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死を求めるようになったのはいつからなのか。その答えを、僕は未だに知らない。
気が付けば、自殺未遂を繰り返していた。
『どうしてそんなことをするの?ねぇ、教えてよ』
怒りっぽい母親に、何度もそう言われたが、僕には十歳より前の記憶が抜けてしまっている。
僕が死を求める理由は、おそらく十歳になる前に体験した何かが関係しているのだろう。でも、その原因が何なのか、記憶がないので僕は答えることができない。
『わからない。わからないよ』
そう言っても、僕の近くには、誰も僕の気持を理解できる人はいなかった。学校の先生や同級生、両親ですら、自殺願望のある僕を、気味悪がり、汚物のように扱った。
成人になる前に、肉親にすら見捨てられた僕に、友達がいる訳もなく、僕はこのまま―僕という人間を誰にも理解されないまま―寿命が尽きて死んでいくものだと思っていた。しかし、そうはならなかった。




