ゴースト特殊武装団
「ようこそ、あんたがベリンダの連れてきたって奴?」
その言葉が耳に届いた瞬間『男』は愕然とする。
周りに集まっている5人の男女ら
その視線が全て自分に向かっている
その中にベリンダも含まれていた
私は・・・死んだはずじゃあないのか・・・?
そう、この『男』は一度死んでいる
つまり、ベリンダのような幽霊の類の仲間となったのだ。
「そういや名前、聞いてなかったな、なんつーの?」
「カールハインツ・コルネリウスだが・・・」
名前を聞き何故か笑顔になる中心の人物
「俺は・・・ゴーストってんだ、こいつらのまとめ役みたいなモン」
ゴースト?
やはり幽霊なのか、と戸惑っていると、コルネリウスに手を伸ばしてきた一人の子供
身長差は30以上あるだろう、小柄な子供
「メルヴィナです・・・よ、よろしく・・・です」
今にも消えてしまいそうな声
小柄すぎる身体に似合わない武装等
コルネリウスは柔らかくその手を包む
「えへへ・・・」
天使のような笑顔を向けられたが
コルネリウスはただ違和感しか感じられなかった
これがただの子供ならどれだけ自分も笑顔になったのだろうと考える。
武器を携える子の笑顔は美しくも、残酷に見えた。
「さて・・・」
ゴーストが口を開く
「俺達は今からある場所へ向かう、お前らは分かっているよな?」
ゴーストは4人の団員に視線を移し
それに応え、頷く4人
「日本だ」
日本?
なぜそんなところへ・・・?
「ベリンダから日本に俺達みたいなのがいるって聞いてな、ちょいと会ってみたくてな」
こんな奴らが日本に・・・
だとしたら危なくはないのか?
どんな奴がいるのかは軽く想像はつく
「メルヴィナ、お前はいつも通り後ろに回れ、いいな?」
突然名前を呼ばれ驚いたのか、身体をぴくっと跳ねらせ
「あ、はいっ・・・」
またも消えそうな声で返事を返す
そうか、この子はまだ子供・・・
他の団員とは違ってまだ戦闘はできないのかと安心する。
「ヘルツェンバイン、お前はメルヴィナに付け」
視線の先に居たのは目を覆う包帯を身につけた女性。
「ヴィルジール、貴様は私を・・・」
ヴィルジール、おそらくゴーストの名前であろう
ヘルツェンバインの口元がへの字に曲がる、メルヴィナと一緒は嫌なのだろうか。
「嫌なら俺がするが?」
ヴィルジールが笑いながらそう言うと、メルヴィナが小さく震えヘルツェンバインに寄り添ってきた
「やめろ、分かった・・・私が付く」
メルヴィナを引き剥がしながら嫌々そうな口調で答える。
「コルネリウス、あんたは俺、シュヴァリエ、ベリンダと一緒に行動だ」
シュヴァリエと呼ばれる男は制服、装備、全て乱れが無い
この団の副司令だと言う
「分かった」
と一言で返しそれ以降何も話さなくなった
ヴィルジールが立ち上がり、他の者も立ち上がる
「んじゃ、行くか」
ヴィルジールが一言発すると、団員全員が一瞬にして消えた。
コルネリウスも同時に
コルネリウスはもう、この団の仲間なのだ
全てを殺し、壊す、『ゴースト特殊武装団』の仲間。
この次は7人の子供たちのお話