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自衛官、異世界へ行く1

新シリーズ始めます。


「では司令、弾薬庫に行ってまいります」


「おう、よろしく頼むな」


 弾を受領し、準備を終えて弾薬庫へと警備のために向かう。

 正月も過ぎ、この季節の夜はとにかく冷える。

 この日の気温も氷点下を下回っているだろう。


 少し歩いて弾薬庫、歩哨の位置まで到着する。


「お疲れ様です。交代します」


 俺は前任者の陸士に声をかけて交代の旨を伝える。


「あ、お疲れ様です。ではお願いします」


「はい」


 定形文のような会話を終え、俺は自分の位置へとつく。


 時間は既に23時を回っており、駐屯地内は既に消灯が済んでいる。

 そろそろ回ってくるであろう当直を待つばかりだ。


「少しみまわってきますね」


 俺は一緒の弾薬庫で歩哨に付いている陸曹に巡回の旨を伝える。


 弾薬庫周辺のフェンスや鍵、壁などに異常点ないか確認してゆく。


 その時だった。


 突然地面が光輝き、俺を包み込んでいく。


「な、なんだ!」


「おい! そこから離れろ!」


 陸曹も気付いたのだろう。俺に対して叫び警告してくる。


 が、声が聞こえったときには既に遅く、俺はまばゆい光に包まれていた。





 強い光も弱まり、ようやく目も開け周囲の状況を確認する。


 周囲にはスーツや制服、私服を着ている人、パジャマの人等ざっと20人ほどの集団で状況を掴めず唖然としていた。


 俺の格好は警衛時のままなのだが、肝心の5.56mm89式小銃は無かった。


 これ、始末書でどうにかなるのか? そんなことを考えていると自分たちの集団に対して声がかかった。


「勇者様方、ようこそおいでくださった! さっそくじゃが、我々に手を貸してくれんか?」


 いかにも豪華な服を着たふくよかな男性が呼びかける。


 勇者?それって小説とかで出てくるあーゆーやつのことだろうか?


周囲と顔を見合わせざわつく集団に対し、先ほどの問いかけをした人物の後ろに並ぶ一団の中から偉そうな男が声を張り上げた。


「王の御前であるぞ! 答えぬか!」


「よい、勇者様方はいきなり異世界から呼ばれて混乱しておるのだ。しっかり説明をせんといかんぞ」


「なんと寛大なお言葉! お前ら感謝しろ! 今から王が自らお前たちに説明してくださるそうだ!」


 どうやらこの状況について、王と呼ばれる人物が教えてくれるそうだ。


「勇者様方を呼び出した理由はこの大陸の危機を救ってもらうためなのじゃ。」


「数年前、この大陸に突然現れた魔王によって大陸の西側半分は瞬く間に占領されてしまった。残った大陸東側の国々で連携をとることとし、何とか均衡を保てておるが占領されるのも時間の問題じゃ。」


「そこで我が王家に伝わる勇者召喚を行い、勇者様方に魔王軍をうち倒してもらうためにお呼びしたのじゃ」


 つまり、俺たちは魔王軍相手の戦争のために呼ばれたということか?


 皆が暗い顔をしているのがわかる。


「おい! ふざけんなよ! さっさと元の場所に帰しやがれ!」


 召喚された集団の中からモヒカン頭の短気そうな男が、声を荒げながら王に対し抗議した。


「すまんがそれはできん、我々に元の世界へ帰す方法はないのじゃ。」


「おい、ふざけんなよ!」


 まったくもってその通りだろう。本人の意思に関係なく召喚され、元の場所へは帰れませんなんて、「はい、わかりました」と、納得できるほうがおかしい。


「しかしじゃ、過去にも同じく魔王が現れた際、勇者召喚が行われており魔王を倒した時、帰還の魔法書が現れ、希望をすれば元の世界へ帰還がされた、との文献が残っておる。つまり帰る手段は魔王が持っておるのじゃ!」


 都合の良い展開だな。帰る手段は魔王が持ってるから君たちの為にも魔王を倒してくださいってことじゃないか。


「ぐっ」


 どうやらモヒカン男も言葉に詰まっているようだ。


「しかし、我々の世界には魔王など存在せず、もちろん戦闘したことなどありません。とてもお役に立てるとは思えませんが?」


 モヒカンとは別、いかにもインテリそうな男が眼鏡をクイっとあげながら質問する。


「それについては心配いらん、この世界にはスキルというものがあり、女神様によって一人一つのスキルが与えられるのじゃが、異世界人は召喚されたとき必ず強力なスキルを授かることがわかっておる。それらを駆使し、我が王国騎士たちと共に訓練し、魔王軍との戦闘ができると判断するまでは戦場には出さんので安心してくれ」


 王はそういうと、後ろに控えている男に声をかける。話している内容は聞き取れないが、何かをうけとっているように見えた。


 その間、勇者と呼ばれた集団はスキルという非日常的な存在に、殆どの者が心躍らされていた。


 俺も興奮しないと言ったら嘘になるが態度に出るほどではなかった。


 そして王が再び声をあげる。


「これはスキル鑑定の書と呼ばれるものじゃ、これに触れることでスキルの名前と使い方が判るようになる。効果については実際に使用するか、過去に所有者のいたスキルは図鑑に記録があるので確認してほしいのじゃ。」


「ではスキル鑑定は部下が案内するからついていってくれ、良いスキルに恵まれていることを祈っておるぞ。」


王は説明を終えて部屋を出て行き、任された部下は王を見送ると自分たちの方へ向き直った。


「ではこれより皆様のスキルの確認をいたします。スキルの確認が済みましたら、世話係の者を付けますので本日はご自由にお過ごしください。勇者様方で雑談をし仲を深めていただくのもよいでしょう。ではお一人ずつこちらの部屋にお入りください。ではそちらの勇者様からどうぞお入りを」


 一番手前に立っていた少女が呼ばれ、部屋へと入って行った。

自衛隊の物語書きたかったんです。


皆様の感想お待ちしています。


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