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醜いほど美しい『モノ』  作者: 佐山弾
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 「ただいま~」

 保健室登校するにあたって、一番大事なのは保健室の先生に懐くこと。

僕の性格では先生に嫌われてしまうため、元気で明るいごく普通の男の子を演じていた。

「また図書室に行ってたの?」

「本は大好きだから」

 きっと僕はどんな人を演じるにしても、本が好きな設定にするだろう。

これだけは嘘じゃないから。


 保健室でやることなんか基本的にないので、

教科書を読んだり、先生に渡されたプリントを解いたりしていた。

こんなことがどこで役に立つのだろうか?と疑問に思いながら。

 実際、今までで理科で習った知識が役に立ったことはたったの一度もない。

無駄だったのだ。

この事実を小学生だった僕に教えてあげたいと心の底から思っている。

 ついでに、司書の先生に借りた柊剛人の本は完全にSFで火星人やら謎のウイルスやらが

出てくるという、僕の好みとは真逆のモノなので愛想よくする必要はなかったということも。



 義務教育の間は嫌々でも学校を卒業しなくてはならないので、

しょうがなく、保健室に登校していた。

なので、青春時代の思い出なんてもの存在しない。

 それにいい子を演じていたのだから、学校に通っていたのは僕ではないとも言える。

なので、ここに書くようなことはない。



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