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追加ダメージ+9999の短剣拾った  作者: 赤戸まと


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5.初めての戦闘


 泥モグラはこちらに背を向けてるけれど、キョロキョロとまわりを警戒している。不意打ちが成功するかは賭けになるな。


 ――力の無いものは、知恵を働かせ。


 これは故郷の村の師匠、薬師のおばあちゃんの言葉だ。

 素材採取中に思いがけず魔物と出くわしてしまった時の対処法も、叩き込まれてるんだ。

 相手は人間じゃない。本能で行動する魔物だ。知能がない分、反応を予測しやすいはず。ほら、モグラは横ばっかり警戒してるけど、上下は見ていない。


 手頃な石を拾って投げる。石はモグラの頭の上を通り越して、向こう側に大きな音とともに落ちる。

 するとモグラは反応して、落ちた石の方へ注意を向けた――今だ!


 短剣を構えて曲がり角から飛び出す。

 これまでは、相手の意識を反らしたら逆方向へ逃げていた。でも今回は、この短剣がある。戦うんだ。


 背中を向けている泥モグラへ、短剣振り抜きつつ、追い越した。

 ――手応えがない!? 空振った!


 まずい! 慌てて振り向いて泥モグラの反撃を警戒する。


 そこにあったのは……胴体が真っ二つになった泥モグラの屍だった。


 あれ? 短剣当たってたの? ぜんぜん手応えがなかったんだけど。


 屍の断面からは血が流れ出てるけど、短剣には一滴も付いてない。まわりには何もないし、この短剣で斬ったんだよね?

 うん、この短剣すごい。あっさり勝てちゃった。


 モグラの屍はグロテスクな断面を晒してるけど、素材を剥ぎ取らなきゃ。こういうのは結構平気だよ。薬師だからね!

 モグラの爪はすごく硬くて、武器や魔道具の材料になるんだって。でもポーションの材料にはならないんだ。


 周囲の魔物を探知しながら、爪を剥ぎ取り終えた。魔物はもうこのあたりにはいないみたい。


 もうちょっと、進んでみようかな。落ちてからここまで一本道だから、迷わず戻れるはず。よっし。次の分かれ道までと決めて、前へ行こう。


 意気揚々と歩き出したけど、少し歩いたら下へ降りる階段へ到達してしまった。

 えっ? 2層って、L字型の通路があるだけなの? 迷宮って、思ってたより簡単かも。


 おっといけない。楽観的なところは、おばあちゃんに治すように言われてるんだ。

 そろり、そろりと階段を降りる。3層だ。


 目視では、魔物の姿はない。通路は真っすぐ伸びていて、突き当りを左に曲がってる。

 その先に……魔物がいるっぽい。そっと覗くと、泥モグラが一匹。さっきと同じだ。


 全く同じやり方で、泥モグラを倒した。


 二体目討伐完了、素材もゲット! すごく順調だ。

 でも……ここもただのL字型通路なの? 曲がった先にはもう魔物はいなくて、ちょっと長めの通路を歩けば下に降りる階段に到達した。まさか無限ループじゃないよね?


 戻る? うーん、でも次の4層には、ルオナ草がある! 行くしかない!

 4層から出る魔物は、巨大コウモリだ。空を飛ぶからモグラみたいに簡単には倒せない。いつでも逃げ出せる心構えで、慎重に階段を降りたよ。


 4層の見た目は、これまでとはちょっと変わった。地面が土だけじゃなくて草が生えてる。通路がやや広くなって、天井もちょっと高くなったみたい。その天井に――わわ、コウモリがぶら下がってる! 三匹も! 逃げよう!


 慌てて階段を逆戻りして上った。はあはあ。

 どうしよう。短剣じゃ、全然届かないよ。……ん? 届かないなら、戦わなくていいんじゃない?


 そうだよ、こっそり下を通り過ぎよう! てことで、もいちど4層に来た。

 そろうり、そろうりとコウモリの下を通り過ぎて、ふう。無事に通り抜けた!


 おなじみの一本道の曲がり角を曲がったところで一息。なんて、やっぱり私は楽観的だった。曲がったところにもコウモリがいたんだ! こっちには気づかれてコウモリが襲ってきたよ!


 曲がり角の奥へ走り抜けようとするけれど、コウモリのほうが早かった。避けようとして、すってんと転んじゃった! あっ、転んだ拍子にカバンの中身もぶちまけちゃった! ついてない!


 コウモリは再び襲いかかってくる! 巨大コウモリって呼ばれてるだけあって、大鷲みたいな大きさだ……怖い!


 何か、何かないかとぶちまけたカバンの中身を漁る――これだ!


 わたしが引っ掴んだのは、松明だ。

 素早く火打ち石で、松明に着火させる。あらかじめ松脂を塗りつけてあったからすぐについたよ。

 火のついた松明をコウモリに向けたら、やっぱり嫌がって逃げてった。どんなもんだい! これぞ薬師の知恵だよ。


 松明が消えないように気をつけて荷物をかき集めてたら、見つけたんだ。ここに来た目的の、ルオナ草!



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