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サバゲー男子が悪役令嬢に転生して、イベント無視でサバゲー極めたら魔王まで倒す物語  作者: 南蛇井


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scene7 戦いの条件 ― 倒し方が違う

魔力中枢。


魔王は、戦う構えすら見せなかった。

ただ、淡々と――事実を告げる。


「力で倒しても、意味はない」


その言葉に、騎士たちがざわめく。


「何を……?」


「戯言を――」


だが魔王は、続ける。


「私を斬れば、世界は一時的に静まる」


「だが、歪みが残る限り――」


「私は、また生まれる」


重い沈黙が落ちた。


「世界が歪めば、

 均衡を壊すための存在が必要になる」


「それが――私だ」


ヴィオレッタは、はっきりと理解した。


(……やっぱり)


(HPゼロにして終わり、じゃない)


これは――


(殲滅戦じゃない)


(条件達成型ミッションだ)


彼女の思考は、自然と“慣れた領域”へと接続される。


サバゲー。


撃破数を競う試合もあれば、

フラッグを取った時点で勝敗が決まるルールもある。


相手を全員倒しても、

勝利条件を満たしていなければ負け。


(同じだ)


(この魔王戦は……)


(“撃破”が目的じゃない)


ヴィオレッタは、静かに一歩前に出た。


「つまり――」


騎士たちの視線が集まる。


「あなたを倒しても、

 再発条件が残っていれば意味がない」


魔王は、ゆっくりと頷く。


「理解が早い」


「さすがだ。

 “ルールを知っている者”よ」


ヴィオレッタの頭の中で、条件が整理されていく。


(勝利条件)


(魔力偏向の解消)


(神殿システムの再固定)


(世界ルールの再安定化)


(全部、戦闘じゃなくて――)


(“制圧”と“管理”)


彼女は、思わず内心で呟いた。


(……最終戦まで)


(やってること、サバゲーじゃん)


レオンが、低く問いかける。


「……ヴィオレッタ」


「どうすればいい」


その声には、迷いがなかった。

彼女に判断を委ねる覚悟が、はっきりとあった。


ヴィオレッタは、短く答える。


「倒す必要はありません」


騎士団がどよめく。


「な、何だと……」


「魔王を、倒さずに?」


彼女は、言い切った。


「勝利条件が違うんです」


「これは――」


一瞬、言葉を選び、


「“世界システム修復戦”です」


魔王が、静かに笑った。


「そうだ」


「私は、敵役に過ぎない」


「本当の戦場は――」


その視線が、神殿全体へと向く。


「この世界そのものだ」


ヴィオレッタは、魔導銃を握り直した。


だが、狙いは魔王ではない。


(……なるほど)


(最終戦も)


(結局、“ルールを読めるかどうか”か)


彼女の口元に、わずかな笑みが浮かぶ。


(得意分野じゃない)


(むしろ――)


(これしか、やってきてない)


戦場の定義が、ここで完全に変わった。


剣を振るう戦争から、

世界の勝利条件を奪い合う戦いへ。


そしてヴィオレッタは、

そのルールを――最初から理解している唯一の指揮官だった。

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