第8話 入学式
4日以内とか言いながら遅くなり申し訳ありません。
試験に身内のごたごたが立て続けにあって多忙でそれどころではなかったからです。
どうか、これからもご愛読いただければと思います。
ここセントローラン教導院、今日は新年度の入学式。
今年は何でも、異世界からの転移者たる勇者様方もお入りになるとかで、例年よりも枠が多かった。
だが、ここは超難関校のセントローラン教導院、普通に入れるものなどほんの一握りなのだ…
ま、もちろん私も今年の新入生の一人なのだが。
え? 私が誰かって? ゴホン! 私はロリターノ王国三大公爵家の一つ、華のベルセーラ家、現当主ライナス・フォン・ベルセーラが第一子にして正統後継者、ベルナドート・ベルセーラであり、今年の新入生総代になるだろう男だ。
いくら召喚者であろうとこの私に勝るはずないからだ。 『これより、第77回セントローラン教導院の入学式を開会する。』
『それではまず、校長より挨拶!』
『諸君!私がこのセントローラン教導院校長のロベルト・オーネストだ!私が諸君に言う事はただ一つ、励め!!!以上だ。』
『ありがとうございました。続きまして、クロストフ・フォン・エルセオラ最高司祭様、お願いします。』
『只今ご紹介に上がりました、クロストフ・フォン・エルセオラ…司祭やってます。これから皆さんは学業、あらゆる武術に魔法を学ぶが、躓いても決してめげずに精進すれば必ず良いことがあるでしょう。』
『ありがたい御言葉、ありがとうございました。』
…さて、次はこの私の番だ!
『え~続きまして総代挨拶…キサラ・ローズ・エルセオラ!前へ…』
は!?私ではない!?…と言うかエルセオラ?
『キサラ・ローズ・エルセオラ、早く壇上へ…』
「は、はい!」
な、何だ…あの美少女は!?
同じ頃…
なぜだ!なぜ光の勇者たるこの俺ではなく綾辻なんだ!
side キサラ
『ありがたい御言葉、ありがとうございました。』
「そう言えば次は総代挨拶だよな?」
「そうだね、誰が総代になるのかな?」
「あの、前の方で立ち上がろうとしてる人じゃないの…?彼じゃなければ光の勇者(笑)かもね」
「亮って意外と言うよね…」
「そうかい?」
『え~続きまして…』
「イバ~ラキイィィィ」
「剛気うるさい。」
「空気読もうよ…」
「プッ…クク」
「ひよ姉…」
『キサラ・ローズ・エルセオラ!前へ』
「エッ?」
「スゲージャン!キサラ。」
「剛ちゃん…ジャン!って…プッ」
「はぁ…初耳だよ。」
「それより早く行った方がいいんじゃ?」
『キサラ・ローズ・エルセオラ、早く壇上へ…』
「は、はい!」
「行ってらっしゃい、きぃちゃん」
「他人事だと思って…」
壇上へ進む途中、凄く視線を感じるし…
「何だ…あの美少女は!?」
「エルセオラ…まさか聖女か?」
「かわいい娘ねぇ…ペロペロしたいわぁ~」
…何かヤバイ人がいるし…
「キサラ様、よく来てくださいました。」
何か校長が凄い下手
「あの~初耳なんですけど…」
「そりゃあ言ってないからな。」
「お父さん…」
「さぁキサラ、早く壇上へ。」
「はい」
『それではキサラ・ローズ・エルセオラ、挨拶を』
『はい、改めましてキサラ・ローズ・エルセオラです。皆さん、共に学び、共に遊び、日々精進しましょう。』
…パチパチパチパチ…
式が終わって…
「きぃちゃん、お疲れさま。」
「お疲れ、キサラくん。」
「なあ、キサラ…あれって中学の校長の言葉だよな?」
「う…うん。」
「やっぱりね。」
「それよりきぃちゃん、この後…」
「うん、お母さん達に会うんだ…」
「大丈夫…?」
「うん、大丈夫だよ。」
それよりも、これから一年…楽しもう。
次は一週間後に投稿です。




