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嘆狼ーナゲロウー  作者: 多田村 兼人
4/9

第1章 水嶋裕之

3


「ええええええええ?!!!」


昔ながらのコントのように、裕之の眼鏡が半分ずり落ちている。

「裕之君、ちょっとうるさいよ」

「あ、あ、すいません!!」

裕之はこういう所がある。本人は無自覚だが、サークル内ではムードメーカーだ。

「と、閉じ込められてるって…?」

「まだ可能性の話だけどね」


葵は、自分の推理と今分かっている状況について説明した。

「そんな…冗談じゃないですよ!」

ガン!ガン!

裕之はドアや壁を蹴破ろうと試みる。

しかし、よほど分厚いのかびくともしない。


「今はできるだけおとなしくしておいた方がいいかもしれない。裕之君、ケータイもってる?」

「ありますけど、圏外でした…」

「そっか…私はリュックに入れてたから、ここにはないみたい」

「荷物もこの部屋にはなさそうですね…」

「…裕之君はいつ目が覚めたの?」

「え?ほんの10分前くらいですかね、葵さんに気づく直前です」

「ふーん…」

「え、なんですか?!ひょっとして僕を疑ってます?!」

「いや、そんなことはないんだけど」

「あ、葵さんはいつから目覚めて?」

「裕之君よりもう少し前かな。私クシャミとかしてたけど、気づかなかったんでしょ?」

「そうですね…あ、でも僕もブツブツ呟いてましたけど、それには気づかなかったんですか?」

「うーん、全然。触れられるまで全く気づかなかった」

葵はこういう所がある。本人は無自覚だが、集中して物事を考えていると何も耳に入ってこなくなるのだ。

「はあ…葵さんって、しっかりしてそうで意外と…」

「意外と?」

「い、いやなんでも。それより他のみんなはどうなってるんでしょう」

「さあ…せめて運転してた綾香がいれば、何か手がかりが掴めるかもしれないけど」


この旅行の道中、運転していたのは葵の高校からの同級生、四条綾香だ。人当たりが良く、勉強も出来る優等生だが、恋愛事に関してはだらしがない。このサバイバル研究会に入ったのも、例のイケメン部長目当てだった。部長が卒業しても活動を辞めなかったのは、ずっと仲の良かった葵の存在による所が大きい。


「とにかく今はこのまま…」

「おーーーい!!誰かーーー!!!」


葵が喋り出した時、コテージの外から野太い声がした。


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