第2話 僕のこと
ヘいらっしゃい!
その後は一人に一部屋が与えられて一時解散となった。
僕はと言うと…
「きぃちゃーん!キャワイィ~!」
「ひよ姉、うるさい。」
「そんな~つれないな~」
「いいから自分の部屋に戻れよ!」
「あぁ~ん、きぃちゃん女の子なんだからそんな言葉遣いはダメよ~」
「はぁ…」
ひよ姉が鬱陶しかったが、それどころではない。
あの後すぐに解散となったのだが、僕のカードのエルセオラという名を見て、すごく慌ただしかった…
「きぃちゃん…」
「ひよ姉…僕はこの世界の人間なのかな?」
「…そうかもしれないけど…別にいいじゃない。」
「何でだよ!」
「…だってきぃちゃんは私の大事な義妹に違いないんだから!」
「…そこは義弟って言って欲しかった。」
「…テヘ!」
「…はぁ、ありがとう。」
と、話していたらノックの音が…
コンコン…
「狐さんかな?」
「…なんでや…」
「キサラはん…油断はいかんぜよ!」
「どういうキャラ…?」
「…キサラ様は居られますか?」
「…居りますですよ~」
「ひよ姉…」
ガチャッ
「失礼しますですよ~。キサラ様、国王陛下がお呼びです。」
「…あんたもか! わかりました…」
「よく来られました、キサラ様…」
「…なぜ‘様’なんでしょうか?」
「…この世界には三大宗教と言うものがあり、その中でも一番信徒が多いウラノス教、その最高司祭を勤めるのがエルセオラ家となっており、現最高司祭のクロストフ=エルセオラ様のご息女が15年前に行方不明となっておりました。その御方の名前がキサラ様と仰います。」
「それって…」
「はい、あなた様に御座います。」
「っ!なんでですか!なぜ僕なんですか!」
「この世界でエルセオラを名乗るのは最高司祭の家系の方のみとなっております。」
「で、でも…!」
「それともう一つ、異世界より戻りし姫君という称号、これは元々はこちらに居らした確たる証拠!」
「っやめて!」
「明日、教会より最高司祭様がいらっしゃいます…それまでにお心の整理を…」
「明日…」
コンコン!(ノックの音)
「失礼しますで…ゴホン、失礼します…晩餐の支度が整いました。」
「左様か、それでは参りましょう、キサラ様。」
「はい…」
僕と国王が着くと既にテーブルには皆がついていた。
「皆待たせたの…」(国王)
「キサラ!」
「キサラ君!」
「きぃちゃん!」
「「「そのおっさんに何をされた(の)!!?」」」
凄い勘違いされてるし亮や剛気は王様を睨みだすし…
「…なんでや!!?」
「そんな顔をして…酷いことされたんじゃないの?」
「別に何もされてないよ!!!」
「でも…」
「大丈夫だから、剛気も亮も落ち着いて!」
「…ああ、分かった」
「大丈夫ならいい…」
その後、改めて国王から挨拶があり晩餐が始まった
しかし、僕はそれどころではなかった。 …何を食べたのか、何をどうしたのか… 気が付くとさっき割り当てられた客間のベッドの上に居た。
日も昇っていて、その角度からまだ朝早い時間だと思う…
ふと見ると、ベッドに寄り掛かるように剛気と亮が眠っていて広いベッドの隣にはひよ姉が眠っていた…
どうやら相当心配をかけたようだ…
次も一週間以内に出せると思います。