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サバゲー男子が悪役令嬢に転生して、イベント無視でサバゲー極めたら魔王まで倒す物語  作者: 南蛇井


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第11章:魔王の正体 scene1 神殿内部 ― 世界の歪みを視る者

古代封印神殿の内部に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。


重い。

だが、それは単なる圧迫感ではない。


魔力が――流れていない。


いや、正確には流れている。

だが、本来あるべき方向ではなかった。


天井を走る古代魔導回路、壁面に刻まれた文様、床下を巡る魔力導管。

それらを伝う魔力は、どこかで“引き寄せられる”ように歪められ、一定の方向へと偏向している。


溢れているわけではない。

暴走しているわけでもない。


――意図的だ。


「……魔法、うまく乗らないぞ」


前方を進む騎士の一人が、小さく舌打ちした。


別の騎士が強化魔法を展開しようとして、眉をひそめる。


「おかしい……さっきより出力が落ちてる。いや、逆か?」


一瞬強まり、次の瞬間には抜け落ちる。

強化の波が安定せず、身体感覚がわずかに遅れる。


足元が傾いたような錯覚。

距離感のズレ。

空間そのものが、微妙に“信用できない”。


神殿内に、目に見えない違和感が満ちていた。


ヴィオレッタは、その様子を一歩後ろから静かに見ていた。


(……やっぱり)


胸の奥で、確信が形になる。


(“魔力偏向”が起きてる)


これは、強大な魔力を無理やり押し流した結果ではない。

力任せの現象では、こんな歪み方はしない。


むしろ逆だ。


世界そのものが持つ魔力の流れを、

少しずつ、丁寧に、書き換えている。


ヴィオレッタは視線を巡らせる。


壁に刻まれた文様。

床下から伝わる微かな脈動。

それらはすべて、同じ“方向”を向いていた。


(魔王の力……じゃない)


(これは――)


彼女は、誰にも聞こえないほど小さく息を吐く。


(“世界のルール”をいじってる段階だ)


戦闘のための力ではない。

破壊のための魔力でもない。


これは、戦いが始まる前の準備。


世界が「こういう在り方になる」と、

前提条件を書き換えられつつある状態だ。


騎士たちはまだ、

「魔力が不安定だ」というレベルでしか捉えていない。


だがヴィオレッタだけは理解していた。


――ここはもう、

  普通の戦場ではない。


世界そのものが、

敵の土俵に引きずり込まれ始めている。


彼女は魔導銃を握り直す。


(……やっぱり)


(この戦い、

 倒すだけじゃ、終わらないな)


静かな神殿の奥で、

誰にも気づかれないまま、

物語の“隠しルート”は、確実に進行していた。

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