表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

3

 死を求めるようになったのはいつからなのか。その答えを、僕は未だに知らない。

 気が付けば、自殺未遂を繰り返していた。

『どうしてそんなことをするの?ねぇ、教えてよ』

 怒りっぽい母親に、何度もそう言われたが、僕には十歳より前の記憶が抜けてしまっている。

 僕が死を求める理由は、おそらく十歳になる前に体験した何かが関係しているのだろう。でも、その原因が何なのか、記憶がないので僕は答えることができない。

『わからない。わからないよ』

 そう言っても、僕の近くには、誰も僕の気持を理解できる人はいなかった。学校の先生や同級生、両親ですら、自殺願望のある僕を、気味悪がり、汚物のように扱った。

 成人になる前に、肉親にすら見捨てられた僕に、友達がいる訳もなく、僕はこのまま―僕という人間を誰にも理解されないまま―寿命が尽きて死んでいくものだと思っていた。しかし、そうはならなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ