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追加ダメージ+9999の短剣拾った  作者: 赤戸まと


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61.地下の隠し通路


 チヴェッテちゃんの魔法による白い光が、遺跡地下の闇を照らしていく。

 松明やランタンよりも明るくて見やすいね。


 地下の通路はそれなりに広くて、チヴェッテちゃんと二人並んで歩けるくらい。


 魔物の気配は感じない。だけど部屋を一つ一つチェックしていくよ。もうリーバービーバーはいないだろうけれど、前回は油断して、痛い目を見たからね。


 地下ニ階に降りてきて、ここまでは異常なし。

 ゴーストが逃げてすり抜けていったっていう壁は、地下二階の奥の壁だって。道中気を配りながら、そこまで案内してもらおう。


 物置部屋と地下牢を確認しながら通過して、一番奥の行き止まりまで来たよ。

 左右両側には空っぽの牢屋があって、正面はただの壁だ。ここをゴーストがすり抜けていったらしい。


 チヴェッテちゃんに明かりを近づけてもらって、じっくり観察してみた。

 うーん、ただの壁だよね。軽く叩いたり、耳を当ててみても、特に変わった所は無い。


 除霊専門家のチヴェッテちゃんに、ゴーストについて聞いてみたよ。ゴーストが物質をすり抜けることができるのは、せいぜい30センチくらいの厚さまでらしい。

 つまり、ここをゴーストがすり抜けたってことは、この壁の向こうに空間があるってことだよね。


 よし。ちょっとやってみるか。

 チヴェッテちゃんに少し下がってもらって、私はスリングショットを取り出した。

 以前東沼ダンジョンで隠し部屋を見つけたときみたいに、壁を壊してみようと思ったんだ。


 ていやっ! 手持ちの中で一番大きな弾を壁にぶつけた!


 ゴツン! と大きな音が鳴ったものの、弾はその場に落ちて、壁には傷ひとつ付かなかったよ……。

 だめかー。


 ここじゃなくて、別の場所から周り込むんだろうか? それとも、上の階から下に行く隠し階段とか? そうだったら、見つけるのにすごく苦労するなあ。

 闇雲に探してたらキリがないよね。何かヒントは無いかな? チヴェッテちゃんに、気付いたこととか聞いてみたよ。


「そういえば魔法使いさん、通路の先には魔法研究施設があるかも、みたいなこと言ってたね」


 そうだ。そんな噂があるって黒のお姉さんが言ってた。

 もし本当にこの先に当時の魔法研究の施設があったのなら、通路を隠したのは――研究所の魔法使いかも?


 つまり隠し通路の開き方は、魔法仕掛け!


「なるほど! でも当時の魔法って大したことないんでしょ? 壁が動くような仕掛けなんて、作れるのかなあ?」


 確かにそうなんだよね。

 うーん、動く魔法の壁なんて無理かあ。やれてせいぜい、魔法で動くもので通路を防ぐ、くらいかな。


 魔法で動く……壁みたいなもの……。


「チヴェッテちゃん、明かり消して!」


 光魔法を消してもらって、代わりに私のランタンを点けて壁を照らしてみた。自慢したかったわけじゃないよ。


 ――やっぱりだ。

 チヴェッテちゃんの魔法の白い光じゃあ気付かなかったけれど、ランタンのオレンジの光だと、違いが分かったよ!


 ランタンの光に照らし出されたのは、白い壁だ。他の壁は白寄りの灰色で、似たような色だからぱっと見は気付けない。だけどよく見比べると、ここの壁だけ灰色じゃなくて、白いんだ。


 どこかでみたことがあると思ったけど……デンジー廃鉱山ダンジョンの、壁に偽装したアイツだ! 私はすごい短剣を取り出して、壁にトウ! と突き刺してみたよ!


 短剣の刃は壁に抵抗されることなく突き抜けて、そのまま白い壁が、ガラガラと崩れてきた。


「おっと、離れるよ、チヴェッテちゃん!」


 離れないとしびしびするからね。壁が崩れて倒れてきたのは、やはり壁に偽装していた、ホワイトゴーレムだった。

 ゴーレムって昔から存在していたから、当時の魔法使いでも作ることはできたんだろうね。


「わあ! 向こう側に通路が見える! やったねユリシィちゃん!」

 チヴェッテちゃんと二人でハイタッチ。これで向こう側に行けるよ!


 そうだ、一応ゴーレムの核を拾っておこう。進化前のホワイトゴーレムの価値はロックゴーレムと同じだから、500ペネくらいだけどね。

 あとで山分けしようねって言ったら、チヴェッテちゃんは、自分は依頼主だから分前はいらないって言うんだ。この探索で見つけたものは全部私にくれるって。


 それは申し訳ないし、断ったんだけど。

 チヴェッテちゃんは本業が除霊師で、ゴーストの除霊でかなりもらえるんだって。だから依頼料と拾得物は私、ゴーストの除霊料はチヴェッテちゃんで分配することになったよ。


 崩れた壁の向こう側を少し進むと、下に降りる階段があった。魔物の気配も無かったので、慎重に降りていって、その先は――。


「わああ~!」


 二人で感嘆の声をあげちゃった。


 これまでより高い天井。横幅は同じくらいだけど……壁一面にぎっしり紋様が掘られている。

 チヴェッテちゃんの光魔法で照らしてもらって、じっくり見てみたよ。


 これは……絵、だね。横向きの人物やら、獣? ゴーレムみたいなのもある。

 何を伝えたいのかはさっぱりわからないんだけれど、これはたぶん、砦の時代よりもっと前のものなんじゃないかな。もしかしたら結構な大発見かも?


 だけど持ち帰ることはできないし、眺めてても仕方がないから先へ進もう!


「ちょっと先に、ゴーストの気配がするよ!」

 チヴェッテちゃんが目的のゴーストを探知したみたい。この通路の先だ!

 ヤツは逃げるからね。光魔法を控えめにして、ややゆっくり目に先を進んでいく。


「この通路って、どっち方面にむかってるのかな?」

「東の方へ向かってるね。ちょっと北寄りかも」

 チヴェッテちゃんの疑問には、すぐに答えられたよ。よく森を探索するから、方向感覚は鍛えられてるんだ。薬師だからね!

 でも急に方角を気にしたりして、どうしたのかな?


「ヤーナが言ってたんだ。この一帯を支配していた一族は、砦を放棄した後は東の湿地帯へ本拠地を移したそうだよ。もしかしたら、この通路は東沼ダンジョンにつながってたりしてね」


 ははは。まさかあ。

 東沼ダンジョンまでは結構な距離があるよ。そこまで掘り進めたら大変な大工事だ。でもそうだったら面白いね。


 そんな軽口を挟みながら進むと、道の先がY字に分かれたところに出た。ゴーストの気配は、右側の通路からするみたい。


 左側の通路の先もちょっと気になるけれど、ゴースト退治が先決だ。右へ行こう。

 そしてしばらく進むと……いかにもな両開きの扉の前に出た。ここが魔法研究所かな。


 ここまで来たら私にも探知できたよ。この部屋の中にゴーストがいる。だけどそれだけじゃなくて……もう一体、強そうな魔物が、いるっぽい。



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