表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追加ダメージ+9999の短剣拾った  作者: 赤戸まと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/18

10.ディープルの森


 ふう。お姉さんの察知能力ジゴクミミを甘く見てたよ……。噂話は気をつけようね。


 さて。ミミレちゃんにはお店で待っていてもらって、ディープルの森に行こう!

 西門から街を出て、街道沿いにてくてく歩く。

 40分くらい進むと、左手側、遠くに背の高い木々が増えてきた。あれがディープルの森だね。


 街道を南に逸れる獣道を見つけた。森へ向かう冒険者たちがよく通るのだろう、道は踏み固められて歩きやすいよ。

 この道をまた40分ほど歩いて、ようやくディープルの森だ。


 森に一歩踏み入れると、まだ暑い季節なのに肌がひんやりとしてくる。うす暗くて、森の匂い。

 薬師にとってはホームグラウンドだ! 


 まだここは第一区画(エリア)。木々の密度も緩くて木漏れ日もあるので、見通しは悪くない。

 脅威度の低い魔物しかいなくて安全だけど、大したものは収穫できない。


 目当てのイシイオ草は第ニ区画エリアにある。ここはとっとと通り過ぎよう。

 森を進んでいくと、少しずつ木漏れ日も少なくなっていき、一瞬ふと、一段階空気が変わった感覚がした。区画エリアを跨いだな。


 ここはもう薄暗い森の奥。危険な空気に身が引き締まる。第ニ区画エリアだ。


 少し、戦いに慣れておこうかな。

 あのすごい短剣を取り出して、気配を探る。……いた。この気配は――蹴りうさぎだ。

 蹴りうさぎは森の第ニ区画エリアの中ではけっこう厄介な魔物だ。敏捷な動きと力強いキックを得意としてる。出会い頭にいきなり飛び蹴りしてくるような、好戦的なやつだ。


 蹴られても死ぬほどじゃないけれど、めちゃくちゃ痛いらしいよ。……うん、あいつはやめておこう。

 そもそも素早いやつは専門外なんだ。泥モグラとか、なめくじとかみたいな、あんまり速くないやつでないと短剣が当たらないんだよ。


 蹴りうさぎのいるところとは、逆方向に向かう。

 姿勢を低くして進んでいくと、次に捉えた気配は角ムカデだ。

 たくさんの脚で縦横無尽に移動して、角で攻撃してくる。硬い殻に守られていて防御力も高いよ。でも速さはそれほどでもないし、この短剣なら攻撃は通るかも!

 いつもは見かけたら逃げてたやつだけど、今回は戦うよ。これでもウッドランク冒険者だからね!


 目視できるところまで近づいた。おっと、離れたところにもう一匹いるよ。

 二匹相手だけど、しょせんは虫だ。連携とかはしてこないから、落ち着いて一匹ずつ倒そう。


 だいじょうぶ。デスなめくじより怖くはない。ふーはー。

 むこうの角ムカデに気づかれないように位置を調整して、手前のヤツに、えいっ。地面の土を掴んで投げつけた。


 こちらに気付いた手前の角ムカデが、怒って突っ込んでくる。わっ、怖い!

 体長は80センチくらい。その額に付いてる角はさらに30センチくらいあって、こちらに向かってくる。でもかわすのは難しくなさそうだ。高さが無いからね。

 問題は、短剣が通るかどうかだけど……トウ! かわしざまに短剣を突き立てる!


 すごい、全く手応えがない。短剣はスルッとムカデを通り越して地面に突き刺さる。ムカデは進んでいた勢いで縦に真っ二つに裂けたよ……。

 けっこうな音がしたから、もう一匹の角ムカデも気付いて襲ってきた。とにかく当てれば勝てるんだ。ていっ。


 二匹目も軽々と真っ二つに。あの硬いムカデをこうも簡単に倒せるとか、すごすぎない!?


 試しに近くの太い木に、この短剣で斬りかかってみた。トゥイ! アイタッ!


 あれっ? 木を斬ろうとしたけど、普通の短剣を当てたみたいにかすり傷がついただけだったよ?

 追加ダメージは魔物と戦うときでないと発現しないのかなあ……。


 まあいいや。この短剣が強いのは確かなんだ。活動の幅が広がるぞ!

 冒険者としてももっとランクがあがるかも。でも、あくまでメインは薬師だよ。いずれは中級ポーションにも挑戦したい。そのための素材も、この短剣を持って取りに行こう!


 まあ、今はまず今夜の宿代を稼がなきゃなんだけど。

 角ムカデのツノは、一本200ペネ。4体倒したら宿に泊まれるぞ。まずは二本。でもやっぱり、ツノの剥ぎ取りに短剣の追加ダメージは発生しなかった。硬いツノをナイフで無理やりひっぺがしたよ。


 ツノの剥ぎ取りに集中してたから、気づけなかった。


 獰猛な二つの瞳が、私を捉えていたことに。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ