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露骨な性描写はありません。
生きることに魅力を感じない訳ではない。憎悪溢れる糞みたいな世界に絶望している訳でもない。
それなのに、僕は死を求めてしまう。普通の人間が、食や快楽に手を伸ばすように、自然と体が死に向かって動いてしまう。
どうしてだろう。僕は自分でも、死を求める邪な感情を理解することができない。そのこと自体は―解ってくれる人はいないだろうが―とても苦しい。人と違う自分を受け止め、受け入れることは、僕からしてみれば、自分が怪物だと認めることと、大差ない。受容には、屈辱的な苦しみが伴うのだ。
誰も、好き好んで怪物になったりはしない。しかし、僕の周囲には、僕が自殺を行うことに関して『構ってほしいからしている』とか『自傷を楽しんでいる』とか、馬鹿丸出しの推理をする輩が沢山いる。
僕は、そんな低脳な奴等と理解し合いたいとは思わない。が、どうして理解してくれないんだとは思う。
僕が自殺しようとするのは、どんなに頑張ったって、僕の意志で止められるものではない。それなのに、僕の苦しみは、世間には苦しみと判断されることなく、甘えとして片付けられることがほとんどだ。
なんて生き辛い世界に生まれてきてしまったのだろうと、僕はよく思う。思ったところで、世界が僕に対する接し方を、変えることはないのだが……。




