第2章 皇慶太
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どれくらい走っただろうか。木々から覗く星空のみが慶太の足元を照らしている。
小さな丸太でてきた階段を10段ほど登ると視界が開けた。広場のようなスペースで山小屋がいくつか点在している。
(ここは……)
ゆっくりと歩みを進めると山小屋の1つから叫び声が聞こえた。慶太は反射的に走り出し、声がした山小屋の前まで行き、話しかける。
「おーーーい!!誰かーーー!!!」
「という訳だったんだ。ここが恐らく俺らが泊まる予定だったとこなんだろうな。」
「そうだったんですね〜。いきなり大声が聞こえたんでぶち殺そうかと思っちゃいましたよ。」
「こえぇこと言うなよ!ほんと、お前は時々サイコなとこがあるというか、何考えてるかわかんねぇ時があるな。」
「そうですか?防衛本能的に自然だと思いますけど。」
慶太と裕之のじゃれあいを見ていた葵も声をかける。
「ねえ、慶太くん。綾香が置いてったっていうそのバッグの中身は?」
「ん?ああ、手紙の指示通りまだ確認はしちゃいねぇが俺たちがサバゲーするときに持ってくバッグだからエアガンとかヘルメットとかが入ってんじゃねぇか?」
「早く開けましょう!銃持ってれば犯人と遭遇したときも蜂の巣にできますよ?」
「できますよ?じゃねえ!エアガンにそこまでの威力を求めんな!それに、開けるなって書いてあるのに開けるのは、なんつーか、ダメじゃねえか?」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!慶太くんが開けないなら私が開けるわよ!」
そう言って葵はファスナーに手をかける。




