先に、敵は拘束せよ!」
俺は連れてきた部隊に指示を出した。
そして俺も後に続き中に入る。
5名1組になった隊員達はそれぞれのルートで目標を目指す。
「クリア」
「次へ行く」
隊員達は一つ一つ確認して進む。
やはり建物の1階より上はほとんど居ないみたいだ。
となると地下か?
上の制圧が終わった各隊員達は一つの階段に合流する。
目配せをして隊員を順番に下ろす。
後に続いて俺も降りる。
「くそどもが」
俺は毒突く。
そこで見たのは、檻に入れられ鎖に繋がれている少女達がいた。
口には猿轡を付けられており、自殺対策だと思われる。
俺は数名に指示を出して解放作業に移ってもらう。
その他で奥へと進む。
さっきの檻にあの時見た彼女はいなかった。
つまりはこの奥にまだ捉えられていると考えていいだろう。
角を曲がると暗い廊下に部屋から光が漏れていた。
バレないように中を覗くと、そこでは酒とカードの置かれた机に、酔っている男達がいた。
「しっかしこの商売ほんまボロいわ」
「マジっすね。誘拐して売るだけで金が入るんですもん」
「貴族も後ろにいるからドラグオンで売れば足もつかないしな」
カードゲームを興じながら男達は会話をしていた。
「殺すなよ」
俺はそう命じる。そして突入した。
ぱっん!
1発の銃弾が一人の男の足を貫く。
「ぎゃぁ」
撃たれた男はその場に崩れ落ちる。
周りにいた他二人はそれを唖然とみていた。
何が起きたのかわからないのだろう。
「やれ」
ぱっん。ぱっん。
残りの二人にも足に銃弾を放つ。
そしてその場に崩れ落ちた。
崩れ落ちた男達を隊員は拘束バンドを使い拘束して行く。
「お、お前たち、なにもんだ!」
ようやく口が聞けたのか男が聞いてくる。
「誰でもいい。それよりも自分のやってきた事を悔いたほうがいいんじゃないか?」
「何のことだ! 俺たちは何もしてねぇぞ!」
「シラを切るつもりか」
それで逃げれるとでも思っているのだろうか?ここはドラグオンではないのだがな。
「これを見てもそう言うつもりか?」
俺は先に見つけた証拠を出す。
「なっ! なぜ貴様がそれを持っている」
「それは今はどうでもいいな。よくわかっただろ?」
俺は男に銃口を突きつける。
だんだんと人に銃を向ける事にもに慣れてしまっている。
「ちっ。だが俺たちに手を出したのが間違いだったな。ここにいるのは俺たちだけだが、それを見たから知ってるだろ? 俺たちには貴族様がついてるんだぜ? それにこの街にはまだ仲間がいるからな。はっはっはっ!」
なぜか勝ち誇ったように笑う男。
「ふむ、まぁいい」
俺はふと立ち上がり二人の男をみる。
そして
ぱん、ぱん。
「なっ」
それぞれの男の頭に銃弾を撃ち込んだ。
そして先程勝ち誇っていた男をみる。
男はブルブルと震えている。
「総司令官、人質の救出完了しました」
「了解だ。では全撤収だ」
「「「了解」」」
俺の合図で隊員たちが引き上げて行く。
「俺たちは森にいる」
俺は震えている男に対し、そう呟いて後に続いた。
ざっと見渡して20人ほどの少女達がいた。
彼女達に関しては拠点に連れて行こうと思っている。
馬車に入れれば今の俺で有れば門番には顔パスだ、バレることもあるまい。
「狭くて済まないが事件が解決するまで安全な場所で保護する。馬車に静かに乗っていてくれ」
少女達は俺の指示に従って一人一人と馬車に乗って行く。
全員乗ったのを確認して、馬車を走らせ問題なく門を通過し街を離れた。
残した男が思ったとおりに動けばいいが……さてどうなるか。
あの男はこの街にもまだ仲間がいる事を口にしていた。
おそらくまだ拠点があったり、誘拐され捕らえられてる者達がいるかもしれない。
ならばと思い俺は敵勢勢力を森に誘導して叩き潰そうと思ったのだ。
そのためにあいつだけ残してやったのだ。
それとこの少女達はどうすか。
まぁうちの隊員達は結構なんでも出来るからな。どこかの小隊にでも任せようかな。
俺はそんな事を思いながら、馬車から3トン半に全員乗り換え、パジェロと走らせ拠点へ向かった。
本日は朝投稿。明日からまた2話投稿頑張ります。
執筆遅いからぴえん
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