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追加ダメージ+9999の短剣拾った  作者: 赤戸まと


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42.健康ポーションづくりに挑戦!


 ミミレちゃんちの定食屋さんに来たよ。


 お昼ご飯を食べるのと、あとせっかく作ってくれたサンドイッチを台無しにしちゃったことを誤りにきたんだ。

 ミミレちゃんは全然気にした様子もなく、また作ってくれるって笑ってた。ホントに優しい子だね。


「横取りモンキーかあ。俺らも若え頃、よく食いもん盗られたなあ」


 隣から相槌を打ってきたのは、元冒険者で元常連だった、この前のオジサンだ。

 なんかこの人、ここに来るたびに見かけるんだけど。もうすっかり常連客に戻ったようだね。


 他にもけっこうお客さんが戻ってきてるみたい。混雑ってほどじゃないけど、途切れないくらいにはお客さんが入ってるよ。

 ミミレちゃんもずっと厨房にこもりっきりだし、そろそろここの厨房を借りるのも、潮時かもしれないね。


 近い内に、キッチン付きの宿に移ることも考えておかなきゃ。健康ポーションの収入が入ったら、いけるかな?


 考え事してたら、ミミレちゃんの料理が来たよ。美味しそう! いただきまー…………。


 ――はっ! つい、ヤツがいないかキョロキョロ確認してしまったよ……。


 ***


 お腹いっぱいになったところで、次は商会長さんちだ。


 場違いな北区を歩いて、お屋敷に向かう。

 このあたりの通行は馬車が多くて、歩いてる人は少ないよ。建物も大きくて道もきれい。別の世界に迷い込んじゃったような気分だね。


 商会長さんちに着いてベルを鳴らすと、お出迎えは執事さんだ。

「ユリシィ様、お待ちしておりました」

 最近はもう様付けも慣れた感じ? いやいや、まだムズムズするよ。


 今日は直接、薬師の作業場へ通されたよ。商会長さんは別室で来客の対応中らしい。また忙しく働いてるみたいだね。

 ポーションが完成したら、この前の応接室で商会長さんに渡す予定だよ。その頃には来客との商談も終わってるだろうって。


 だったら張り切って、今日、健康ポーションを完成させたいね。

 この作業場は今日私が自由に使っていいんだって。でもここはモラリちゃんの作業場だから、汚さないように気をつけないとね。


 お願いしていた聖水も用意してくれたよ。作業台に聖水が10本も置いてあるよ。高いのに太っ腹だね。こんなにいらないよ。


 さあ、つくろうか!


 作業中はモラリちゃんも含めて、部屋に立ち入らないように、しっかりお願いしたよ。

 まさかとは思うけど、覗き見の魔道具なんて仕込んでないよね? 信頼してるけど、念のためにチェック。

 魔道具は微量の魔力を放出してるから、魔物と同じように探知できるよ。探したけど、この部屋にあるのは火力調整用の魔道具だけだった。ほっとしたよ。


 それじゃあ、ここからの作業は秘密だから、こっそりやるよ。


 ……………………。


 ……………………。


 ……ふーう。


 時間はどれくらい経ったかな。

 何度か失敗しちゃったけど、なんとか一本、完成したよ。


 さっきはこんなにいらないっていったけど、聖水も半分くらい使っちゃった。キエンメ草もギリギリ使い切ったよ。あー難しかった!


 しっかり後片付けしよう。他の人の作業場だからね。きれいにしてお返ししなきゃ。

 よし、ポーションを持って応接室に行こう!


 ***


 片付けが終わったタイミングで呼び鈴を鳴らすと、執事さんが迎えに来た。一緒に応接室にやってきたんだけど、応接室にいたのは商会長さんじゃなくて。


「お疲れ様です、ユリシィ様」


 あれっ? なんでここに薬師ギルドのシニヨンのお姉さんがいるの?

 お姉さんの来客対応してたのはモラリちゃんだ。二人にぺこりとあいさつを交わしたよ。


「ユリシィ様が未登録のポーションを製作するとのことで、確認に参りました」


 あっ、そうなの? もしかして、勝手なことをして怒られる流れかな?

 とりあえずポーションを出そう。テーブルの上につくったばかりの健康ポーションを置く。


 シニヨンお姉さんもモラリちゃんも、初めて見るポーションに興味津々だよ。


 そのタイミングで、執事さんが商会長さんを連れて戻ってきた。あれっ? もう一人……なぜか冒険者ギルドのサブマスもいるんだけど?


「別件で商談に来てたんだが、お前さんも来てるって聞いて、顔を出しておこうと思ってな」


 ほー。サブマスも色々活動してるんだねえ。でかい図体をきちっとした正装にぎゅうぎゅう押し込めて……うん、似合ってる、よ。


「……ったく、誰のせいで忙しくしてると思ってるんだか」

 なんかぐちぐち言ってるサブマスは放っておいて、さっそく健康ポーションを商会長さんに渡そう。


「その前に、こちらの小瓶に少々サンプルを頂いてよろしいでしょうか?」

 シニヨンお姉さんが差し出したのは、私の親指くらいのちっちゃな小瓶だ。これくらいなら全然構わないよ。

 受け取った小瓶に、ポーションを少し移し替えてお姉さんに渡した。お姉さんはすぐさま受け取ったポーションを鑑定したよ。


「…………有害なものでは、ありません。ですが、それ以上のことは……私では分かりかねます、ね」


 ちょっと悔しそうなお姉さん。初めて感情を出したところを見たよ。

 優秀そうなお姉さんでも分からない、か。さすがはおばあちゃんのポーションだね。


 害がないとわかった商会長さんは、さっそく健康ポーションを飲みたそうにしている。おっと、その前にもう一度注意事項を説明しておかなきゃ。


「この健康ポーションの効果があるのは一回だけです。約一年くらいは効き目が続くと思いますが、その期間で、疲れたら休むという習慣を身につけて下さい。二回目は効きませんからね」


 うむわかった、と大仰に頷く商会長さん。ほんとにわかったのかなあ。ちゃんと見張っててねと、執事さんに視線を送っておいた。


 私とシニヨンお姉さんとモラリちゃんとサブマスと執事さんが見守る中、商会長さんが、健康ポーションを口にした。



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